記事
- 2018年05月21日 12:34
大量懲戒請求に対する不法行為は個別の不法行為という主張を検証する 明らかな過大請求はやめるべきだ
1/2
大量懲戒請求を受けた弁護士が、濫用的な懲戒請求であるとして、懲戒請求者に対してマスコミを使って訴訟予告を行い、さらには個別の訴訟前の和解として1人5万円を受領しています。
和解した人数は記者会見では公表していませんが三桁には到達していないというものです。50人としても250万円です。
さて、私は従来よりこの大量懲戒請求は不法行為が成立する場合には共同不法行為が成立するものと主張してきました。
繰り返しになりますが、このような流れになります。
①「余命3年ブログ」が懲戒を募り、とりまとめる。
②住所、氏名だけが異なるものを一括して弁護士会に送付する。
③弁護士会は精査の上、個別弁護士に一括して懲戒請求書の写しを交付する。
④対象となった弁護士は弁明書を出す。
(なお、③で一括していない場合も弁護士会によってはあるようですが、それは弁護士会の問題です。佐々木、北両弁護士も③の内容で説明されています。具体的な損害論に関わります。)
共同不法行為が成立すると一般的には賠償義務者が不利になります。損害全額について連帯して責任を負うことになるからです。賠償請求する側は、誰に対して損害全額を請求できるメリットがあります。資力のある者を対象に訴えを起こせば足りるということです。
しかし、この大量懲戒請求案件では事情が異なります。佐々木、北両弁護士は既に相当額の「賠償金」を受領しています。そうなると共同不法行為が成立するとされればその受領額分は既に発生した損害に補填されたということになります。
請求額はせいぜい300万円程度ではないかという他の弁護士の見解もありますが、判決による認容額がもっと少なければ、既に全額補填されたという認定もあり得ることになります(この場合は請求棄却)。
しかし、佐々木、北両弁護士は個別の不法行為であると主張しているわけです。しかし、記者会見の場では共同不法行為にならない根拠についての質問がありましたが、明確に答えられていません。
さて、個別の不法行為にならないのか、私なりに再度、検討しました。
今回、懲戒請求があった申立書はこれです。クリックすれば大きくなります。
この定型用紙に懲戒請求者の氏名、住所と日付を記載、押印するだけのものです。
NO238は、私に対して請求されたものにはすべて同じ番号が振られています。

実際の懲戒請求もこの1枚だけです。
個別に不法行為が成立する、しかも佐々木、北両弁護士の主張は、弁護士1人あたり30万円の損害が発生するという主張です。
不法行為の成否と成立した場合の損害額が問題になります。
この1枚だけです。懲戒事由とされるものも全く具体性のないものです。
明らかに弁護士会が懲戒するはずもないものと一見しただけでわかるものです。
さて、この1枚の定型用紙を用いて懲戒請求がなされた場合、しかも、これが1件だけで行われた場合、不法行為が成立すると考えますか。成立するとした場合、損害額はいくらが妥当と考えますか。
私は個別であれば不法行為が成立するのかは懐疑的です。仮に認められたとしても損害額は数千円程度ではないかと思います。
虚偽の懲戒請求(例えば、この弁護士にいかがわしいことをされたということで懲戒請求されたが、そのような事実がなく、それをわかっていて懲戒請求を行う場合)は大問題ですが、これはそういった次元のものではないわけです。ある種の信念に基づいて行っているだけのことであり、その懲戒の成否を判断するのは弁護士会なわけです。
弁護士会、弁護士の目からみれば一見して懲戒事由に当たらないとされるものであっても、その判断を求めているわけです。その人たちにとっては「真剣」にです。
加えて、弁護士の懲戒事由は現在では、職務とは直接関連性のないものであっても対象となっていることを考えると、懲戒事由を広くしています。
なので、こういった事情を考えるのであれば不法行為が成立するのは極めて限定的に考えるべきものであり、それ故に私は不法行為が成立することには懐疑的なのです。
仮に成立が認められたとしても数千円レベルというのもそういった事情や制度の仕組みがあるからです。
和解した人数は記者会見では公表していませんが三桁には到達していないというものです。50人としても250万円です。
さて、私は従来よりこの大量懲戒請求は不法行為が成立する場合には共同不法行為が成立するものと主張してきました。
繰り返しになりますが、このような流れになります。
①「余命3年ブログ」が懲戒を募り、とりまとめる。
②住所、氏名だけが異なるものを一括して弁護士会に送付する。
③弁護士会は精査の上、個別弁護士に一括して懲戒請求書の写しを交付する。
④対象となった弁護士は弁明書を出す。
(なお、③で一括していない場合も弁護士会によってはあるようですが、それは弁護士会の問題です。佐々木、北両弁護士も③の内容で説明されています。具体的な損害論に関わります。)
共同不法行為が成立すると一般的には賠償義務者が不利になります。損害全額について連帯して責任を負うことになるからです。賠償請求する側は、誰に対して損害全額を請求できるメリットがあります。資力のある者を対象に訴えを起こせば足りるということです。
しかし、この大量懲戒請求案件では事情が異なります。佐々木、北両弁護士は既に相当額の「賠償金」を受領しています。そうなると共同不法行為が成立するとされればその受領額分は既に発生した損害に補填されたということになります。
請求額はせいぜい300万円程度ではないかという他の弁護士の見解もありますが、判決による認容額がもっと少なければ、既に全額補填されたという認定もあり得ることになります(この場合は請求棄却)。
しかし、佐々木、北両弁護士は個別の不法行為であると主張しているわけです。しかし、記者会見の場では共同不法行為にならない根拠についての質問がありましたが、明確に答えられていません。
さて、個別の不法行為にならないのか、私なりに再度、検討しました。
今回、懲戒請求があった申立書はこれです。クリックすれば大きくなります。
この定型用紙に懲戒請求者の氏名、住所と日付を記載、押印するだけのものです。
NO238は、私に対して請求されたものにはすべて同じ番号が振られています。

実際の懲戒請求もこの1枚だけです。
個別に不法行為が成立する、しかも佐々木、北両弁護士の主張は、弁護士1人あたり30万円の損害が発生するという主張です。
不法行為の成否と成立した場合の損害額が問題になります。
この1枚だけです。懲戒事由とされるものも全く具体性のないものです。
明らかに弁護士会が懲戒するはずもないものと一見しただけでわかるものです。
さて、この1枚の定型用紙を用いて懲戒請求がなされた場合、しかも、これが1件だけで行われた場合、不法行為が成立すると考えますか。成立するとした場合、損害額はいくらが妥当と考えますか。
私は個別であれば不法行為が成立するのかは懐疑的です。仮に認められたとしても損害額は数千円程度ではないかと思います。
虚偽の懲戒請求(例えば、この弁護士にいかがわしいことをされたということで懲戒請求されたが、そのような事実がなく、それをわかっていて懲戒請求を行う場合)は大問題ですが、これはそういった次元のものではないわけです。ある種の信念に基づいて行っているだけのことであり、その懲戒の成否を判断するのは弁護士会なわけです。
弁護士会、弁護士の目からみれば一見して懲戒事由に当たらないとされるものであっても、その判断を求めているわけです。その人たちにとっては「真剣」にです。
加えて、弁護士の懲戒事由は現在では、職務とは直接関連性のないものであっても対象となっていることを考えると、懲戒事由を広くしています。
なので、こういった事情を考えるのであれば不法行為が成立するのは極めて限定的に考えるべきものであり、それ故に私は不法行為が成立することには懐疑的なのです。
仮に成立が認められたとしても数千円レベルというのもそういった事情や制度の仕組みがあるからです。