記事
- 2012年01月22日 16:56
自民党大会 谷垣禎一総裁挨拶(全文)
今日の自民党大会での谷垣禎一総裁挨拶(全文)を掲載します。大好評でした。
自民党総裁の谷垣禎一です。全国それぞれの地域から参集いただいたみなさま、新春の自民党大会でおめにかかるのは三度目となります。どうぞよろしくお願いします。
いうまでもなく、昨年は千年に一度といわれる東日本大震災に見舞われた苦難の年でありました。地震と津波で、多くの方が亡くなられ、いまだ行方が知れない方々もおられ、その数は二万人に及びます。愛する肉親を失ったご家族の悲しみはいかばかりでありましょうか。
東京電力の福島第1原子力発電所の爆発事故で、遠く故郷を離れて避難しておられる方々はなお九万人に及びます。家族だんらんのわが家に戻れないことがどんなに切ないことか、心が痛みます。
わたしたち自民党は、それぞれの地域、コミュニティーに根をおろした政党です。わたしたちは、国会議員、都道府県会議員、市町村議員をはじめ、党の組織をあげて、被災地の人々に寄り添い、民主党政権にも協力すべきは協力して、懸命に復旧復興に取り組んでまいりました。わたしたちの求めた3次の補正予算が成立し、復興庁創設も実現します。年がかわって、ようやく被災地の方々にも希望が芽生えるようになりました。
しかし、この間、民主党政権の対応はあまりに遅く、拙く、いらだたしく、あきれることばかりでした。被災した方々はさぞかしつらい思いをかみしめたことだったでしょう。もはやこれ以上、かくも危機管理の力量の乏しい民主党政権にまかせるわけにはいきません。わたしたちは民主党政権に代わって、人々の暮らしが甦って、人々に笑顔が戻ってきますよう、東北の再生に向かって一層の力を注いでいく所存であります。
さて、今年こそ、いよいよ政治決戦の年です。一刻もはやく、衆議院の解散、総選挙に追い込んで、政権を奪還しなければなりません。そうしなければ、取り返しのつかない国家危機に陥る、もはや瀬戸際と思われます。へたをすれば国家破たんも覚悟しなければなりません。そうならない前に、わたしたち自民党が、わたしたちの培った力をもって、わが日本を救いださなければならないのです。
さきの総選挙で、民主党は「国民生活が第一」「コンクリートから人へ」と耳当たりのいいマニフェストやスローガンを掲げて、わが自民党から政権を奪取しました。あのとき民主党はどう言っていたでしょうか。予算のむだを省くことなどで16.8兆円の財源が生み出せる、子ども手当をはじめ、わたしたちにはバラマキとしか思えない新規政策にそれをそのままあてる、それは消費税の税率なんてあげなくてもできると高らかに謳いあげていました。それがいま、どうなっているでしょうか。野田政権は、消費税を10%に上げるべく、この国会に法案提出をめざしています。野田総理は「どの党ももはや先送りできないテーマ」などと言い募って、密室談合の協議を持ちかけて参りました。
いったい民主党は何のかんばせあって、そんなことが言えるのでしょうか。わたしたち自民党はさきの総選挙でも参議院選挙でも、消費税を引き上げないと国家が成り立っていかないと堂々と国民に訴えて闘いました。民主党はそれに一貫して反対し、あのときの鳴り物入りのマニフェストには、消費税を上げることはどこにも書いてありません。
いまになって言葉をひるがえすようでは、民主党マニフェストは、その根本において、口先だけのいかさまだったというほかありません。国民をだまして、偽りの多数派を形成したことに、民主党は恥ずかしくないのでしょうか。マニフェストの実行を諦めてのネバーギブアップにはただあきれるばかりです。
そもそも、民主党に国家財政という重いテーマをうんぬんする資格はありません。民主党にせめてもの政治的良心があるならば、まずはスタート台に戻って、総選挙をやりなおし、こんどはうそをつかずに国民の審判を仰いだらいかがですか。そのうえで正々堂々と共に改革を進めましょう。それが民主主義のあるべき姿です。わたしたちは一刻も早く、
「偽りの政権」に終止符を打ち、政権の正統性を回復する総選挙を求めます。
わたしたち自民党の方にも、なぜ、こんなていたらくの民主党に政権を譲ったのか、大きな反省がなかったわけではありません。与党の座に長くいたために政権に安住して緊張感を失っていたきらいもありました。内部対立をさらけだし、的確な政策実行が滞ったこともありました。しかし、わたしたちは反省すべきは反省し、そうしたことは姿をひそめました。
