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日本を私物化して開き直る安倍夫妻の異常

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「真実ではないこと、偽りのこと。極論でいえば、嘘というものは、それを発言した人にとどまることなく、第三者、他人をまきこんでいく」。愛媛県の中村時広知事は5月11日の記者会見でそう話した。元「週刊現代」編集長の元木昌彦氏は「嘘をつき続ける安倍首相の言動は異常だ。また公私をわけられない昭恵夫人の行動も理解できない。2人とも人間として大事な何かが欠落している」という――。

2018年5月24日、ロシアへ向けて出発する安倍晋三首相(左)と昭恵夫人(写真=時事通信フォト)

■安倍晋三という政治家をひと言で表す漢字は「嘘」だ

12月に京都・清水寺で発表される今年の漢字は「嘘」に決定した。

それ以外にないと、私は思っている。これに似た漢字「偽」が選ばれたのが、年金偽装問題が起きた2007年であった。これは第一次安倍内閣の時だ。安倍晋三という政治家をひと言で表す漢字に「嘘」ほど適切な言葉はない。

歴代総理で嘘をついた人間は数多いる。筆頭は佐藤栄作であろう。彼は沖縄返還を急ぐあまり、アメリカからは「核付き返還」といわれたにもかかわらず、「核抜き本土並み返還」だと国民を欺き、ノーベル平和賞まで授与されてしまうのである。

ここまでスケールの大きな嘘だと、沖縄返還という大義名分があるから仕方ないかと、騙されたほうもため息をつくしかないのかもしれない。

■「公約は嘘だった」といってのけた小泉元首相

もう一人あげるとすれば小泉純一郎である。竹中平蔵を経済財政政策担当大臣に据え、派遣法改悪を含む格差拡大政策を取り、非正規労働者を激増させ、貧しい者をより貧しくしてしまった"元凶"である。

私が小泉を許せないと思うのは、この発言である。

総裁選出馬の時に公約した「国債30兆円枠」を守れなくなると、衆院予算委員会で「大きな問題を処理するためには、この程度の約束を守れなかったというのは大したことではない」といい放ったのである。

時の総理があの公約は嘘だった、破ってもいいといってのけたのだ。麻生太郎・財務相も真っ青の、狂気ともいうべき大暴言であるはずだ。

だが不思議なことにメディアの追及は甘く、小泉はそれからも放言を重ねた。当時のブッシュ大統領がイラク進攻の名分にした「大量破壊兵器」に、根拠もなくいち早く賛成した。後にアメリカが嘘だったと認めたのに、私が知る限り、小泉自らが誤りを認めて謝罪したという話は聞いていない。

在任中には原発を容認しておいて、今になると反原発をいい続けていたかのように振る舞う。この男には政治家に最低限必要な節操というものがない。

この二人に比べると安倍の嘘はスケールが極めて小さい。だからといって罪が軽いというわけでは決してない。

■官房長官や大臣、秘書官、官僚までが嘘に嘘を重ねている

妻・昭恵が親しくしていた森友学園理事長の国有地購入に便宜を図ったこと。安倍の腹心の友である加計学園理事長の進めていた獣医学部新設に安倍自らが便宜を図ったことは、ほぼ間違いない事実なのに、安倍夫妻は嘘をつき続け、しらを切りとおしている。

最高権力者がついた嘘を、周りが寄ってたかって糊塗(こと)しようと、官房長官や大臣、秘書官、官僚たちまでが嘘に嘘を重ねてきているのである。異常というしかない。

集団思考の研究で有名なアーヴィング・ジャニスは、大統領とその側近がいかに優秀であっても、集団になるとばかげた意思決定をしてしまうことがあると、ベトナム戦争時のトンキン湾事件やウォーターゲート事件を例に出して分析している。

