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- 2011年06月22日 01:31
IFRS(国際財務報告基準)の強制適用時期は延期されるそうで・・・
本日(6月21日)の日経夕刊1面をみてビックリしましたが、金融担当大臣がIFRS(国際財務報告基準)の強制適用時期について、2015年はなくなり、準備期間を5年から7年程度に延長することを明言されたそうであります。しかも、いつも閲覧しておりますIFRSフォーラムニュースによりますと、強制適用するかどうかの判断を来年(2012年)行う、とされていたにもかかわらず「一番早くて2012年」、今後の議論によってはそれ以降になることも示唆された、とのこと。また毎日新聞ニュースによりますと、金融担当大臣は、「他国では一部の上場会社に適用を限定しているところもある」と説明されたそうですから、部分適用、ということも(次の企業会計審議会にて)制度として検討されるようであります。ということは我が国における連結決算会計にIFRSが適用されるのは、限定された企業に対して、しかも、ひょっとして2020年代になってしまうのでしょうか?また、すでに強制適用を前提に動き出している企業さんは、いったいどのような対応をとるのでしょうか?
強制適用時期延期の要因として、日経のニュースではインドも適用時期を延長したことが引用されております。そういえば、昨年8月4日の当ブログのエントリー「いよいよ法制審会社法改正論議にIFRS登場か?」でも、インドの政府高官の方が、IFRS解釈のための自国の解釈基準を作りますと宣言されているのを経営財務で読んで私はビックリしたことを綴っておりますが、やはりビックリは当たっていたようで、インドは今年3月に適用時期延長を決めたそうであります。米国の事情も少し変わってきているようですが、そのような他国の事情とは別に、震災による経営資源の問題も、やはり影響しているのかもしれません。また、さきごろIASBとASBJが「コンバージェンスは概ね良好」と確認しておりましたので、強制適用が遅れても、とくに日本企業の資金調達には影響はない、との判断があるのでしょうか。
震災復興や原発問題等、現在の我が国の抱える問題状況からみて、マスコミでもイマイチ本問題が盛り上がっていないようですので、IFRS推進派の方も、導入反対派の方も、もしご意見がございましたら(私も勉強になりますので)ご自由にコメントをいただければ幸いでございます。<m(__)m>
ただ、専門外の私が申し上げるのもナンですが、たとえIFRSの適用時期延期という方向性が定まったとしても、IFRS導入積極派の方々は、あまりションボリしていないのではないかと推測いたします。なんといっても、会計の世界の歴史をみると、政治的な背景でグローバル化の機運が過去にも収縮してしまったことがありましたし、また、突発的な会計不正事件などによって、にわかに機運が盛り上がって懸案だった制度が実施されることもあるわけでして、このあたりが会計の世界の魔訶不思議なところではないかと。これで本当に日本の資本市場の信頼性が揺らぐ事態にでもなったら、今度は経済団体や政治のほうから早期強制適用の提案が出てくるもののようにも思えます。
信用が揺らぐといえば、日本基準とIFRS基準では異なるとされている「引当金」の基準適用をめぐり、東電さんが(3月期決算において)原発設備の改修費用を正しく見積もっていないのではないか・・・というニュースが出ております(毎日新聞ニュースその1 その2)。監査法人さんから今期の負債項目として引当金を計上しないことの指摘を受けないように、合理的な見積もりができる程度の準備をしない(監査法人からの指摘を回避したい)、というのは本末転倒ではないでしょうか。(会計は事実を移す鏡である・・・・と思うのですが)会計基準の国際化が日本の上場企業にとって重要な課題であること、そのために準備期間が十分に必要なことは理解いたしますが、それだけ準備期間が十分にあるのであれば、今年初めに「週刊経営財務」(1月24日号)で八田教授が述べておられたように、「細則主義から原則主義への転換は、基準依存の体制から離れて、それぞれ個々人の誠実性、倫理観の保持がさらに強く要請される」ことへの準備期間でもある、と考える次第です。
