記事

アングル:個人情報のEU新規則、「限界」試すネット広告業界


[サンフランシスコ 2日 ロイター] - 欧州連合(EU)は5月に個人情報保護の新規則「一般データ保護規則(GDPR)」を導入し、企業は個人の同意がなければ個人情報を収集することができなくなった。規則に違反すれば年間売上高の4%相当の罰金を科される恐れがある。

ただ、ネット広告業界では新規則を順守するためにサービスを中止する企業がある一方、当局がどこまで同意のない個人情報利用を容認するか見極めようとする企業もあり、対応はまちまちだ。

広告業界関係者や大手ウェブサイト運営会社、ロイターの調査などによると、一部の大手ウェブサイトは個人の同意を得ないまま、欧州のユーザー向けにターゲット広告を表示し続けている。

ウェブサイト運営会社や広告ソフトウエア会社からは、個人からの合意取り付けの義務を合法的に回避することは可能だとの声が出ているほか、規則導入からまだ1カ月で当局も取り締まりには動いていない。

法律事務所バード・アンド・バードの法律専門家、ガブリエル・ボイシン氏は、同意取得義務の厳格な施行には限度があり、企業が規則をある程度逸脱することは可能とみている。「現時点ですべての広告在庫が規則を順守していると言えば誇張が行き過ぎる」という。

ネット広告業界の複数の幹部によると、欧州の消費者は個人情報に基づく広告表示に同意するかどうか尋ねられれば、10─30%の割合で拒否するという。

ネットの検索履歴などに基づくターゲット広告は、広告主が支払う広告料が非ターゲット広告の10倍にもなるだけに、220億ドル規模を持つ欧州のネット広告業界にとって事は重大だ。

ドイツの出版・新聞大手アクセル・シュプリンガー<SPRGn.DE>は傘下のビルト紙のネット版について、ターゲット広告の表示にユーザーの同意を求めていない。ユーザーがサービスの利用を中止することが可能で、正当な利益がある限りにおいては事前の同意なしにターゲット広告を表示できるとの立場だ。

イーリング・ガゼット紙など英リーチ<RCH.L>傘下の新聞も、6月28日時点でユーザーの同意なしにターゲット広告を表示していた。

北米プロアイスホッケーリーグ(NHL)のウェブサイトも6月28日時点で、個人情報の利用について明確な情報開示なしにターゲット広告を表示し続けていた。

一方、米アルファベット<GOOGL.O>傘下のグーグルは顧客に対して、ユーザーの同意なしのターゲット広告表示は法的に問題があるかもしれないとアドバイスしている。

メディアコンサルタント会社のオコ・デジタルが6月初めに75件の主要ウェブサイトを調べたところ、3分の2以上がユーザーの同意を得ずにターゲット広告を表示していた。

(Paresh Dave記者)

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    習近平氏が進める「共同富裕」政策 恒大集団の救済に足踏みか

    飯田香織

    09月24日 08:40

  2. 2

    「自民党は嫌いでも、投票するのは自民党」立憲民主党が自民党に勝てない最大の理由

    御田寺圭

    09月23日 08:07

  3. 3

    45歳定年なんてホントに実現するの?と思ったときに読む話

    城繁幸

    09月23日 16:12

  4. 4

    オウンゴールで支持率下げた菅政権 野党は絶好のチャンスを活かせ

    毒蝮三太夫

    09月24日 08:05

  5. 5

    43歳、年収600万円で「結婚できないのが辛い…」と会社を辞めた男性に励ましの声

    キャリコネニュース

    09月23日 12:17

  6. 6

    与党・公明党が選挙直前に「10万円給付」を大々的に発表 与党ならすぐに実行せよ

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

    09月24日 08:37

  7. 7

    視聴者が選ぶ最新版「嫌いな芸能人」コロナの影響か新顔多く並ぶ

    SmartFLASH

    09月24日 09:09

  8. 8

    中国恒大、23日の利払い実行困難に 米時間で期限迫るも説明なし

    ロイター

    09月24日 10:28

  9. 9

    新型は納車2年待ちの「ランドクルーザー」 なぜ世界中で高い信頼を得られたのか

    NEWSポストセブン

    09月23日 13:25

  10. 10

    専門家の感染者数予想はなぜ実数とかけ離れてしまうのか

    中村ゆきつぐ

    09月23日 10:26

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。