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包括指定のプラスとマイナス

厚労省が包括指定の導入を検討していると報道されています。これまでわが国で試みたことのない包括規制の導入が、具体的な検討課題になってきた今、薬物規制とは何か、どんなプラスとマイナスがあるのか、私たち国民の目線で、みておきたいと思います。

●広範な規制によって、どんな不都合が生じるのか

27日の産経新聞は、厚生労働省が「包括指定」の導入の検討を始めたと伝えていますが、その記事の中で、「医療現場などを中心に、治療や研究目的の使用にも影響を与える可能性があるとの懸念が出ており、厚労省は今後、指定範囲などについて関係機関と慎重に協議を行う方針。」とありました。

[参照]産経新聞>●脱法ドラッグの規制強化へ 似た成分で「包括指定」を検討(1月27日)

ちょうど数日前、元ACMD諮問委員のナット教授の研究班が、マジック・マッシュルームの精神活性成分サイロシビンの、うつ病の治療への可能性に関する研究を英国科学アカデミーで発表したというニュースが、英国から伝えられていました。

BBCは、ナット教授のことばを次のように伝えています。
「マジック・マッシュルーム、LSD、エクスタシー、大麻、メフェドロンなどには、潜在的に、治療への利用可能性がある。しかし、不法薬物の研究が制約されているため、こうした物質は十分に研究されてこなかった。違法薬物を研究することは難しいとして、これまで誰も研究してこなかったと知って、私は奇妙な感じがした。薬物規制は、圧倒的な影響力をもっているのだ。(発言部分の要約)」
いっぽう英内務省は、免許制度によって、規制薬物の研究は可能であり、政府はこうした研究の重要性を認め、研究が可能になるような制度を随所に設けている、とコメントしています。(記事の一部)

[参照]BBC>Mind-altering drugs research call from Prof David Nutt(23 January 2012)
http://www.bbc.co.uk/news/health-16678322

ところで、いま問題になっている「合法ハーブ」と称するドラッグは、乾燥植物片に精神作用のある合成成分を添加したものですが、ここで使われている合成カンナビノイドは、もともと、神経や脳にあるカンナビノイド受容体を研究するために、実験室で生み出されたものです。現在も、科学研究のための試験薬として使われています。
それが、脱法ドラッグに乗っ取られてしまったのが現在の状況で、脱法ドラッグ規制のために合成カンナビノイドの研究に不便が生じるようなことになれば、本末転倒という批判も出ることでしょう。
もちろん、指定薬物の制度では、医療や科学的な研究用途での使用は規制から除外されており、活用を妨げない仕組みはできていますが、それでも、指定薬物としての規制が開始されると、試験薬の管理や届出など、多くの煩雑な手間がかかるとも聞きます。

ナット教授がいうように、法規制が開始されると、それは様々な分野に「圧倒的な影響力」を及ぼすことになります。ただし、脱法ドラッグ業界が困ったり、ドラッグの購入者が不便を感じるということは、問題外ですが。

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