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- 2012年01月28日 01:42
脱法ドラッグ対策が本格的に動き出した
「スタート!」の合図を待っていたかのように、大阪、東京、そして福岡でも脱法ハーブ店への取締りが動き出しました。先週末、厚労省が規制・取締りの強化を打ち出したところですが、さっそく各地で捜索や検挙が行われています。
<最近のニュースから>*****
こうしたニュースのなかにも、「救急搬送」の文字がいくつか見えていることが気になります。各地の県警などで、把握された健康被害事例のとりまとめをしている例もあると聞きますが、ぜひとも全国版での実態調査をしてほしいところです。
幸いなことに、いまのところ、生命に直接かかわるような事故は起きていないようですが、私が見聞きした範囲だけでも、
・意識朦朧 ・急にぐったりする ・全身痙攣 ・叫ぶ ・泣き喚く ・暴れる ・嘔吐 ・呼吸困難 ・大声で叫んで飛びす ・着衣を脱いで裸になった ・倒れこむ ・立ち上がれない・・・などなど
急に錯乱したり、意識が遠のいたりという状況が、思いがけない事故につながる危険もあるでしょう。しかも、ひとたび回復したように見えても、断続的に症状が繰り返すケースもあると聞きます。
ひと昔前にマジック・マッシュルーム乱用が拡大したころ、その強い幻覚作用を受けて、屋上から飛び降りたりして死亡や重症に至った例が続いたことが、思い出されてなりません。悲惨な事故が発生する前に、危険情報をきちんと把握し、発信することが急がれます。
ところで、厚労省が包括指定の導入を検討していると、27日のニュースが伝えています。私は、この種の脱法ドラッグに対する規制策の方向として、化学構造の基本骨格に基づく包括的な規制方法を紹介してきたひとりですが、今日のニュースを読んで、はたして現行法の下でこの方式がとれるものだろうかと考えています。
薬事法2条には、指定薬物の定義として、
「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用(当該作用の維持又は強化の作用を含む。)を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物(大麻取締法 (昭和23年法律第124号)に規定する大麻、覚せい剤取締法 (昭和26年法律第252号)に規定する覚せい剤、麻薬及び向精神薬取締法 (昭和28年法律第14号)に規定する麻薬及び向精神薬並びにあへん法 (昭和29年法律第71号)に規定するあへん及びけしがらを除く。)として、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。」
という規定があります。「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が」高いかどうか不明な物質、かつ、「人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれが」あるかどうか不明な物質まで含めて、包括的な指定をすることが、可能かどうか。この点は微妙です。
<最近のニュースから>*****
■脱法ハーブ店を捜索 薬事法違反容疑 試供品に指定薬物 福岡県警
福岡県警は26日、薬事法違反(指定薬物の製造などの禁止)の疑いで、北九州市小倉北区のハーブ販売店の系列2店舗を家宅捜索した。福岡県が同容疑で県警小倉北署に刑事告発していた。・・・同区紺屋町の店舗で、抜き打ち調査でお香を購入した県職員に、厚生労働省が製造や販売を禁止している「指定薬物」を含んだ紙巻きたばこ状の物を、無料の試供品として渡した疑い。・・・(略)・・・
県警によると、福岡県内では昨年1年間、脱法ハーブとみられる薬物を吸引し、顔や手足のしびれや吐き気、意識混濁などを訴えて病院に搬送されたのは17-32歳の計16人に上った。
(2012/01/27付 西日本新聞朝刊)
■脱法ハーブ2店捜索、薬事法違反疑いで福岡県告発(福岡)
福岡県による薬事法違反容疑での告発を受け、県警は26日、北九州市の脱法ハーブ専門店」と系列店を同法違反(指定薬物の授与)の疑いで捜索した。
(2012年1月27日 YOMIURI ONKINE 九州発)
■“脱法ハーブ”販売店を家宅捜索(北九州市)
福岡県薬務課は、北九州市の店が販売した商品から、国が販売を禁止している「指定薬物」が検出されたとして、この販売業者を警察に告発しました。
告発を受けて、警察はきょう午後、この店を薬事法違反容疑で家宅捜索しました。
(2012年1月26日 RKB毎日放送)
■渋谷・道玄坂でハーブ吸った少年3人が救急搬送 近くのハーブ店を家宅捜索(東京)
ハーブを吸った10代の少年3人が救急搬送されていたことが26日、警視庁渋谷署などへの取材で分かった。少年らは「近くの店からハーブをもらった」などと話しており、同署は同日夜、傷害の疑いで、同区内のハーブ店を家宅捜索した。
(2012年1月26日 MSN産経ニュース)
■「脱法ハーブ」経営者逮捕 禁止薬物混ぜ客に*****
大阪府警は24日、ハーブ販売店経営者を薬事法違反(業としての授与など)容疑などで逮捕した、と発表した。府警は同店と系列の2店から、大麻などに似た使用感があるが、同法の規制外の「脱法ハーブ」を複数種類押収しており、販売実態の解明を進める。
(2012年1月25日 読売新聞 大阪版)
こうしたニュースのなかにも、「救急搬送」の文字がいくつか見えていることが気になります。各地の県警などで、把握された健康被害事例のとりまとめをしている例もあると聞きますが、ぜひとも全国版での実態調査をしてほしいところです。
幸いなことに、いまのところ、生命に直接かかわるような事故は起きていないようですが、私が見聞きした範囲だけでも、
・意識朦朧 ・急にぐったりする ・全身痙攣 ・叫ぶ ・泣き喚く ・暴れる ・嘔吐 ・呼吸困難 ・大声で叫んで飛びす ・着衣を脱いで裸になった ・倒れこむ ・立ち上がれない・・・などなど
急に錯乱したり、意識が遠のいたりという状況が、思いがけない事故につながる危険もあるでしょう。しかも、ひとたび回復したように見えても、断続的に症状が繰り返すケースもあると聞きます。
ひと昔前にマジック・マッシュルーム乱用が拡大したころ、その強い幻覚作用を受けて、屋上から飛び降りたりして死亡や重症に至った例が続いたことが、思い出されてなりません。悲惨な事故が発生する前に、危険情報をきちんと把握し、発信することが急がれます。
ところで、厚労省が包括指定の導入を検討していると、27日のニュースが伝えています。私は、この種の脱法ドラッグに対する規制策の方向として、化学構造の基本骨格に基づく包括的な規制方法を紹介してきたひとりですが、今日のニュースを読んで、はたして現行法の下でこの方式がとれるものだろうかと考えています。
薬事法2条には、指定薬物の定義として、
「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用(当該作用の維持又は強化の作用を含む。)を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物(大麻取締法 (昭和23年法律第124号)に規定する大麻、覚せい剤取締法 (昭和26年法律第252号)に規定する覚せい剤、麻薬及び向精神薬取締法 (昭和28年法律第14号)に規定する麻薬及び向精神薬並びにあへん法 (昭和29年法律第71号)に規定するあへん及びけしがらを除く。)として、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。」
という規定があります。「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が」高いかどうか不明な物質、かつ、「人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれが」あるかどうか不明な物質まで含めて、包括的な指定をすることが、可能かどうか。この点は微妙です。



