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中国への技術流出は防げるか? - 塚崎公義 (久留米大学商学部教授)

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米国のトランプ大統領は、中国との経済戦争を激化させていますが、その主要な関心は、当初考えられていた「米国人の雇用を守ること」から「米中のハイテク覇権争い」に移って来たようです。

 中国は「中国製造2025」をスローガンに、ハイテク分野での覇権を狙っていると見られていますが、それを阻止しようとする米国と阻止されまいとする中国のせめぎ合いが今次経済戦争だ、とも言われています。

 そのため、米国は中国企業による対米投資を制限したり中国企業へのハイテク製品の輸出を制限したり、中国人技術者等へのビザを厳格化したりする方針のようです。

 ハイテク技術は軍事的にも重要なので、ハイテク技術の覇権争いは両国にとって譲れないでしょう。単なる「米国人の失業を中国に輸出する」といった争いと異なるので、なかなか容易には収束しないかもしれません。

 中国向けのハイテク関連輸出が止まり、中国からの投資マネーが来なくなり、米国ハイテク企業で働く中国人技術者がいなくなると、米国企業も困ることになりかねませんが、米国と中国が相互に投資や人材交流を制限することになれば、米国の技術が中国に流れるチャネルは狭まるでしょうから、米国としては「背に腹は代えられない」という判断なのかもしれませんね。

 ただ、その場合、日本企業等はどうなるのでしょうか。日本は、軍事技術は知りませんが、民間のハイテク技術は相当高いレベルにあるはずです。それが中国資本に買収され、中国のハイテク技術が向上することは、米中の覇権争いに影響するはずです。加えて、欧州の企業は軍事技術も持っているでしょう。そうなると、米国は同盟国である日本等にも同様の対応を求めて来るかもしません。もっとも、仮に求めてきたとしても、それは容易ではなさそうです。

 日本は米国に比較的従順なので対応しようとするかもしれません。そもそも「外資に買収される」ことにアレルギー反応を示す日本人は少なくないので、国民世論としても外資による買収を規制する法律は国民世論の支持を受けやすいかもしれません。米国の覇権が脅かされているとすれば、同盟国である日本としても協力しよう、という意見も当然出て来るでしょう。

 しかしそれでも、実際に法律を作ることは容易ではないでしょう。「米国の要請だから中国資本を差別的に排除します」というのが本音だとすると、まさかその通りに理由を述べて法案を提出するわけには行きませんから(笑)。

 まして、欧州各国が米国の要請に従順に従うとも思われません。日本の外交は一般的に対外協調優先(弱腰?)であり、対米関係においても例外ではありませんが、これは世界の標準ではありません。米国の関税に対して直ちに報復関税を課した欧州の事ですから、独自の判断をするでしょう。

 そうなると、米国だけが頑張っても、結局中国は「西側先進諸国」の技術を入手してハイテク産業を成長させることができてしまいそうですね。

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