記事

児童相談所を縛るダブルバインド

1/2

[画像をブログで見る] 

 目黒区の結愛ちゃん虐待死事件の続報がありました。

女児虐待死事件 児相の訪問拒否

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20180615/0013159.html

 香川の児相職員は、引っ越した父親に連絡を取って拒否され、そのままになっていた、というのです。

 2回一時保護しているのに、なお親子分離して施設や里親に預かるというステップに進めない。

 あるいは品川児相も、家庭訪問しているのに、母親に面会を断られ、子どもに会えない。

 一般的に見ると、「なんでそんなに弱腰なの?」と見える児童相談所。

 ここには、児相が構造的に苦しむ「ダブルバインド」があります。

【児相の任務は第一義的に「援助」】

 児童相談所は、児童福祉法12条に位置付けられ、その役割を詳しく「児童相談所運営指針」(以下、運営指針)に規定されています。

ここでは、

1. 児童相談所の設置目的と相談援助活動の理念

(1)  児童相談所は、市町村と適切な役割分担・連携を図りつつ、子どもに関する家庭その他からの相談に応じ、子どもが有する問題又は子どもの真のニ-ズ、子どもの置かれた環境の状況等を的確に捉え、個々の子どもや家庭に最も効果的な援助を行い、もって子どもの福祉を図るとともに、その権利を擁護すること(以下「相談援助活動」という。)を主たる目的として…

 と一番最初の項目で規定されています。

 つまりは、「個々の子どもや家庭に最も効果的な援助」を行うというミッションがいの一番に来るのです。

 また、さらに、

指針(5) (略)

迅速かつ的確な対応を図るとともに、親子の再統合の促進への配慮その他の児童虐待を受けた子どもが良好な家庭的環境で生活するために必要な配慮の下、子どものみならず保護者も含めた家庭への支援に一層積極的に取り組むことが重要である。

 バラバラになった「親子の再統合」に向けて頑張って、一層積極的に支援しよう、とも言っているわけです。

 あなたたちは「支援」機関なのだ、と厚労省から言われているわけです。

【「命を助ける」こととのコンフリクト】

 でも一方で、今回の結愛ちゃん事件のように、「とにかく虐待から子どもの命を救ってよ」という社会的要請も担っているわけです。

 しかし、児童相談所運営指針で「救出」という言葉があるか。

 ゼロです。 

 「介入」という言葉は?

 ゼロです。

 「助け出す」もしくは「助ける」は?

 ゼロです。

 児童「相談」所という名前で分かるよう、相談を受けて支援する機関なわけです。

 あくまで児童相談所は「支援する」ことを規定されているのに、同時に救出し、助け出し、子どもの命を守ることも実際的には求められているのです。

あわせて読みたい

「目黒の女児虐待死事件」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    野村克也氏「イチローは超一流」

    幻冬舎plus

  2. 2

    安倍首相の虚偽答弁 新たに判明

    田中龍作

  3. 3

    生理の妻へ食事配慮 批判の声も

    BLOGOS しらべる部

  4. 4

    口座手数料より銀行がすべきこと

    内藤忍

  5. 5

    韓国より低成長 認めぬ安倍首相

    PRESIDENT Online

  6. 6

    朝日が早期退職募集 新聞の明暗

    AbemaTIMES

  7. 7

    桜追及で越年? 野党の戦略に疑問

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  8. 8

    沢尻被告「つながりを一切断つ」

    AbemaTIMES

  9. 9

    神田沙也加・元夫への非難に疑問

    いいんちょ

  10. 10

    宗教の垣根超えた中村医師の活動

    AbemaTIMES

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。