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幕引きを狙ったセレモニーにすぎなかった加計学園理事長の記者会見

 加計学園疑惑の幕引きを狙ったセレモニーにすぎないものでした。加計孝太郎理事長の緊急記者会見です。

 また1人、記憶を失った人が姿を現しただけです。「記憶にも記録にもない」のに安倍首相の関与だけはきっぱりと否定するという点では、これまでの構図と全く同じでした。

 そもそも、この会見の設定自体が極めていかがわしいものです。記者会見の連絡が報道機関に伝えられたのは開催された11時の約2時間前の朝9時でした。

 しかも、本来であれば東京の文科省などで行うべき開催場所は岡山市の学園本部で、出席が許されたのは地元の記者だけでした。スペースの余裕があったのに駆けつけた地元以外の記者は出席を拒まれ、会見の時間も予定の30分を5分ほど早く切り上げています。

 そのうえ、大阪北部での地震災害があった直後でサッカーのワールドカップでの日本とコロンビア戦の直前というタイミングです。なるべく目立たないように、多くの報道陣やこれまで取材してきた記者が参加しにくいように、注目を集めづらいタイミングを選んでアリバイ的に開催された記者会見だったというしかありません。

 しかし、この会見で納得した人はどれだけいたでしょうか。ますます疑惑は深まったのではないでしょうか。

 そもそも、このような不誠実なやり方で会見を開いたということ自体が、真相の解明に背を向けて疑惑を裏付けるような対応だったと言うべきではないでしょうか。いかがわしさが匂い立つようなやり取りでした。

 学園からの面会報告は県職員が文書に記録していたもので、それを裏付けるような文書の一部が文科省にも残っており、この面会を起点に当時の柳瀬唯夫首相秘書官が学園と県、市の担当者に会って獣医学部新設に向けた国家戦略特区の手続きが進んで行ったというのが、これまでに明らかにされた経緯でした。学園側の説明通りこの面会が虚偽だったなら、教育機関である加計学園が認可を得るために地元自治体をだまし、93億円もの巨額のお金をせしめたことになります。

 しかも、加計氏は「記憶にも記録にもない」と一方的に断言しただけで、それを裏付ける明確な根拠も示さず、軽い内部処分とおわびで済ませようというわけです。これをまともな説明だと言えるのでしょうか。

 記者会見で明らかになったのは、加計学園疑惑の真相は記者会見では明らかにならないという事実です。疑惑に対して「嘘はついていない」と釈明するのが普通ですが、この件では「嘘をついた」と嘘をついているように見えます。

 加計氏がきちんと誠実に説明しようとしなかったのですから、国会が真相究明に取り組むしかありません。証人喚問について加計氏は「私が決めることではない。お待ちしております」と述べているのですから与党が拒む理由はなく、安倍首相も自らへの疑惑を払拭するために加計氏の喚問を進んで受け入れるべきでしょう。

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