まして優秀ではない権力者が保身のために嘘をつけば、つじつまを合わせるために、官僚たちが文書改竄という犯罪的行為にまで手を染めてしまうのである。

愛媛県の中村時広知事は5月11日の記者会見でいみじくもこう指摘した。

「真実ではないこと、偽りのこと。極論でいえば、嘘というものは、それを発言した人にとどまることなく、第三者、他人をまきこんでいく」

困ったことに、嘘も百万遍いい続ければ嘘ではなくなるという空気、「安倍症候群」とでもいうべきものが日本中を覆い尽くしているのだ。

■茂木経済再生相、内田日大監督、小池都知事……

今年に入ってからも、茂木敏充・経済再生相が地元の有権者に線香を無料で配布していた件で、個人の名前は書いていないから公選法違反にはならないと嘘をついた。

日大アメフト部の内田正人監督は、自軍の選手に、相手の選手にけがを負わせるよう指示したが、内田は記者会見で「指示はしていない」と否定し続けた。内田は日大の人間に「否定し続ければそのうち忘れる」と嘯いていたと報じられている。

福田淳一・財務事務次官は、テレビ朝日の女性記者へのセクハラ発言を録音され、週刊新潮がその音声を公開したのに、「オレの声ではない」と嘘をつき続けた。

小池百合子・東京都知事は、これまで経歴に「カイロ大学を"首席"で卒業」と書いてきたが、文藝春秋に「コネ卒業ではないか」と報じられた。会見で小池は、卒業したことは事実だとはいったが首席については黙して語らなかった。

■安倍首相にも「経歴詐称」の過去がある

実は安倍にも同じ経歴詐称の過去がある。彼は成蹊大学を卒業後、アメリカの南カリフォルニア大学政治学科に2年間留学していたと、当初の経歴には書いてあった。だが週刊ポスト(2004年2月13日号)が「経歴詐称」だと報じたのである。

南カ大学側は、安倍は1年間在籍してはいたが、それは「外国人のための英語」の授業だったことを認めた。その1年前は語学学校に通っていただけだったのだ。

以後、安倍は自分のプロフィールからこの部分を削除している。

極めつけは安倍の"嘘友"加計学園の加計孝太郎理事長の記者会見であった。

■「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」

問題が起きて以来、逃げ隠れしていた加計が会見を開かざるを得なくなったのは、加計学園が獣医学部新設を進めるためについた嘘について申し開きするためだった。

15年3月、愛媛県に学園側が説明する時、学園側の人間が2月25日に加計理事長が安倍首相と面会し、獣医学部新設について説明した際、安倍が「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」といっていたと説明していたのである。

愛媛県側に残されていた文書にはっきりそう書いてあった。そこで慌てた加計学園側は、話を前に進めるために嘘をついたといい出したのである。

首相の名前を使って相手に圧力をかけ、それがバレると嘘だったと臆面もなくいい出す輩が、教育者の仮面をかぶっているのだ。

■「2月25日の記録が残っていないというのは考えにくい」

しかし名前を騙られた安倍は怒りもしなかった。やはり加計との間であのようなやりとりが実際にあったのだろう。そう思うのは私だけではないはずだ。そうした空気が蔓延することを恐れた安倍が、加計に「あんたが出て釈明しろ」といったのではないのか。

ようやく会見に出てきた加計だったが、記者クラブへの通告は2時間前、時間は30分、地元記者に限るというさまざまな制限を付けた。

そこで加計は、部下が嘘をついた、安倍とはその日面会していない、当日の記録はないと全否定したのだ。記者も核心を突く質問ができず、加計は間違いなく嘘をついているという印象が強く残っただけの会見だった。

ノンフィクション作家の森功は、昨年5月に文藝春秋で「安倍首相の腹心の友の商魂」を書いた際、加計側から猛烈な抗議を受けた。その際、加計側は理事長の詳細なスケジュールを出してきたと日刊ゲンダイで話している。それなのに「15年の2月25日の記録が残っていないというのは考えにくい」(森功)。

すべては17年2月17日、衆議院予算委員会で、森友学園に対する国有地払い下げに昭恵が関与しているのではないかと聞かれ、思わず口走ったこの言葉が発端だった。

「私や妻が関係していたということになれば、私は間違いなく総理大臣も国会議員も辞める」

森友に続いて加計学園問題も追及され、いったんついた嘘に嘘を上塗りして、身動きが取れなくなってしまったというのが実態であろう。

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