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世界経済概観

一週間前のメディアはスタンダード&プアーズの欧州9カ国の格下げに戦々恐々とし、週明けには大きな影響が出るのではないかと身構えていましたが拍子抜けするほど落ち着いていたマーケットだったといっても良いでしょう。

私も先週、「さほど影響は出ないのでは」と述べた手前、注意深く様子を見ておりましたがどちらかというと「アク抜け」感すらあった気がします。やはり、ECB(欧州中央銀行)による12月の金融緩和がかなり効果的であったとみるべきでしょう。更にIMFの資金供給も大きな後押しになりました。

欧州については次の焦点は再びギリシャに移ってくると思います。3月20日の国債償還にあわせて銀行団などがPSI(Private Sector Involvement=民間部門の関与)という形式で国債条件の交渉を進めています。先週当たりまではギリシャ当局と銀行団との提示金利に1%程度の相違があり合意は暗礁に乗り上げたか、という見方もありましたが、この数日、どうも歩み寄りがみられるようで期待が持てるかもしれません。

銀行団がある程度の譲歩をする理由はギリシャにつまづくと次はポルトガルが待っているというエンドレスの問題を抱え込むことになり、「臭いものには蓋」ではありませんが、とりあえず、厄介な問題は片付ける、という姿勢に見えます。

この辺を読み込んだ上で一部欧州の高官は年後半からの経済リカバリー戦略などという前向きの声も聞こえてきており、少なくとも市場の雰囲気は大きく改善しているようです。もちろん、今後も何が飛び出してくるか分かりませんので注意深く様子を見守る姿勢は変わらないでしょう。

一方、アメリカ経済は金曜日発表の中古住宅指標が改善、特にインベントリー(在庫)が6.2ヶ月まで減少したということは銀行差し押さえ物件による需給悪化に歯止めがかかってきているみても良いでしょう。今後数ヶ月の統計次第では住宅市況は底打ちから反転の時期を探ることになるかもしれません。

この流れは大統領選挙を控えるオバマ大統領にとって極めて有利な展開となります。また、アメリカの株式市場も大統領選挙イヤーの株は高いというジンクスどおり、堅調さを取り戻していることはアメリカ経済全体の明るさがでてきたといっても過言ではありません。

更に私は中国についても今年は悪くならない、とみています。なぜなら、こちらもトップ交代が予定されており悪い状態でバトンタッチは起こさない、という政治的判断がキックインすると見ているからです。

仮に世界の主要国が目先、明るさを取り戻してくれば2012年は我々が想定する以上に強い回復がありえるかもしれません。もちろん、年前半は欧州を中心にまだまだ様子見が続くと思いますが、株式市場が6ヶ月先を取り込む先行型の指標でありアメリカ株式市場をはじめ欧州市場が軒並み回復基調であることを考えれば今のところは薄日が差すと予想出来なくもないかもしれません。

日本もいよいよ震災復興が本格化し、国内の建設会社の株価はお祭り騒ぎのような状態になっています。震災地を中心に建設物価も急上昇していますし、仙台辺りの経済はバブルの様相、ベンツが飛ぶよう売れ海外旅行ツアーはすぐに満杯という記事は80年代後半のバブル景気以来ではないかと思います。雇用に関してはミスマッチが生じているようですがこれが解消すれば日本も期待が持てる状態になるのではないでしょうか?

世の中暗いトーンが多いかと思います。暗くすることで妙な安堵感があるのかもしれません。しかし、実際には回復の手ごたえはあちらこちらで感じているはずです。むしろ、「暗い安堵感」から一歩、外に飛び出してみることのほうが大事な気がします。

少なくとも私は手ごたえらしきものは感じ始めています。

今日はこのぐらいにしましょうか?

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