ただひたすら国民のため、地域住民のために手をつなぎ、汗をかくことに徹して、党の再生にがんばってまいりました。国民のみなさまも、その自民党の姿に期待をされ、一昨年の参議院選挙の勝利、昨年の統一地方選挙の勝利をいただいたものと思っています。ホップステップジャンプ、今年こそは、総選挙において、政権奪回の本願を遂げるときであります。わたしはみなさんの先頭に立ち、みなさんの力を十二分に発揮していただいて、チームワークをたいせつにして勝利に向けて奮闘する所存であります。
この決意を申し上げるのは、単に自民党が政権に復帰したいというだけのことではありません。わたしは昨年のこの大会で、「信なくば立たず」と申し上げました。しかし、いまの民主党政権ほど、信を裏切っている政権はわたしの記憶にありません。
政権をとったらまもなく、マニフェストに書いてあるからと八ツ場ダム建設の中止を宣言しました。しかし、2年以上もの間、流域住民を混乱させたあげく、今回はその建設費用を予算計上しました。沖縄県は本土復帰して40周年を迎えますが、「最低でも県外」と述べて、県民を戸惑わせた普天間基地移設問題は、わたしたちの先輩が苦心して築いた沖縄との信頼関係をぶちこわしたあげく、結局は「県内移設」に進んでおります。未熟といえばあまりに未熟、無責任といえば無責任きわまりない。これでは沖縄県民の信頼を回復するなどありえません。
民主党マニフェストをもう一度、手にとってごらんください。月額2万6千円の子ども手当を支給します、月額7万円の最低保障年金を実現します、高速道路無料化で地域を元気にしますなどと、財源のことをわきまえないスローガンが並んでいます。そこで浮き彫りになるのは、国民迎合としかいいようがない、ある意味では国民を軽んじてはばからないポピュリズム政策のオンパレードということであります。
これらの政策が次々と挫折して、それをマスコミが「マニフェスト総崩れ」と評したのは、まさにその通りです。それを国民にわびることなく、それを忘れたかのように、こんどは消費税増税を言い募る、そこに「信なくば立たず」の精神はみじんもありません。
今問われるべきことは「自民党はなぜ協力しないのか」ということではありません。「国民との約束を破った民主党は信を問い直せ」ということではありませんか。これを取り違えれば選挙の意味がなくなる、すなわちわが国の民主主義のあり方が問われているのです。来たるべき総選挙は、単に政権奪回の総選挙にとどまりません。国民とともにこの議会制民主主義の危機、国家の危機を認識し、国民とともにそれを立て直すための総選挙なのです。
わたしたちは、野党2年5カ月の試練を経て、再び政権をになうべく、わが内なる力が湧きあがってくるのを感じます。わたしは、わたしたちの基本理念、自助を基本として共助、公助を組み合わせていく政策の正しさを確信いたします。それは、言いかえれば、自ら努力する人を応援する政治、それぞれの地域の絆で支えあう政治、そして先をみて種をまいていく先見性のある政治ということであります。
例えば、被災地の復興こそ、自分で立ち上がる人を応援し、コミュニティーで支え合い、政府や自治体がこれを励ましていく、まさに自助共助公助で進めなければなりません。わたしがかねて政治信条としてきた「絆」の一字こそ、東日本大震災の苦難のなかで、日本国民がみんなで確かめ合った一字にほかなりません。
世界経済が荒れ模様の今日、わたしたちは海外にうってでて世界とともに豊かになっていかなければなりません。自動車や電機などわが国産業の牽引車のみならず、医療介護保育の分野、さらには農林漁業の分野でも新しい雇用を作り出さなければなりません。長寿社会の社会保障を確かなものにするには、まず、若者が希望を持ち、未来に挑戦していける社会をつくらなければなりません。社会保障の充実は、かえって力強い市場経済を守っていくことにつながります。そして歳をとっても、元気で活躍できる社会を築かなければなりません。さらには、福島原発事故の原因を究明して原子力政策を立て直し、国民の共有できるエネルギー政策をつくりあげていくことも重要です。
わたしたち自民党は、戦後の焼け野原から立ち上がって平和のうちに高度成長をなしとげるという歴史的任務を果たしました。こんどは、人々がそれぞれ個性豊かに、心豊かに生きていくことができるためにも、皆で支え合う「絆社会」の建設に向けてがんばります。わが党は国民とともに考え、時には悩み苦しみながら答えを見出していく、成熟社会へのエンジンとなることを誓います。
