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京大ネット投稿事件から考える企業コンプライアンスへの教訓

それにしましても、この1週間の「京大入試漏洩事件」の展開は早かったですね。前のエントリーへのコメントでも書きましたが、私はそもそも京都大学がどのようにして入試問題漏えいの事実を知ったのか、という事実についてとても興味を抱きました。

5日未明の産経新聞ニュースを読んで、「なるほど」と思いました。(産経新聞ニュースはこちらです)どうも京大新聞の問題文検索が発端のような感じですね。この検索作業のなかで、関係者のどなたかが大学当局へ匿名通報し、その後ツイッターで火が付いた、という経過だったのでしょうね。ツイッターで話題になっている以上、京大としても(内部者によるものか、受験生によるものなのか確認作業を行う間もなく)早期に公表せざるをえなかったのではないか、と。私立の大学が合格発表後まで(また、人から指摘されるまで)「問題漏えい」に気がつかなかったにもかかわらず、なにゆえ京大だけが試験終了直後に気がついたのだろうか・・・・・と不思議に思っておりましたが、この「京大新聞社」の存在が大きかったのではないでしょうか。しかし、そう考えますと、グーグルやヤフーなど、検索エンジンの存在意義は大きいですね。問題漏えいの事実がこうやって早期に発見できてしまうのも、こういった検索エンジンの効果だと思います。

被疑者が逮捕され、普通の受験生の単独行為によるものだった、ということになると、今度は大学側への監督責任を問うマスコミや世間の声が大きくなりました。ここまで大きな騒ぎにして「被害者ヅラ」するな、という声が寄せられている、とのこと。しかし、上記のような入試問題漏えいの事実を大学側が知って公表に至った経過からするならば、京大は当初「内部者による試験前の段階における情報漏えい」を相当に疑っていたのではないでしょうかね。少なくとも受験生によるカンニング行為によるものなのか、試験準備段階による内部者の情報漏えい行為によるものなのか、そのあたりは不明だったのではないかと。現に毎日新聞の記者は、当初京都大学側に対して「内部者の犯行ではないか」と尋ねています。(大学側はこれを否定しておりましたが、明確に調査をしたわけではないと思われます)

また、かりにマスコミが当初予想していたとおりの展開になっていた場合、つまり入試問題の漏えいは、ひとりの受験生による単独行為ではなく、複数人の関与する組織的な不正であり、しかも愉快犯であったとしたら、「逮捕は行き過ぎ」「大学側の監督責任はどうなのか」といった批判は現在されていたのでしょうか。19歳の浪人生の単独行為、しかもセンター試験の成績が芳しくなく、「合格したかった」という動機、そして逮捕後の素直な供述、といった報道で、ずいぶんと不正行為者に対する処罰感情が、国民こぞって萎えてしまったことに起因していないでしょうか(いわゆる、後出しじゃんけんで大学側を批判していないでしょうか)。

このあたりを検証することは、企業の社会的信用の毀損という「企業コンプライアンス」の本質を考えるにあたって、たいへん教訓となるものだと思いますが。もし京大新聞社による問題文検索の作業がなかったならば、果たして今回の騒動はなかったのではないか、他の3大学は、本当に指摘を受けるまで「入試問題の漏えい」の事実を知らなかったのだろうか、など色々と疑問は残っておりますが。。。

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