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人の不幸を踏み台にして経済成長?観光立国?それが日本の「国柄」か!? ・・・④加計と同じ構図? カジノは大阪と横浜に落とすのか!?

 さて、昨年6月、私が韓国のカンウォンランドを視察してきたことは以前にも書きました(詳しくは以下をクリック/http://www.eda-k.net/column/week/2017/08/_730.html)。炭鉱の閉山に伴い、鳴り物入りで導入したカジノ。しかし、そこで見たものは、当初の期待とはほど遠い「自殺率トップで奇怪な風景の街」として韓国中で有名になった町の惨状でした。
 
 当時、15万人だった人口は、現在3.8万人にまで落ち込み、風俗店と質屋が建ち並ぶ。担保に供された車が路上に放置され、身ぐるみ剥がされた中毒症患者が野宿し、地域住民と諍いを起こす。あまりの風紀や治安の乱れに、小学校も隣の町に移転した。
 
 カンウォンランドの社長は、最高検出身で国会議員もつとめ、パチンコを韓国で禁止した著名な方です。社長が彼であるのは、このカジノに公的資金が半分以上入っているからですが、逆にいえば、唯一内国人が利用できるカジノ(韓国にカジノは17カ所。うち16か所は外国人専用)にはそれだけ公的性格を与え、しっかり規制、取り締まる必要があるということからです。
 
 その社長が、横浜にカジノを誘致するという計画があるという私の話を聞いて、「江田さん、横浜には絶対にカジノを誘致してはいけない。こんな山あいの田舎町でもこれほどの問題が起こっている。そんな都会に設置したら、規制すれば良い、監督すれば良いといったレベルを超えた大変な問題が起こる」「韓国政府も含めて、我々がここにカジノを誘致したのは、100万都市(大都市という意味)からアプローチしにくい、車で2.5時間以上かかるところに『必要悪』として導入するという考えだったのだ」と。
 
 私は、このカジノ経営者の言葉を重く受け止めて帰国の途についたのです。そう、「横浜には絶対にカジノを誘致してはいけない」という確信をもって。その一か月後、私が横浜市長に「カジノ反対」の自前の候補者を立て、身銭を切ってまで現職市長と戦ったのには、こういう背景、事情があったのです。
 
 しかし今、このカジノ(IR)構想には、全国で「上限3つまで」とされたことと相俟って、「もう、大阪と横浜で決まっているのではないか」との懸念が消えないのです。そう、あの加計問題と同じ構図で、獣医学部新設で加計学園しか通れない「穴」をあけたように、カジノについては横浜と大阪しか通れない「穴」をあけたのではないか、との疑惑です。
 
 その証拠に、昨年5月、和歌山県知事が、政府の「IR整備推進本部」が行っている検討状況に抗議の会見を開いたことがありました。「地方でペイする(稼働日数を確保できる)国際会議場を設けるのは至難の技」で、これでは地方にIR(カジノ)は誘致できないとルールの見直しを求めたのです。ちなみに、和歌山県は市南部の人工島「和歌山マリーナシティ」への誘致を進めています。
 
 そう、政府のIRの運営ルールに関する報告(17年8月1日)や、今回の法案でも、カジノ誘致の基準で、国際会議場、展示場、ホテルなどとの「一体整備」を条件としたのです。特に大規模な「国際会議場の併設」を義務づけることによって、需要が少ない、ペイしない地方都市を排除し、大都市、大阪、横浜に落とそうとしているのではないかとの声なのです。
 
 それでは、なぜ、横浜と大阪なのか。それは、一昨年末、カジノ推進法(基本法。今回の法案は実施法)案を強行成立させた背景を探れば自明でしょう。連立与党たる公明党さえ置き去りに、公党としての意思決定の暇も与えず、自民党と維新の会が賛成して成立させた。「自主投票」となった公明党は、山口代表や井上幹事長までが反対票を投じたのです。こんなことは従来の国会運営の常識では考えられないことでした。
 
 そこにどういう力学が働いたのか、想像に難くないでしょう。その後の状況をみても、MGM社長が「大阪、横浜、東京で日本企業と共同で事業展開していきたい」、シーザーズが「北海道・苫小牧、東京・お台場、横浜、大阪が候補地」(18年2月)としています。
 
 その横浜が、私の地元なのです。横浜は、横浜らしい魅力で臨海部開発をしていけばいい。官邸のドンと自民党、地元財界が目論むカジノ誘致、その予定地、山下ふ頭を仕切る「横浜港運協会」も「ハーバーリゾート構想」を掲げ、カジノ抜きの臨海部開発を訴えています。大型クルーズ客船が接岸できるバースをつくり、そこに中長期滞在型ホテルや劇場ホール、保税国際展示場を併設する。その効果は、年間来場者2000万人、経済効果2兆円、雇用規模1万人とはじいています。
 
 もう一度言います。「横浜は横浜らしい魅力で臨海部開発をしていけばいい!」。日本も「日本らしい魅力で観光立国、経済成長を目指せばいい!」。私は、政治家の前に、一国民、一横浜市民、二人の子供を持つ親、一人の人間として、カジノ阻止に向けて、全力をあげていくことをここにお誓い申しあげたいと思います。

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