- 2018年05月24日 07:00
小中高教育の9割は意味がない──ホリエモンは「ルールを壊すのではなく、現実の種明かしをする人」だった
1/23月30日、ベルサール東京日本橋にて、サイボウズ主催の「チームワーク経営シンポジウム」を株主総会の前に開催しました。
パネル1「ホリエモンと、語ろう。」では、モデレーターにBUSINESS INSIDER JAPAN統括編集長浜田敬子さん、パネラーに堀江貴文さんと弊社代表の青野慶久を迎えて、働き方についてディスカッション。
新しいカイシャの姿やこれからの生き方などのテーマが盛り上がった前編に続き、堀江さんが考える「教育」について、今後の展望を聞きました。
「小・中学校や高校が行う教育の9割は意味がない」と言い切る堀江さんが、あえて高校を作る理由とは?
2018年5月17日
「個人が会社を使うという働き方はおもしろい」──ホリエモンと新しいカイシャを議論したら、生き方の話になった
(編注) この記事は、読みやすさを重視して、シンポジウムの講演内容を編集しています。後編では、堀江さんの考えるこれからの教育を中心にお届けします。
ニッチに思えるけん玉もグローバル視点で見れば大きな市場がある
どんどん仕事が機械化していけば、次は遊んでいるやつが最強の時代ですよ。
「遊ぶ」とはどういうことですか。
例えば、友達に児玉健さんっていう、けん玉と人狼ゲームだけで稼いでいる人がいるんですよ。
もともとは不動産の営業をしていたんだけど、30歳くらいのときに「楽しく生きたい」と、突然会社を辞めて。
堀江貴文(ほりえ・たかふみ)さん。SNS media&consultingファウンダー。1972年生まれ、福岡県八女市生まれ。現在は、ロケットエンジンの開発や、スマホアプリのプロデュース、会員制コミュニケーションサロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIJ)」の運営など、幅広く活動を展開。著書に『99%の会社はいらない』(ベスト新書)、『ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく』(ダイヤモンド社)、『自分のことだけ考える』(ポプラ社)、『多動力』(幻冬舎)など。
何か計画があって辞めたんですか?
いや、まったくなかったんじゃないかな。仕事を辞めたあとに、けん玉と人狼ゲームに出会って、それをめちゃくちゃがんばった。
今、人狼ゲームは10代の人たちの間ですごく流行っていて、彼らの中では児玉さんは大スターなんです。オンラインの人狼ゲームには現れないけど、児玉さんと遊びたいというニーズは根強い。
けん玉の分野でも、「ZOOMADANKE(ず〜まだんけ)」というパフォーマンスユニットで活動し、地方や海外に遠征しています。
けん玉って一見ニッチですけど、グローバルな視点で見たら、それなりの市場があったってことですよね。
相当でかいですよ。技術と組み合わせれば、eスポーツ的な展開もありえますよね。
小中高で行われている教育の9割は意味がない
僕らが子どものころって、そうやって遊んだりゲームしたりすると、制限されたじゃないですか。もうね、アホじゃないかと。
子どもがけん玉やゲームが好きだったら、制限しないほうがいいってことですか。
そりゃそうでしょ。
うちもゲームを全面解禁しようかな。
いやいや、でも、ゲームばかりしていたら、成績下がるかもしれないじゃないですか。
いいじゃないですか、どうせ大した成績じゃないんだから。
(笑)
そもそも、いま小中高で行われている教育の9割は意味がない。ググればわかることばっかりだもん。みんなそれを理解しているのに、認めようとしない。
これからは、ググる方法のほうが役に立つ能力かもしれないですね。
スマホ時代になってから、検索する能力が落ちていますよね。だから、みんなスマートスピーカーで聞くんですよ。でも、実際は聞くよりも先に自分で調べる能力のほうがずっと強い。
たとえば、少し前にビットコインが流行りましたよね。でも、ほとんどの人が仕組みを知らないじゃないですか。こうしたことを学校教育では1ミリも教えない。お前ら原理も知らずに使っているのか、とびっくりします。
たしかにそういったことを学校で教えているイメージはないですね。
高校に行く必要はないですよと、僕はずっと言っている。メルマガや本、オンラインサロンでも、そう伝えているのに、やっぱり親も子も先生も「高校行っとかなきゃいけないんじゃないか」なんて思っているから、9割9分が高校に行く。
だから今度、高校をつぶすために高校を作ろうと思うんですよ。
そこで何を教えるつもりなんですか?
青野慶久(あおの・よしひさ)。サイボウズ代表取締役社長。1971年生まれ。愛媛県今治市出身。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現 パナソニック)を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立した。2005年4月には代表取締役社長に就任(現任)。社内のワークスタイル変革を推進し、離職率を6分の1に低減するとともに、3児の父として3度の育児休暇を取得している。著書に『チームのことだけ、考えた。』(ダイヤモンド社)『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』(PHP研究所)など。
教えるのではなくて、これから役に立つスキルを実践してもらう。たとえば、寿司料理人コースを作ろうと思っていて。
ぶっちゃけセンスあるやつは、1日で寿司をにぎれると思うんですよ。下積みはいらない。僕は自分でにぎっているけど問題ないし、職人の友達も多いけれど、みんなそう言っている。
以前、寿司職人の修行時間である“飯炊き3年、にぎり8年”はいらないと言ったら、ネットで叩かれましたよね。
うん。でも、飯炊きなんて炊飯器ですぐにできますからね。酢飯だってレシピが決まっているから、ちゃんとしたお酢とか調味料とか調達してくればいい。それなりのものはできますよ。あとは場数を踏んでいくだけ。
だから、実際に店を作って、高校生にめちゃくちゃうまい寿司をにぎらせようかなと思っていて。
高校生が寿司をにぎっているだけで、テレビ局などのメディアが飛びついてくる。僕は高校生なんてただ若いだけじゃんって思っているけど、そこは利用させてもらうつもり。
新しいプレミアム感的な。
これでミシュランの星を取ってやればいいでしょ。ミシュランもフェイクだけど、既存の仕組みは全部利用しますよ。
高校生でも寿司でミシュランの星が取れるんだって事実ができれば、みんなの価値観が変わるから。