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“20世紀型秀才”の末路を象徴する日本の政治家・官僚たち


【大前氏が求める21世紀のリーダー像は】

21世紀に求められるリーダーとはどんな存在なのか。経営コンサルタントの大前研一氏が、20世紀の秀才タイプではない、答えなき時代のリーダー像について解説する。

 * * *
これまでたびたび解説してきたように、20世紀は欧米先進国に「答え」があった時代である。だから欧米に追いつき追い越せでやっていればよかった。学校の教室では、勉強ができて最も答えをよく知っている秀才タイプが学級委員や生徒会長になり、リーダーとして皆を引っ張っていた。

しかし、21世紀は答えがない時代である。答えは覚えるものではなく、見つけるものである。なぜなら、答えがわかっている問題はパソコンやスマホで検索すれば、すぐに答えを教えてくれるからだ。

では、答えがわからない問題の答えを、どうやって見つけるのか? そこで極めて重要になるのは新時代のリーダーシップである。

答えがわからない問題の答えを見つけるための具体的な方法は、フラットにつながる集団において、まず答えは何かを議論し、その中から最も答えに近いと思われるアイデアを選択する。そして、それを実行してみようという方向に皆をまとめていく。

そういうEQ(心の知能指数)的な能力を含め、発想力や論理力、説得力を駆使して答えを見つけ出していくのが21世紀に求められるリーダーシップであり、これはAIにはできないことである。

そこではピラミッド組織のヒエラルキー(階層)や肩書などは関係ないし、通用しない。答えがあることを前提として、階層や肩書に依存した“20世紀型秀才リーダー”は、21世紀にはリーダーたり得ないのだ。

ところが、今の日本の政治家や官僚は、20世紀型秀才たちの集まりである。たとえば、日本銀行の黒田東彦総裁は「物価上昇率2%」という自分で設定した「答え」に固執した揚げ句、それを実現できる見込みがなくなって撤回する羽目になった。

加計学園疑惑の柳瀬唯夫・元首相秘書官や、森友学園問題の佐川宣寿・前国税庁長官ら官僚も、トップである安倍晋三首相を忖度した「答え」が先にありきで、自ら墓穴を掘った。

自民党も国民民主党などの野党も、過去の延長線上に「答え」があるとしか考えていないから、21世紀のビジョンがまるで見えていない。20世紀は決まった答えに向かって程度とスピードを上げればよかったが、誰も答えがわからない21世紀は間違った答えに向かって程度とスピードを上げたら、壁にぶつかるのが早くなるだけだ。

ボート競技のエイトに喩えれば、20世紀は8人のオールの漕ぎ手が重要だったが、21世紀は1人のコックス(舵取り役)が重要なのである。コックス不在で迷走を続ける日本の政治は、まさに壁にぶつかる末路へと突き進んでいるのだ。政治だけでなく、経済も企業も地域社会も同じ運命にあることは言うまでもない。

※週刊ポスト2018年6月22日号

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