キャッツ事件、ライブドア事件、村上ファンド事件など、最高裁判決が出そろい、規制当局のフォレンジックは過去に例をみないほどに自信をつけています。インサイダー事件でも、最近はバスケット条項を自信をもってバンバン適用しています。犯則だけでなく課徴金リスクも含め、もうすこし企業側も会計基準ではなく、会計事象(会計事実)のほうへ目を向ける必要があるのではないでしょうか。IFRSの時代は、ますますフォレンジック(法廷会計学、不正会計の規制論)優勢の時代となり、最高裁では覆らない規制当局による会計不正摘発が増えるものと思います。会計に携わる方々の倫理観、誠実性が求められる所以であります。
6月22日 追記あり
本日の日経ニュースによりますと、米国も、IFRSの適用時期を先送りするような気配が感じられます。米国の経済情勢が芳しくないことが理由のようです。とりあえず備忘録として追記いたします。
強制適用時期延期の要因として、日経のニュースではインドも適用時期を延長したことが引用されております。そういえば、昨年8月4日の当ブログのエントリー「いよいよ法制審会社法改正論議にIFRS登場か?」でも、インドの政府高官の方が、IFRS解釈のための自国の解釈基準を作りますと宣言されているのを経営財務で読んで私はビックリしたことを綴っておりますが、やはりビックリは当たっていたようで、インドは今年3月に適用時期延長を決めたそうであります。米国の事情も少し変わってきているようですが、そのような他国の事情とは別に、震災による経営資源の問題も、やはり影響しているのかもしれません。また、さきごろIASBとASBJが「コンバージェンスは概ね良好」と確認しておりましたので、強制適用が遅れても、とくに日本企業の資金調達には影響はない、との判断があるのでしょうか。
震災復興や原発問題等、現在の我が国の抱える問題状況からみて、マスコミでもイマイチ本問題が盛り上がっていないようですので、IFRS推進派の方も、導入反対派の方も、もしご意見がございましたら(私も勉強になりますので)ご自由にコメントをいただければ幸いでございます。<m(__)m>
ただ、専門外の私が申し上げるのもナンですが、たとえIFRSの適用時期延期という方向性が定まったとしても、IFRS導入積極派の方々は、あまりションボリしていないのではないかと推測いたします。なんといっても、会計の世界の歴史をみると、政治的な背景でグローバル化の機運が過去にも収縮してしまったことがありましたし、また、突発的な会計不正事件などによって、にわかに機運が盛り上がって懸案だった制度が実施されることもあるわけでして、このあたりが会計の世界の魔訶不思議なところではないかと。これで本当に日本の資本市場の信頼性が揺らぐ事態にでもなったら、今度は経済団体や政治のほうから早期強制適用の提案が出てくるもののようにも思えます。
信用が揺らぐといえば、日本基準とIFRS基準では異なるとされている「引当金」の基準適用をめぐり、東電さんが(3月期決算において)原発設備の改修費用を正しく見積もっていないのではないか・・・というニュースが出ております(毎日新聞ニュースその1 その2)。監査法人さんから今期の負債項目として引当金を計上しないことの指摘を受けないように、合理的な見積もりができる程度の準備をしない(監査法人からの指摘を回避したい)、というのは本末転倒ではないでしょうか。(会計は事実を移す鏡である・・・・と思うのですが)会計基準の国際化が日本の上場企業にとって重要な課題であること、そのために準備期間が十分に必要なことは理解いたしますが、それだけ準備期間が十分にあるのであれば、今年初めに「週刊経営財務」(1月24日号)で八田教授が述べておられたように、「細則主義から原則主義への転換は、基準依存の体制から離れて、それぞれ個々人の誠実性、倫理観の保持がさらに強く要請される」ことへの準備期間でもある、と考える次第です。
キャッツ事件、ライブドア事件、村上ファンド事件など、最高裁判決が出そろい、規制当局のフォレンジックは過去に例をみないほどに自信をつけています。インサイダー事件でも、最近はバスケット条項を自信をもってバンバン適用しています。犯則だけでなく課徴金リスクも含め、もうすこし企業側も会計基準ではなく、会計事象(会計事実)のほうへ目を向ける必要があるのではないでしょうか。IFRSの時代は、ますますフォレンジック(法廷会計学、不正会計の規制論)優勢の時代となり、最高裁では覆らない規制当局による会計不正摘発が増えるものと思います。会計に携わる方々の倫理観、誠実性が求められる所以であります。
6月22日 追記あり
本日の日経ニュースによりますと、米国も、IFRSの適用時期を先送りするような気配が感じられます。米国の経済情勢が芳しくないことが理由のようです。とりあえず備忘録として追記いたします。