世界をみわたせば、今年は大きな指導者交代の年になることが予想されます。アメリカ、ロシア、フランスではトップリーダーの選挙が行われます。中国でも指導部が交代し、北朝鮮ではすでに交代がありました。わが国はつねに国際情勢に細心の注意を払いつつ、日米関係を基軸に確かな進路を定めていかなければなりません。
この点でも、民主党政権は腰の定まらない、未熟な外交を展開して国益を損ねてまいりました。拉致しかり、尖閣諸島しかり、そしてTPPしかりであります。外交の失敗は、政権が未熟だからということは言い訳になりません。日本をどうするか、どのようにリードするのか、政党の「綱領」さえ持たない、寄せ集めの民主党に大きな国家の設計ができるわけがありません。「日本らしい日本の確立」を掲げたわが党の綱領こそ、わが国の平和と繁栄をもたらす導きの糸となるものです。わたしたちは、わたしたちの使命をしっかりと胸に抱いて、総選挙に向かっていきましょう。
国会では、昨年、ようやく憲法審査会が動き始めました。わが自民党は憲法改正を党是とする政党です。今年の4月28日は、わが国が占領から独立し、主権回復60年の記念の日であります。わたしたちはその日に向けて、憲法改正への具体的構想を練って、一歩前進を図っていかなければなりません。安全保障の基本をきちんとすること、さらに、憲法施行65年が経って統治機構のほころびも数々出てまいりました。
衆参両院の選挙制度の再検討、もちろん議員定数の是正等は焦眉の急です。国・地方にわたる公務員給与の削減など、復興財源の捻出のために更なる切り込みは可能であり、仮に政権が国民に負担を求めるには身をただす覚悟が求められます。さらには新たに、大都市制度、地方分権のありかたなど、さまざまな問題提起も出てまいりました。憲法とからみながら、こうした問題に総合的に的確に立ち向かうことができるのは、わが党をおいて他にありません。来たるべき総選挙に向けて、これらの問題に真摯に取り組んでいく所存です。
「信なくば立たず」。わたしはもう一度、この言葉をかみしめて、総選挙に臨みます。口先だけのパフォーマンスはやりません。政治は行動です。天下大乱も予想される今年、わたしたちは、これからもせいいっぱい努力して、誠心誠意、国民とともに自らの足で立ち、前に進んでいきましょう。大会にご参集の同志のみなさま、こころを一つにしてがんばりましょう。愛する郷土のために、日本のために、そして世界のために。
自民党総裁の谷垣禎一です。全国それぞれの地域から参集いただいたみなさま、新春の自民党大会でおめにかかるのは三度目となります。どうぞよろしくお願いします。
いうまでもなく、昨年は千年に一度といわれる東日本大震災に見舞われた苦難の年でありました。地震と津波で、多くの方が亡くなられ、いまだ行方が知れない方々もおられ、その数は二万人に及びます。愛する肉親を失ったご家族の悲しみはいかばかりでありましょうか。
東京電力の福島第1原子力発電所の爆発事故で、遠く故郷を離れて避難しておられる方々はなお九万人に及びます。家族だんらんのわが家に戻れないことがどんなに切ないことか、心が痛みます。
わたしたち自民党は、それぞれの地域、コミュニティーに根をおろした政党です。わたしたちは、国会議員、都道府県会議員、市町村議員をはじめ、党の組織をあげて、被災地の人々に寄り添い、民主党政権にも協力すべきは協力して、懸命に復旧復興に取り組んでまいりました。わたしたちの求めた3次の補正予算が成立し、復興庁創設も実現します。年がかわって、ようやく被災地の方々にも希望が芽生えるようになりました。
しかし、この間、民主党政権の対応はあまりに遅く、拙く、いらだたしく、あきれることばかりでした。被災した方々はさぞかしつらい思いをかみしめたことだったでしょう。もはやこれ以上、かくも危機管理の力量の乏しい民主党政権にまかせるわけにはいきません。わたしたちは民主党政権に代わって、人々の暮らしが甦って、人々に笑顔が戻ってきますよう、東北の再生に向かって一層の力を注いでいく所存であります。
さて、今年こそ、いよいよ政治決戦の年です。一刻もはやく、衆議院の解散、総選挙に追い込んで、政権を奪還しなければなりません。そうしなければ、取り返しのつかない国家危機に陥る、もはや瀬戸際と思われます。へたをすれば国家破たんも覚悟しなければなりません。そうならない前に、わたしたち自民党が、わたしたちの培った力をもって、わが日本を救いださなければならないのです。
