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見えてきた正体

 5月21日、愛媛県は加計学園問題に関する27ページの文書を国会に提出しました。この公文書により獣医学部新設が、「はじめに加計ありき」「首相案件」として始まったことが改めて明らかになりました。

 2015年2月25日に加計理事長と面会した安倍総理が、獣医学部新設の構想を聞き、「いいね」と言ったとの記述があります。これが事実ならば、これまで1年余にわたり総理が国会でウソの答弁を繰り返してきたことになります。

 総理は、「ご指摘の日に加計理事長と会ったことはない。念のため官邸の記録を調べたが、確認できなかった」と、真っ向から否定しています。しかし、当時の入邸記録は廃棄されており、記録が残っていないというのが真実です。

 新聞等に毎日掲載されている、総理大臣の動向に関する記事「首相動静」にも、加計氏の名前は載っていません。しかし、官邸も公邸も記者が出入りをチェックできない裏動線があり、実は非公表の来訪者も存在するのです。経験者が言うのですから、間違いありません。

 総じて、微に入り細に入り具体的に記録した愛媛県の公文書に対して、記憶も記録もない総理側の反論は説得力がありません。政府・与党が挙証責任を果たすには、柳瀬唯夫元総理秘書官と加計孝太郎理事長の証人喚問(ウソをつけば偽証罪となる)、ならびに中村時広愛媛県知事の参考人招致を、速やかに実現するしかありません。

 5月23日には、改ざん前の決裁文書(約3000ページ)と共に、廃棄したとされてきた森友学園と財務省との交渉記録(約900ページ)が国会に提出されました。国会答弁とつじつまを合わせるため、公文書改ざんばかりか、記録の廃棄まで行っていたとは…。議会制民主主義をないがしろにし、国民をあざむく前代未聞の大罪です。

 この罪深い愚行は、犠牲者を出していることを絶対に忘れてはなりません。上からの指示で改ざんに手を染めた職員が、この3月、良心の呵責に耐えられず、自ら命を絶ちました。有無を言わせぬ上下関係で理不尽な指示が出た場合の、指示を受けた側の懊悩と葛藤は、日大アメフト部による悪質タックル問題を想起させます。誰がなぜ指示したのかを明確にし、厳しくその責任を問わなければなりません。

 5月22日、衆院本会議において、安倍総理は永年在職25年表彰を受けました。しかし、森友・加計問題は総理並びに総理夫人案件であり、この両件が立法府と行政府の信頼関係を大きく失わせているのですから、議会人として胸を張れる受彰だったのでしょうか。

 外交日程も続きますが、進退が問われる重大な局面を迎えた安倍総理は、各国首脳から足元を見られるかもしれません。

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