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  • 階猛

オウム事件の記憶-7人の死刑執行

この度の西日本を中心とした豪雨災害において、亡くなられた多くの皆様とご遺族の皆様に慎んでお悔やみを申し上げますとともに、被災されて各地で困難な生活を送られている皆様に心よりお見舞いを申し上げます。


6日、麻原彰晃(松本智津夫)死刑囚らオウム真理教の元幹部7人の死刑執行が行われました。坂本弁護士一家殺害事件、松本サリン事件、地下鉄サリン事件など社会を震撼させた一連の事件で中心的な役割を果たしたとされる面々です。この一報に接し、いくつかの記憶がよみがえりました。

一つは、地下鉄サリン事件があった平成7年3月20日の出勤時のこと。午前8時前に当時勤めていた長銀がある地下鉄千代田線の霞が関駅で下車。職場で仕事に取り掛かった矢先に自宅から電話が入り、霞が関駅周辺が事件で大パニックになっていることを知りました。その後、私が降りた同じホームで、駅員さんがサリン中毒で亡くなったとの報道。

この日は、決算期末を控えて少し早めに家を出たため難を逃れましたが、もし普段通りに出勤していたら自分もどうなっていたか分かりません。背筋が寒くなる恐怖と大きな怒りを覚え、犯人は当然に死刑にすべきだと思っていました。

二つめは、平成14年の秋、東京地裁の司法修習生として、オウム事件の共犯者の刑事裁判に立ち会った時のこと。地下鉄サリン事件から7年以上が経過し、社会の関心も薄れ、傍聴人もそれほど多くありませんでした。間近で見る被告人の姿も未曽有の凶悪事件の犯人というより普通のサラリーマン風でした。麻原教祖のマインドコントロールに操られてしまったように思え、率直に言って怒りだけでなく、同情の念も感じました。

最後は、平成26年6月に衆院法務委員会で東京拘置所の死刑執行場を見学した時のこと。刑場は前面がガラス張りになっていて、その向こう側で責任者が執行の一部始終を見られるようになっています。床の上に約1メートル四方の正方形の赤枠が書かれ、この位置に死刑囚が立ち、執行時に床が開いて絞首される仕組みです。その場所に近付くと本当に足が震えました。今回、麻原死刑囚はそこに立って何を思ったのでしょう。

オウム事件について、図らずも被害者的な立場、第三者的な立場、死刑囚的な立場で関わりました。理不尽な凶悪犯罪で愛する人の命を奪われたご遺族の心情を第一にしつつ、刑事裁判や死刑のあり方を考えていきたいと思います。

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