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  • 階猛

「成年」なのに「成人」ではない-18歳成年の矛盾

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 衆院法務委員会では、成年年齢を18歳に引き下げる民法改正案の審議が行われています。この法案について、多くのマスコミは「成人」年齢の引下げと報じていますが、正しくは「成年」年齢です。私もつい最近まで、「成人」と「成年」を同じ意味で使っていました。

 16日の質疑でこのことを法務大臣に確認したところ、「成年と成人がイコールかは、一概に言えない」との答弁。そこで、「(成年年齢が18歳になっても、)成人式は従来通り20歳で行って問題ないか」と尋ねると、「地方自治体の判断であり、20歳の者を対象として成人式を行うことは否定されない」との答えでした。

 成人式の対象者が18歳の市町村と20歳の市町村に分かれてしまうと、若者が混乱しそうです。やはり成人式の年齢は、20歳のままでいいのではないでしょうか。というのも、成人式が通常行われる成人の日の時期は、多くの18歳にとって高校卒業直前です。進学や就職、それに伴う転居などを控えて成人式どころではありません。

 また、今回の法案では、「成年」年齢が18歳になっても、酒やタバコ、公営ギャンブルの年齢は20歳に据え置いています。法律上、成人の日は、「大人になったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝い励ます日」とされていますが、お酒抜きで成人を祝うのは違和感があります。18歳よりも20歳の方がこの定義に当てはまる感じがします。

 では、そんな問題を抱えてまで、「成年」年齢を18歳にするメリットは一体何なのでしょう?政府は、①既に18歳に引き下げられた選挙権年齢と一致させる、②18歳を一人前の大人と扱うことで社会のさまざまな分野で積極的な役割を果たしてもらえる、とします。どちらも若者の側より権力の側のメリットに思えます。

 しかも、①については、「成年」年齢と選挙権年齢は一致させなくてもよい、というのが法務委員会での有識者の方々の見解でした。また、②については、今回の上川大臣の答弁で、政府自身が18歳の「成年」を必ずしも一人前の大人=「成人」と扱っていないことがはっきりしました。にもかかわらず、「成年」になると親の同意なく自分自身で契約ができるようになり、悪徳商法などで損害を被るリスクが各段に高まります。

 政府は、契約に必要な判断力を18歳までに養うための消費者教育の効果が上がっているとしていましたが、私がその根拠を聞くと答えに窮しました。そもそも複雑な契約のリスクを見抜く判断力があるなら、酒やタバコなどのリスクも当然見抜けるはずで、こちらを20歳に据え置く理由がなくなります。今回の法案は矛盾だらけであり、このままでは賛成できません。

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