さきの総選挙で、民主党は「国民生活が第一」「コンクリートから人へ」と耳当たりのいいマニフェストやスローガンを掲げて、わが自民党から政権を奪取しました。あのとき民主党はどう言っていたでしょうか。予算のむだを省くことなどで16.8兆円の財源が生み出せる、子ども手当をはじめ、わたしたちにはバラマキとしか思えない新規政策にそれをそのままあてる、それは消費税の税率なんてあげなくてもできると高らかに謳いあげていました。それがいま、どうなっているでしょうか。野田政権は、消費税を10%に上げるべく、この国会に法案提出をめざしています。野田総理は「どの党ももはや先送りできないテーマ」などと言い募って、密室談合の協議を持ちかけて参りました。
いったい民主党は何のかんばせあって、そんなことが言えるのでしょうか。わたしたち自民党はさきの総選挙でも参議院選挙でも、消費税を引き上げないと国家が成り立っていかないと堂々と国民に訴えて闘いました。民主党はそれに一貫して反対し、あのときの鳴り物入りのマニフェストには、消費税を上げることはどこにも書いてありません。
いまになって言葉をひるがえすようでは、民主党マニフェストは、その根本において、口先だけのいかさまだったというほかありません。国民をだまして、偽りの多数派を形成したことに、民主党は恥ずかしくないのでしょうか。マニフェストの実行を諦めてのネバーギブアップにはただあきれるばかりです。
そもそも、民主党に国家財政という重いテーマをうんぬんする資格はありません。民主党にせめてもの政治的良心があるならば、まずはスタート台に戻って、総選挙をやりなおし、こんどはうそをつかずに国民の審判を仰いだらいかがですか。そのうえで正々堂々と共に改革を進めましょう。それが民主主義のあるべき姿です。わたしたちは一刻も早く、
「偽りの政権」に終止符を打ち、政権の正統性を回復する総選挙を求めます。
わたしたち自民党の方にも、なぜ、こんなていたらくの民主党に政権を譲ったのか、大きな反省がなかったわけではありません。与党の座に長くいたために政権に安住して緊張感を失っていたきらいもありました。内部対立をさらけだし、的確な政策実行が滞ったこともありました。しかし、わたしたちは反省すべきは反省し、そうしたことは姿をひそめました。
ただひたすら国民のため、地域住民のために手をつなぎ、汗をかくことに徹して、党の再生にがんばってまいりました。国民のみなさまも、その自民党の姿に期待をされ、一昨年の参議院選挙の勝利、昨年の統一地方選挙の勝利をいただいたものと思っています。ホップステップジャンプ、今年こそは、総選挙において、政権奪回の本願を遂げるときであります。わたしはみなさんの先頭に立ち、みなさんの力を十二分に発揮していただいて、チームワークをたいせつにして勝利に向けて奮闘する所存であります。
この決意を申し上げるのは、単に自民党が政権に復帰したいというだけのことではありません。わたしは昨年のこの大会で、「信なくば立たず」と申し上げました。しかし、いまの民主党政権ほど、信を裏切っている政権はわたしの記憶にありません。
政権をとったらまもなく、マニフェストに書いてあるからと八ツ場ダム建設の中止を宣言しました。しかし、2年以上もの間、流域住民を混乱させたあげく、今回はその建設費用を予算計上しました。沖縄県は本土復帰して40周年を迎えますが、「最低でも県外」と述べて、県民を戸惑わせた普天間基地移設問題は、わたしたちの先輩が苦心して築いた沖縄との信頼関係をぶちこわしたあげく、結局は「県内移設」に進んでおります。未熟といえばあまりに未熟、無責任といえば無責任きわまりない。これでは沖縄県民の信頼を回復するなどありえません。
民主党マニフェストをもう一度、手にとってごらんください。月額2万6千円の子ども手当を支給します、月額7万円の最低保障年金を実現します、高速道路無料化で地域を元気にしますなどと、財源のことをわきまえないスローガンが並んでいます。そこで浮き彫りになるのは、国民迎合としかいいようがない、ある意味では国民を軽んじてはばからないポピュリズム政策のオンパレードということであります。
これらの政策が次々と挫折して、それをマスコミが「マニフェスト総崩れ」と評したのは、まさにその通りです。それを国民にわびることなく、それを忘れたかのように、こんどは消費税増税を言い募る、そこに「信なくば立たず」の精神はみじんもありません。
今問われるべきことは「自民党はなぜ協力しないのか」ということではありません。「国民との約束を破った民主党は信を問い直せ」ということではありませんか。これを取り違えれば選挙の意味がなくなる、すなわちわが国の民主主義のあり方が問われているのです。来たるべき総選挙は、単に政権奪回の総選挙にとどまりません。国民とともにこの議会制民主主義の危機、国家の危機を認識し、国民とともにそれを立て直すための総選挙なのです。
