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岡本顕一郎さん殺害に関し「はてな社の問題」を問うなどの取材について

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・わかりやすい報道について

 ネットや雑誌でモノを書いている人間として、取材されれば一定の回答をするのはある種の義務だと思っています。ただ、当事者とある程度以上の交流があった人間として、岡本さんの死が変な形で報じられ、本来得られるべき教訓が無になるのは、それこそ岡本さんが無駄に命を散らしてしまった、加害者も自ら益なく破滅してしまったことになります。

 ちょうど岡本さんは経緯もあって独立しようってところで自らの名前を世間的にきちんと売る必要があるということで、本の執筆やイベントでの登壇とリアルでの活動を広げているところに、今回のような出合い頭の事故に遭ったというのが深層であろうかと思います。そうであるならば、実名で活動することの本来のリスクや、名前が知られることで出会ってしまう問題のある人の確率というあたりは、思い至す必要はあろうかと感じるのです。

 匿名で「Hagex」として長年ネットで頑張ってきて、ここから実名で活動するにあたり、いろいろと”先行事例”として相談に乗ってきた私としても痛恨であると同時に「それは私の身に起きていたとしてもなにも不思議ではないし、実際そういう危険が繰り返しあった」ことは、今回の事件で改めて感じました。

 この手の話は、報道で分かりやすくするのはむつかしいと思うのです。「ネット社会が危険だ」とか「有名になるリスク」などと一般化されてしまうと、たちまちネットで匿名で発言する人は問題だ、という流れに一気に行くでしょう。また、匿名で発言できる人たちを制限しろ、という流れになりかねません。それが岡本さんの死で進んでしまうようであれば彼の望むことではなかったように思いますし、ネットにしか居場所のない一定数以上の人たちに問題を押し付けて無かったことにする、いままでと変わらない日本社会であり続けると感じるからです。

 岡本さんにはもっと明るく幸せな人生を歩んでほしかったし、加害者やその家族も何か輝くようなものがあれば良かったなと思うところ大ですが、つくづく痛恨でありました。



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