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懸念材料山積の「安倍再選」 態勢立て直しはできるのか

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安倍晋三首相は6月16日午前、読売テレビの「ウェークアップ!ぷらす」に生出演し、9月に予定される自民党総裁選への出馬を決断する時期を問われ、「東京近辺でセミの声がうるさいと感じられる状況になったころ」と答えた。

今夏の出馬表明を示唆した発言だが、米朝首脳会談をきっかけとした朝鮮半島情勢の変化や、これまで良好を装っていた日米関係の変化も含め、これまでの再選戦略に大きな狂いが生じている。

「加計問題」の先行きも不透明で、懸念材料には事欠かないありさまだ。

◆成果の見えない米朝首脳会談

米朝首脳会談が行われた翌日6月13日付の新聞各紙は、首脳会談の成果を疑問視する論評であふれた。

日米同盟を重要視している産経新聞でさえ、「北、検証なき半島非核化 米朝会談 共同声明」として、米側が求めていた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」が共同声明に盛り込まれなかったことを指摘。

「それでもショーは続く」と題した東京編集局長の署名論文(1面)で、「この際、安倍晋三首相は盟友(注:トランプ氏)にハッキリいうべきだろう。『三文芝居に出すカネは一文たりともない』、と」と切り捨てた。

朝日新聞は3面に「自賛の合意 軽率な譲歩に不安」とする国際報道部長論文を掲載。この中で、「言動の振れ幅が尋常ではないトランプ氏と金正恩氏に朝鮮半島の将来を託すのは、危うい」と書いた。

トランプ、金正恩両首脳の当事者能力そのものを否定する記事であり、「じゃあ、誰と誰が話し合えば問題が解決するのか」と突っ込みたくなる内容だ。

◆内閣支持率維持の頼みの綱

安倍首相自身が得意だと考え、内閣支持率の維持に一定の貢献をしてきた外交・安全保障政策は、トランプ氏との「親密な友情」をてこに米国との同盟を強化し、最も身近な脅威である北朝鮮の核・ミサイル開発戦略に対峙するとともに、南シナ海だけでなく東シナ海での海洋覇権確立をも目論む中国を牽制するというのが基本だった。

そのうえで、トランプ氏と衝突しがちな英独仏などその他の諸国とのパイプ役を演じることによって国際社会への貢献をアピールしようと考えていた。

トランプ氏に「シンゾー」と呼ばせる関係を築いて、議会演説で北朝鮮による日本人拉致事件に言及させる一方で、米国が離脱した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を11か国で発効させる道筋を描くなど、これまでは一定の成果をあげてきたといえる。

自信を深めた安倍首相が、「森友」や「加計」についての野党の追及や朝日新聞やテレビ各局の「疑惑」報道、いわゆる「印象操作」による内閣支持率の下落に歯止めをかけるのに、外交・安保での「得点」を狙うのも当然の成り行きだった。

◆自信が裏目に? はしご外された安倍首相

だが、今、それが裏目に出ている。

米朝会談の直前にカナダのシャルルボワで開催された主要国首脳会議(G7サミット)で、安倍首相は地球温暖化対策や保護貿易主義への回帰をめぐって対立する米国VS欧州各国、カナダの仲介役を演じようとした。

トランプ氏から「シンゾーがまとめてくれ」といわれたとの報道もあったが、会議を中座して米朝会談のためにシンガポールに向かったトランプ氏は「首脳宣言を承諾しないよう指示した」と一方的に表明した。それもツイッターで。

「ちゃぶだい返し」という表現がぴったりで、安倍首相ははしごを外された格好。もっと正確に言えば、ピエロ役を演じさせられたことになる。

米朝首脳会談でトランプ氏は日本人拉致を必ず取り上げると公言していた。

これを受けて、「米国の圧力によって北朝鮮による国家犯罪である拉致事件は解決に向けて大きく動き出す」と信じていた向きも少なくない。

だが、米朝の共同声明にはひとことも盛り込まれず、トランプ氏が会談後の単独会見で「言及した」とそっけなく説明しただった。

まずは大風呂敷を広げておくというトランプ氏らしいやり方だが、拉致被害者家族会をはじめ、米朝会談が解決に向けた突破口となることを期待していた関係者は落胆の色を隠せないでいる。

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