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【読書感想】一発屋芸人列伝

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一発屋芸人列伝
作者: 山田ルイ53世
出版社/メーカー: 新潮社
発売日: 2018/05/31
メディア: 単行本(ソフトカバー)
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Kindle版もあります。
一発屋芸人列伝
作者: 山田ルイ53
世出版社/メーカー: 新潮社
発売日: 2018/06/08
メディア: Kindle版
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輝いた時代は終わる。それでも、人生は続く。
同じ芸人でなければここまで肉薄できなかった、
話題沸騰の連載がついに書籍化。

我々一発屋は、ただ余生をやり過ごしているだけの“生きた化石"ではない!

レイザーラモンHG── 一発屋を変えた男
コウメ太夫──“出来ない"から面白い
テツ and トモ──この違和感なんでだろう
ジョイマン──「ここにいるよ」
ムーディ勝山と天津・木村──バスジャック事件
波田陽区── 一発屋故郷へ帰る
ハローケイスケ──不遇の“0.5"発屋
とにかく明るい安村──裸の再スタート
キンタロー。──女一発屋
髭男爵──落ちこぼれのルネッサンス

世の中から「消えていった」芸人たちのその後の人生を、自らも「一発屋」を名乘る著者が追跡取材。

これまで誰も書いたことがなかった彼らの現在は、ブレイクした“あの時"より面白かった?!

涙あり笑いあり、そしてなぜか生きる勇気が湧いてくる。時代に翻弄されつつも必死に芸に生きる、 どうしようもなく不器用な人間たちに捧げるノンフィクション!

以前、「と学会」の本で、会員になった占い師に対して「バードウォッチングの会に入ってきた鳥」だというたとえがあったのを記憶しています。

『藝人春秋』を書いた水道橋博士は、その逆で、「バードウォッチングに夢中になっているうちに、鳥になってしまったバードウォッチャー」のように僕には感じられたのです。

本質的には「観察者」なんじゃないかな、と。

そして、この『一発屋芸人列伝』を書いた山田ルイ53世さんも、「鳥になってしまったバードウォッチャー」のひとりではないかと思うんですよ。

お笑いの仕事よりも、こうして文章を書くほうが、本人は好きなのではなかろうか(すみません、僕の勝手な想像です)。

以前読んだ、この山田さんの自叙伝にしても、かなりややこしい人生を読みやすく、かつ熱すぎも突き放しすぎもしない、絶妙な距離感で書いているなあ、と感じましたし。

多くの人々に愛され、真似をされた一発屋達の芸。

学校や居酒屋、メールやSNS上でのやり取り……あらゆる場所で、彼らのギャグやフレーズが飛び交い、一発屋達の衣装を模したコスプレに身を包み、忘年会や新年会の余興を切り抜けるものが続出した。

程度の差はあれど、一発屋達は皆一様にお茶の間の人気者となり、その内の何組かは、”社会現象”と評されるほどの大ブレイクを果たし、時代の寵児と持て囃された。

そうして……僕達は消えた。

お伽噺であれば、
「末永く幸せに暮らしましたとさ……」
「めでたしめでたし……」

とその絶頂期に幕を引くことも出来るだろうが、現実はそうはいかない。

人生は続く。

本書で描かれるのは、サクセスストーリーではない。

一度掴んだ栄光を手放した人間の”その後”の物語である。


「一発屋」たちは、どんな「余生」を送っているのか?

僕の想像では、地方のショッピングモールに週末になると「営業」に出かけ、「もうこれ、やりたくないなあ……」なんてボヤキながら、醒めた雰囲気の観客に「懐かしいネタ」を披露して、糊口を凌ぐ、という感じなんですよ。

ところが、この本を読むと、一発屋たちは、「終わった人」ではなくて、「二発目」を狙って新しいネタの開発に余念がなかったり、地方営業のエキスパートとして重宝されたり、活動拠点を九州に移して、「ご当地タレント」として仕事の幅を広げたりしているのです。

諦めているわけでも、投げやりになっているわけでもない。
彼らは、次のチャンスを、虎視眈々と狙い続けています。

(ところで、この本には、女性の一発屋芸人は『キンタロー。』さんしか出てこなくて、その事情について山田さんが書いているところは興味深いものがありました)

これを読むと、とりあえず、「一発」当てるだけでもすごいことなんだな」と感心せずにはいられなくなるのです。

「ハードゲイ」キャラでまさに一世を風靡したレイザーラモンHGさんの回から。

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