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「橋下徹前府知事に賠償請求せよ」――府民82人が橋下氏の無駄遣い訴え

 橋下徹大阪市長が大阪府知事在任中、府庁舎移転用に購入したWTC(ワールドトレードセンター)ビル等への公金支出は違法だとして、松井一郎現知事に、橋下氏に損害賠償約九六億三〇〇〇万円を請求するよう求める住民訴訟が一月一二日、府民八二人によって大阪地裁に起こされた。

 訴状によると、橋下氏は大阪城近くの府庁舎を、埋め立ての人工島である咲洲で、事実上の破産状態に陥っていたWTCビルへ全面移転させようと二〇一〇年六月、同ビルを約八五億円で購入。改装・一部移転経費など約一一億三〇〇〇万円も支出したが、昨年の東日本大震災で同ビルは(震度3にもかかわらず)三五〇カ所以上の補修を要するなど、耐震性への不安を露呈した。府民や専門家からも安全性・利便性・防災拠点としての問題点などが相次いで指摘され、同年八月に全面移転は断念された。

 この間、府議会は二度にわたって移転案を否決しており、原告でジャーナリストの西谷文和氏は「耐震性など科学的調査もせず、議会を軽視した橋下氏の強引な手法は、首長の資質として大いに問題。被告席に座るべきは橋下氏だ」と批判。同じく原告で「おおさか市民ネットワーク」の藤永延代代表も「府市二重行政を省くための大阪都構想と言いながら、当人がこんな無駄遣いでよいのか。(WTCが立地する地は)軟弱地盤で災害対策本部も置けず、一部移転で府庁舎が交通不便の地との二カ所に分断され、非効率で、今後も巨額の赤字を生む」と強調する。

 昨年一二月に住民監査請求を棄却した府の監査委員でさえ「大阪府は非常に厳しい財政状況にあり、今後も長期にわたり財政再建の取組みが必要であることに鑑み、府民目線に立った経費執行を徹底されたい」という意見を付け、苦言を呈している。

 住民訴訟の第一回口頭弁論は三月頃と想定されるが、原告らは他の都道府県の在住者にもサポーター参加を呼びかけ、運動を全国的に広げる。

 三月二日には「WTCビルの購入と庁舎移転に費やされた巨額の税金を橋下前知事から取り戻す会」(略称=WTC訴訟の会)の正式発足総会を兼ねた記念講演・決起集会を開催する方針だ。

(たどころあきはる・ジャーナリスト、1月20日号)

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