わたしたちは、野党2年5カ月の試練を経て、再び政権をになうべく、わが内なる力が湧きあがってくるのを感じます。わたしは、わたしたちの基本理念、自助を基本として共助、公助を組み合わせていく政策の正しさを確信いたします。それは、言いかえれば、自ら努力する人を応援する政治、それぞれの地域の絆で支えあう政治、そして先をみて種をまいていく先見性のある政治ということであります。
例えば、被災地の復興こそ、自分で立ち上がる人を応援し、コミュニティーで支え合い、政府や自治体がこれを励ましていく、まさに自助共助公助で進めなければなりません。わたしがかねて政治信条としてきた「絆」の一字こそ、東日本大震災の苦難のなかで、日本国民がみんなで確かめ合った一字にほかなりません。
世界経済が荒れ模様の今日、わたしたちは海外にうってでて世界とともに豊かになっていかなければなりません。自動車や電機などわが国産業の牽引車のみならず、医療介護保育の分野、さらには農林漁業の分野でも新しい雇用を作り出さなければなりません。長寿社会の社会保障を確かなものにするには、まず、若者が希望を持ち、未来に挑戦していける社会をつくらなければなりません。社会保障の充実は、かえって力強い市場経済を守っていくことにつながります。そして歳をとっても、元気で活躍できる社会を築かなければなりません。さらには、福島原発事故の原因を究明して原子力政策を立て直し、国民の共有できるエネルギー政策をつくりあげていくことも重要です。
わたしたち自民党は、戦後の焼け野原から立ち上がって平和のうちに高度成長をなしとげるという歴史的任務を果たしました。こんどは、人々がそれぞれ個性豊かに、心豊かに生きていくことができるためにも、皆で支え合う「絆社会」の建設に向けてがんばります。わが党は国民とともに考え、時には悩み苦しみながら答えを見出していく、成熟社会へのエンジンとなることを誓います。
世界をみわたせば、今年は大きな指導者交代の年になることが予想されます。アメリカ、ロシア、フランスではトップリーダーの選挙が行われます。中国でも指導部が交代し、北朝鮮ではすでに交代がありました。わが国はつねに国際情勢に細心の注意を払いつつ、日米関係を基軸に確かな進路を定めていかなければなりません。
この点でも、民主党政権は腰の定まらない、未熟な外交を展開して国益を損ねてまいりました。拉致しかり、尖閣諸島しかり、そしてTPPしかりであります。外交の失敗は、政権が未熟だからということは言い訳になりません。日本をどうするか、どのようにリードするのか、政党の「綱領」さえ持たない、寄せ集めの民主党に大きな国家の設計ができるわけがありません。「日本らしい日本の確立」を掲げたわが党の綱領こそ、わが国の平和と繁栄をもたらす導きの糸となるものです。わたしたちは、わたしたちの使命をしっかりと胸に抱いて、総選挙に向かっていきましょう。
国会では、昨年、ようやく憲法審査会が動き始めました。わが自民党は憲法改正を党是とする政党です。今年の4月28日は、わが国が占領から独立し、主権回復60年の記念の日であります。わたしたちはその日に向けて、憲法改正への具体的構想を練って、一歩前進を図っていかなければなりません。安全保障の基本をきちんとすること、さらに、憲法施行65年が経って統治機構のほころびも数々出てまいりました。
衆参両院の選挙制度の再検討、もちろん議員定数の是正等は焦眉の急です。国・地方にわたる公務員給与の削減など、復興財源の捻出のために更なる切り込みは可能であり、仮に政権が国民に負担を求めるには身をただす覚悟が求められます。さらには新たに、大都市制度、地方分権のありかたなど、さまざまな問題提起も出てまいりました。憲法とからみながら、こうした問題に総合的に的確に立ち向かうことができるのは、わが党をおいて他にありません。来たるべき総選挙に向けて、これらの問題に真摯に取り組んでいく所存です。
「信なくば立たず」。わたしはもう一度、この言葉をかみしめて、総選挙に臨みます。口先だけのパフォーマンスはやりません。政治は行動です。天下大乱も予想される今年、わたしたちは、これからもせいいっぱい努力して、誠心誠意、国民とともに自らの足で立ち、前に進んでいきましょう。大会にご参集の同志のみなさま、こころを一つにしてがんばりましょう。愛する郷土のために、日本のために、そして世界のために。



