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中国人の「成熟化」はとどまるところを知らない トイレ、スーパー、書店、病院で見た「小さな変化」 - 中島恵 (ジャーナリスト)

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定期的に中国を訪れていると、わずか半年前と比較しても、彼らの「生活の質の向上」を随所に見てとれる。最もわかりやすいのは“トイレ”だが、その他、スーパー、書店、病院などでも“小さな変化”を発見した。中国人の成熟化はとどまるところを知らない。


有人か無人か一目でわかるトイレの電光掲示板は非常に便利

国家を挙げて「トイレ革命」に取り組み中

 上海の高速鉄道(新幹線)駅となっている上海虹橋火車駅は広大なターミナルだ。毎日非常に多くの乗客が利用するが、4月末、このターミナル駅のトイレに行ってみて驚いた。入り口にこんな電光掲示板が掲げられていたからだ。「厠位智能引導系統」。日本語にすると、トイレの人口知能システム、といった感じだろうか。トイレのどこに空席があるかを一目で、色で識別できるようになっているのだ。

 トイレの外でまずこの電光掲示板をチェックして中に入る。すると、各トイレのドアの上にも「有人」「無人」の表示がある。これでダブルチェックでき、スムーズに空いたトイレに入ることができるというわけだ。私もこのシステムを東京駅など、都内のいくつかの場所で見かけたことがあり「便利だな」と思ったことがあったが、中国でもこのような取り組みが始まっていたことを知り、びっくりした。


各トイレのドアの上にも表示がある

 トイレといえば、こちらの記事(http://wedge.ismedia.jp/articles/-/11436)でも紹介したように、中国では国家を挙げて「トイレ革命」に取り組んでいるところだ。3年前の2015年から本格的にスタートし、現在は内陸部の観光地のトイレ整備に力を入れているといわれる。

トイレの“国内格差”を縮めようとするもので、「汚いトイレがネック」だった内陸部への外国人観光客誘致にも役立つといわれている。沿海部の大都市ではさらに整備が進んでおり、前述したトイレで私が見かけたのは、鏡に天気予報や気温、都市名などが表示されるシステムだった。トイレの鏡をのぞき込むと、自然と目に入るように設計・デザインされていて驚かされた。

 また、洗面台の脇に液体せっけんが設置されるところも増えてきている。以前はせっけんがあると思い、手で押してみたけれど、中に何も入っていなかったり、そもそもせっけんが設置されていない洗面台も多かったが、最近ではこちらの写真のように、おしゃれなせっけん機(?)がセットされているのを見かける。

温風乾燥機の設置も増えており、中国でここ数年増えてきた使い捨てのペーパーで手を拭かなくても、温風乾燥機で手を乾かす人が増えてきた。中国特有というべきか、給湯器の設置も以前より進んでいた。


洗面所の液体せっけんもおしゃれになった


お好み焼き粉や天ぷら粉を買う中国人も

日本食材を豊富に扱うスーパー

 トイレこそ社会を映し出す窓といえるが、世の中の成熟化を現すものとして、スーパーマーケットの存在もある。私は中国のどの町に行っても、スーパーには必ず立ち寄ることにしており、そこで「おや?」と新しい発見することが多い。

中国人の日常生活に必要とされているものが、少しずつ変化しているからだ。中国のスーパーといえば、こちらの記事(http://wedge.ismedia.jp/articles/-/12813)でも取り上げた通り、日本ではキャッシュレス化がよく話題に上る。だが、それだけではなく、最近では「食の多様化」も反映している。

上海市西部の金虹橋商場というショッピングセンターを訪れたとき、たまたま、オープンしたばかりの小さなスーパーに入った。店名は『CALDI』。日本で輸入食品などを扱う「カルディコーヒーファーム」とは関係ないが、日本人スタッフが店頭に出てきて説明してくれた。


スーパーで人気の酵素米

 「日本旅行の経験から、日本食材は非常に人気がありますね。たとえば、そばやうどんの乾麺だけでも、産地やブランドの違うものをたくさん取り揃えています。お好み焼き粉や天ぷら粉などを買っていく中国人もいますね。日本に行ってみて、日本料理を自分で作ってみたいという人や、中華料理以外の食に興味や関心を持つ人が急増しているのだと感じます」

 やや高級路線で、地元のスーパーには置かれていないドレッシングやソース、珍しい調味料もある。健康によいといわれる「酵素米」というおコメもあり「よく売れている」という。

2016年、中国で健康志向の高まりと食の多様化の影響により、それまで大人気だったインスタントラーメンの「康师傅」(カンシーフー)の売上高が落ちている、という報道があったが、若年層になればなるほど食の多様化は広がっており、いわゆる「中華料理」を食べる割合は減少しつつある。

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