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大阪府北部地震で僕が考えたこと

大阪北部で大地震が起きた。最大震度6弱の激しい揺れだ。被害に遭われた方々に、心からお見舞いを申し上げたい。

大阪で、これだけ大きい地震が起きたのは、豊臣秀吉の時代以来、つまり実に400年以上も前だそうだ。それだけ地震が少ない地域ということだろう。住民にも「まさか」という気持ちがあったのかもしれない。

小学校のプールの周りにあった、ブロック塀が崩れて小学生の女の子が亡くなった。たいへん痛ましく、言葉もない。そのブロック塀の危険性は、専門家から2度も指摘されていたという。大地震に備えていれば、防げた事故だと言えるだろう。

この事故に関する一連の報道を見て、ある事実を思い出した。東日本大震災のあと、僕は福島の原発事故の取材をした。あの事故の主原因は、非常用の発電機が津波をかぶって機能しなかったことだ。僕が取材を進めたところ、実際に襲ってきた津波の高さは14~15メートル。東京電力は、その3分の1、およそ5メートルの想定しかしていなかった。

遡ること1000年余り前。869年の貞観地震による大津波が、福島の沿岸を襲った。再び同規模の地震が起きる可能性は、すでに指摘されていたのだ。いま少し自然に対する「恐れ」をもって、もっと高い場所に設備を整えていたら、あれほどの重大な事故は防げたはずだった。

起きてしまったことを、後から言いたくはない。だが、今回のブロック塀も、もし豊臣以来の地震に備えて改修していれば、と考えると、とても悔しい。

そしてもうひとつ、災害の際、恐ろしいものがある。「デマ」である。熊本県知事も、即座にデマ情報への注意を呼びかけた。一昨年の熊本地震でも、「動物園からライオンが逃げた」といったデマが、ネットを中心に広まったからだ。

熊本地震は、本震と思われた最初の強い揺れのあとに、さらに大きい本震が起きた。今回の大阪地震もその恐れがあり、住民は不安を抱えながら過ごしている。こんなときこそ、デマが流れやすい。

1923年の関東大震災では、「在日朝鮮人が暴動を起こす」「井戸に毒を投げ入れた」というデマが流れた。そのため多くの朝鮮人が憲兵隊などに襲われ、犠牲になった。

現代はネットやSNSが発達し、巧妙なフェイクニュースも増えている。今回のような大災害のとき、デマの恐怖はさらに増しているとも言える。しかし、落ち着いて情報を見分けさえすれば、ネットやSNSは、情報を共有して助け合うための有効なツールにもなるのだ。

繰り返すが、日本は地震列島だ。安全な地域などない。最大限の想像力をつかって、被害を最小限に食い止めたい。

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