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「365日24時間、死ぬまで働け」とするワタミ渡邉美樹氏の存在からわかる高プロ地獄絵図の現実性

 前回の記事「高度プロフェッショナル制度がもたらす地獄絵図=48日間連続の休憩なし24時間労働が合法」に対して、「そんな企業は存在しない」「あり得ない空想で高プロを批判しても意味がない」との指摘をいただきました。本当にそうでしょうか?

 父親を過労自殺でなくしたマーくん(当時小学校1年生)が書いた詩「ぼくの夢」が全国過労死を考える家族の会のサイトに掲載されています。バナーもつくってみました。

ぼくの夢

大きくなったら
ぼくは博士になりたい
そしてドラえもんに出てくるような
タイムマシンをつくる
ぼくはタイムマシーンにのって
お父さんの死んでしまう
まえの日に行く
そして『仕事に行ったらあかん』て
いうんや

 過労自死した高橋まつりさん(電通社員)の母親の幸美さんも、31歳で過労死した佐戸未和さん(NHK記者)の母親の佐戸恵美子さんも、過労死遺族は自分たちと同じ思いを二度とすることのないよう過労死を根絶して欲しいと願っています。

 しかし、現在の日本では、過労死で毎日1人以上の命が奪われているというのが厳然たる事実です。今こうしている間にも日本では労働者が過労死で命を奪われているのです。労働時間規制がきちんとあっても守らない企業が1,349企業も1年間だけで存在していることは前回の記事でも紹介しました。

 それから、象徴的な存在はワタミです。ワタミグループ創業者で自民党の渡邉美樹参院議員が、今年3月13日の参院予算委員会の公聴会で過労死遺族に暴言を述べたことは記憶に新しいですが、あらためてワタミの渡邉美樹氏の言動を思い出してみてください。

▼渡邉美樹氏の言動

◆365日24時間、死ぬまで働け。10年後も20年後もこの言葉が飛び交うワタミでありたい。

(※出典:「ワタミ社内文書入手 渡辺美樹会長が『365日24時間死ぬまで働け』 週刊文春 2013年6月5日号より)

◆よく「それは無理です」って最近の若い人達は言いますけど、たとえ無理なことだろうと、鼻血を出そうがブッ倒れようが、無理矢理にでも一週間やらせれば、それは無理じゃなくなるんです。そこでやめてしまうから「無理」になってしまうんです。全力で走らせて、それを一週間続けさせれば、それは「無理」じゃなくなるんです。

(※出典:2006年5月22日テレビ東京放送「日経スペシャル カンブリア宮殿~村上龍の経済トークライブ」および【村上龍RVR龍言飛語】vol.252 ワタミ従業員自殺に労災認定より)

 どうでしょうか? 「そんな企業は存在しない」「あり得ない空想で高プロを批判しても意味がない」との指摘ですが、労働時間規制がある今現在でもワタミ渡邉美樹氏のような経営者は存在しているのです。労働時間規制があっても「365日24時間、死ぬまで働け」と言うワタミ渡邉美樹氏が実際に存在しているのに、労働時間規制がなくなって「48日間連続して1日24時間働かせる」ことが合法になる高プロができた途端に「そんな企業は存在しない」となる方がじつは「あり得ない空想」だということがよくわかるのではないでしょうか?

 「365日24時間、死ぬまで働け」とするワタミが労働時間規制があっても存在するのに、労働時間規制がなくなる高プロで合法になる「48日間連続して24時間、死ぬまで働け」を実行しない企業があらわれないわけがないというのが結論です。高度プロフェッショナル制度の廃案を求める署名にぜひご協力ください。【→★#高度プロフェッショナル制度 は現代の奴隷制!今すぐ廃案に!

(井上伸)

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