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震災による定時株主総会の延期と「定款違反」(法務省の見解)

先週土曜日に「「震災による定時株主総会の延期と定款違反」」なるエントリーをアップして、「震災によって決算日から3か月以内に定時株主総会が開催できなくなった場合、会社法違反にならない点はよいとしても、定款違反はどうなるのだろうか?」との疑問を呈しておりましたところ、本日(3月29日)法務省から、「法務省意見」が出されたようであります。

定時株主総会の開催時期に関する定款の定めについて
東北地方太平洋沖地震の影響により,定款所定の時期に定時株主総会を開催することができない状況となっている株式会社があると考えられます。
特定の時期に定時株主総会を開催すべき旨の定款の定めについては,通常,天災等のような極めて特殊な事情によりその時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じた場合にまで形式的・画一的に適用してその時期に定時株主総会を開催しなければならないものとする趣旨ではないと考えるのが,合理的な意思解釈であると思われます。
したがって,東北地方太平洋沖地震の影響により,定款所定の時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じた場合には,会社法第296条第1項に従い,事業年度の終了後一定の時期に定時株主総会を開催すれば足り,その時期が定款所定の時期よりも後になったとしても,定款に違反することにはならないと解されます。

前のエントリーでJFKさんがコメントされているとおり、「なにか株主総会の冒頭で株主の了解くらいはとっておく必要があるのでは」とのご意見もありそうですから、法務省の公式見解によって、とりあえずお困りの株式会社の監査役の方々には(スッキリできて)良かったですね。(まぁ、会社としては「配当権利落ち」の問題は残りますが・・・)

ただ、「特定の時期に定時株主総会を開催すべき旨の定款の定めについては,通常,天災等のような極めて特殊な事情によりその時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じた場合にまで形式的・画一的に適用してその時期に定時株主総会を開催しなければならないものとする趣旨ではないと考えるのが,合理的な意思解釈である」という理由(つまり定款違反にはならない、ということ)についてはどうなんでしょうかね?たとえば民法上は双務契約の帰趨につきまして、天変地変については契約の合理的な解釈の問題とはせずに危険負担の法理によって処理します。(一方の債務が天変地変によって履行困難となった場合には、もう一方の債務はどうなるか、という問題は、当事者間で明らかな合意がない限り、法律のルールによって処理します)会社法上の定款も会社と株主との基本的な契約であるとみるならば、天変地変を「契約の合理的解釈」の問題と捉えることは民法の趣旨と矛盾することにはならないのでしょうかね?逆に、なかには「強行突破」して総会を開催した会社もあるようですし、そのような会社においては「合理的な意思に反して株主総会をやりました」ということになるのでしょうか?ここで「合理的な意思解釈」という言葉を持ち出すのは少し乱暴な気もするのですが。。。

むしろ私が前回のエントリーで申し上げたような理由(「超法規的な許容事由」とみるか、定款の法的性質、つまり利害関係人の権利を不当に侵害しない範囲での例外的取扱いを許容する条項が含まれている)のほうが「有事対応」という意味においては乱暴ではない、と思うのですが・・・・・、いかがなものでしょうか。。。

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