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社員の架空取引による相手先の損害を会社は負担すべきか?

東芝元社員による架空取引で損害を被った某リース会社が、東芝等4社に対して損害賠償を求めていた裁判において、東京地裁は「使用者責任」を認定して東芝等に対して約58億円の損害賠償を命じる判決を出したそうであります。(産経ニュースはこちら)もちろん判決は読んでおりませんが、事業執行性、重過失の有無、過失相殺の事情等、どのような認定がなされたのか非常に興味深いものです。

同様の裁判といえば、当ブログでも以前取り上げましたが、丸紅元社員による詐欺事件でリーマン関連会社が丸紅を(損害賠償を求めて)提訴した事件の判決がふたつほど出ております(いずれも原告の請求を棄却。今年4月の判決に関する丸紅社のリリースはこちら。もうひとつはすでに判例タイムスで判決文が入手できます)、元社員の取引的不法行為は丸紅の事業の執行についてなされたものではなく、またリーマン関連会社側も重過失あり、したがって丸紅は使用者責任を負わない、と認定されたもの)。東芝の件と丸紅の件の対比で検討いたしますと、実務家にとってはかなり研究価値があるかもしれません。法律解釈というよりも、事実認定の問題にすぎないと思いますが、巨額の使用者責任のリスクがありますので企業としての平時のリスク管理という面では貴重な題材ではないかと。

架空循環取引が破たんして、これに加担していた企業が損害を受けた場合、循環取引に関与していた企業に対して使用者責任を追及する、といった事例の裁判例も最近は出ていますね。いずれの事例も、社内から犯罪者が出てしまうことまでは防ぎきれないとしても、その不正によって他社が損害を受けた場合に、社員を支配していた企業が法的責任を追及されるリスクをどう低減するか・・・・・ということについては内部統制の問題として論点を整理してみるとけっこう有用なものになるかもしれません。

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