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東京製鐵解職事例−開示情報の十分性

今年の後半になりまして、ゲオさん、九電さん、大王製紙さん、オリンパスさんと、上場会社のコーポレートガバナンスと企業価値に関わる事例が目立ち、コンプライアンス関連の騒動が「てんこもり」の状況になっておりますが、またまた東京製鐵さんにおける「開示の十分性」に疑問符がつきそうな事例が報じられております。社内でナンバー2でいらっしゃった常務取締役営業本部長の方が、社内ルール違反によって取締役会で解任(業務執行取締役なので解職でしょうか?営業本部長だから解任でしょうか?)され、非業務執行取締役に降格されたようであります。取締役会にはご本人は出席されず、後に解任された旨を通告されたとか(ロイター通信はこちら)。

後任の営業本部長さんの会見によると「本人の名誉のために、不適切な行為の中身はいえない」とのことで、さらに「社内ルール違反」が法令違反にあたるかどうかも「今は言えない」とのこと(上記ロイターニュースより)。オリンパスさんの事例ではありませんが、それこそ「日本的風土における取締役会」からすれば、ご本人の名誉のために言えないような「社内ルール違反」であれば、まず経営トップから元常務さんに辞任を促すはずです。おそらく本件でも辞任を促したのではないかと推測されますから、これを元常務取締役さんが拒否したのであれば、やはり企業価値に影響を及ぼすような重大な問題が潜んでいるのではないかと・・・・。

また、私が経営トップであれば、「本人の名誉のため」というのは、すでに何らかの行政当局からの調査等が進められており、調査に支障を来すことなく、企業の自浄作用を内外に示す必要がある場合に用いることが検討されます(その場合、後日、当局の調査結果を踏まえて、法令違反があったのかどうかも含めて正式に開示する、という流れになるかと)。ただ、この場合でも、社内ルール違反➔法令違反ということになりますので、やはり投資家、株主にとっては説明責任を尽くしてほしいところではないかと思います。

この程度の開示で十分(つまり、解任理由はとくに株主の利益に影響を及ぼさない)ということであれば、解任されたご本人には申し訳ないですが、法令違反とは言えない「社内ルール違反」ということですから、「社内の人間関係のもつれ」に由来する出来事だったのではないか、と推測されます。まさかそういった人間関係のもつれが(ナンバー2、ということですから)社内抗争で活用されたり・・・・という、よくありがちな内紛劇ではないですよね(^^;「法令違反ではない社内ルール違反の不適切行為」とか「ご本人の名誉のためにこれ以上は言えない」となりますと、余計にいろいろと詮索してしまいますね。私自身、勉強不足ではありますが、取引所としては、こういった場合、開示の十分性についてどのように判断されるのか(もともと社内ルール違反程度であれば開示は不要なのか)、知りたいところです。元常務さんの社内ルール違反とともに、会社側の開示が適切かどうかという点も、やはり同じくコンプライアンスの問題になるように思われます。

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