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専門外の「専門家」による解説の危うさ

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 弁護士の最所です。

 PRESIDENT Online に 「本当は恐ろしい”性格の不一致”離婚の代償」という記事が載っていました。

 内容については、行政書士の方が書かれているようです。

 この記事については、二つの点で、問題があると考えています。

 まず、そもそも、「支払義務の存否」と言った、紛争性のある問題について、専門業務外であるはずの行政書士が「専門家」として回答することが妥当かという問題と、ここで掲載されている内容が正しいかという点です。

 弁護士法72条は、弁護士以外の者が報酬を得る目的で、「法律事件」(紛争性のある事件)を業として行うことを禁じています。

 業として行うことができない以上、行政書士は、「支払義務の存否」に関する問題については「専門家」ではありません。

 この記事は、「専門家」でない行政書士の考えを、あたかも専門家による回答であるかのような印象を読者に与えさせてしまう点に、問題があると思います。

 もちろん、内容が間違っていなければよいのではないか、表現の自由があるとの意見はあるでしょう。

 しかしながら、私が問題視しているのは、意見を述べること自体ではなく、あくまでも、読者に「専門家」による回答であるとの印象を与える点を問題視しています。

 かつて、「WELQ」に誤った医療情報が掲載されていたことが問題とされました。

 これは、専門家である医師による適切な監修が十分になされないままに、誤った医療情報がネット上に氾濫してしまった為です。

 誤った医療情報を見た人は、それが誤っていることに気づかなければ、適切な時期に適切な医師による診療を受ける機会を失ってしまいます。

 だからこそ、医療情報には、正確性(専門家による適切な監修等)が必要とされているのです。

 これは、法律問題についても同様です。適切な時期に、適切な対応をしないと、本来保護されるべき権利の行使ができなくなってしまうことにもなりかねません。

 専門家による適切な助言を得る機会を失うことがないよう、少なくとも、「専門家」による意見かどうかを、誤解させるような表現は、厳に慎むべきであると考えています。

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