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ネット時代の逆発想マーケティング

今世紀初頭、インターネットを通じてモノが買える時代となり、街中の一部の商店が急に活気づいたという話をかつてチラチラ耳にしました。「あのお店、なんか、ネットで注文受けて全国各地に商品を送っているらしいよ」という商店街のやっかみとも思える囁きすらありました。

私の知り合いがかつて某家電量販店から商品を大量購入し、それを転売するビジネスをしていました。全国各地に商品を送り届けるそのビジネスモデルには安い宅急便という仕組みがあるのですが、彼の儲けのテクニックはそこにはありません。家電量販店で購入する際に付保される10-15%のポイントが彼の利益なのです。このポイントで更に商品を買えば売り上げに対するコストはゼロ。つまり丸儲けなのであります。

すごい時代がやってきたものだ、と思いましたが、だからこそ、今、ニッチマーケットという言葉をもう一度考えてみたいと思うのです。

重厚長大から軽薄短小へになったのが80年代とされます。次いで90年代に多品種少量生産の時代が始まります。いわゆる「個の時代」とともに「みんなと同じはイヤ」「個性的な自分を表現する」ようになりました。ところが、インターネットによるマスマーケティングで再びどこにいてもどんな商品でも手に入る時代が到来し、ネットが生み出す流行やトレンドがキーワードになりました。

ついで「ご当地モノ」がヒットします。もともとはキティちゃんから始まったと思われるこの発想はグルメからふるさと納税まで幅広く普及します。更にITの普及で「この商品を選んだ方はこのような商品もみています」的なアップセール、更にはネットで書籍を買えば同じ著者の新しい本が出た時、案内メールが来ます。すごいマーケティングだと思いますが、疲れちゃいます。

時代の流れが「発展的な循環をする」という発想があるならば次は「誰にも振り回されない自分だけの秘密の世界」がキーワードになる気がします。人間、初めはいろいろ試したいのですが、そのうち、ある一点に落ち着く傾向があります。近所の飲食店でもお気に入りの店ばかり行くのはそこがその人にとっての気楽で快適空間だからでしょう。

たまに知らない街で友人と食事となればどこに行くか、ネットで一応探してみるのですが、最近は面倒くさくなり、(というよりネット情報と実際がかけ離れていた経験が数多くなり)駅の改札で待ち合わせて行き当たりばったりで決めることも増えました。それが案外ヒットだったりしてマイリストに加わったりするのです。

私は「売らない売り方」が今後、注目されると思います。商品は売らんとするのではなく、顧客が欲しいとおっしゃるのでお譲りする、というスタンスです。それはブランドに頼るのではなく、こんな面白いことをやっているという発信能力ではないかと思います。

さらに私は商売人は何でもかんでもナショナルブランドならぬ全国制覇する必要はないと思います。半径1キロといった狭い範囲の商圏だけど住民にしっかり根付いている方がリピート率も高く口コミマーケティングの効果は絶大になります。

どんなビジネスをする人も一般的には無限の成長を夢見るものですが、ゴールに手が届く狭いエリアでの圧倒的勝利と達成感が案外、ビジネスをする上でもっと重要な意味合いではないかと感じます。

では今日はこのぐらいで。

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