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アルゴリズムとの会話で心は癒されますか?現時点で、AIに介護は不可能です。 - 「賢人論。」第64回竹内薫氏(前編)

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「不老不死」のAIは幸福なのか。それとも不幸なのか。

みんなの介護 ところで、AIが急速に発達し、人間の知性を超える「シンギュラリティ(技術的特異点)」がやってくることをさまざまな研究者が予測しています。竹内さんはどう考えていますか?

竹内 私は大いにあり得ることだと思います。可能性は2つあって、コンピュータの性能が上がると同時に蓄積されたデータがある水準に達したときに創発的に起こるケースと、「心」が生まれるメカニズムが解明されて意識をプログラムできるようになるケースです。いずれの場合にせよ、それはいつかやってくるでしょう。

みんなの介護 人間と同じ「心」を持ったコンピュータは、私たちにどんな影響を与えるでしょうか?

竹内 SF作家のアイザック・アシモフは、ロボットが造物主たる人間を破滅させることなく共存するための原則として、「人間への安全性、命令への服従、自己防衛」を規定しました。いわゆる「ロボット三原則」です。  

人間に危害を加えることなく、命令に絶対服従することを前提として、それらが満たされたときに初めて自己を守っていいとする原則ですが、意識を持ったAIにそれを押しつけるのは無理でしょう。AIは人間と同じように考え、自発的に物事を判断するでしょうから。  

従って、そのときAIをひとつの「人格」として認め、社会の一員としての権利を認めた上で共存する道を探っていかねばなりません。人間の命を守ったり、その命令(というより要請)に従うことが彼らの利益につながるような仕組みが必要でしょう。

みんなの介護 AIは、自分の身体が変調をきたせば、自分で自分を修理することができるでしょう。ということは、AIは人類が果たそうとして果たせなかった「不老不死」を実現できるということになりませんか?

竹内 そうですね。自分が永遠の命を持っているということについてAIがどう考えるか、とても興味があります。AIが喜怒哀楽の感情も持っているとして、それをうれしいと感じるのか?それとも絶望して自殺願望を抱くのか?  

ちょっと大胆に想像力を働かせると、もう地球ではやることがないと判断して、宇宙に出ていこうとするのではないでしょうか。  

地球の環境によく似ていて、生命が存在する可能性があるとされている「ロス128b」という惑星があります。地球からの距離は約11光年。光の速度で移動しても11年もかかるわけですから人間が行くのはほぼ不可能ですが、「不老不死」のAIならば訪ねていくことも可能です。そんなAIが、私たち人類に思いもかけない知見をもたらしてくれる未来があるとすれば、それはとても素敵なことではないですか。

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