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英国でロイヤルウェディングを批判することは許されるか? 各国の不敬罪の今

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  • ヨーロッパの多くの君主制国家では、君主への批判を禁じる不敬罪が今もある
  • 英国には不敬罪がないものの、ロイヤルファミリーへの批判は総じて抑えられやすい
  • ただし、君主制そのものや王室関係者の言動に関する言論が全く排除されているわけでもない
  • 君主への敬意と表現の自由のバランス感覚は、伝統と自由の両立を目指す英国らしさの真髄といえる

 5月19日、英国王室ハリー王子とメーガン・マークルさんの結婚式が行われます。今回は、アフリカ系をルーツにもつメイガンさんの出自や女優としての経歴も関心を集めています。

 そんななか、君主制に反対する市民団体「リパブリック」は、結婚式の巨額の費用を貧困対策などに回すべきと主張し、ロイヤルウェディングに反対する抗議デモを行う予定です。これに対して、警察は警戒を強めています。

 英国では、表現の自由の発達とともに、君主への批判や侮辱を禁じる「不敬罪」が廃止されました。それでも全く自由というわけでもありませんが、英国では「良識の範囲内での」王室に関する意見の表明は、総じて容認されています

 一方、世界には不敬罪が存続している国もあり、その廃止や存続が政治問題となっている国もあります。表現の自由がこれまでになく発達した現代は、各国で不敬罪をめぐる問題を再燃させているのです。

王室批判への圧力

 英国での反ロイヤルウェディング運動は、これが初めてではありません。

 ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式が行われた2011年4月にも、これに反対するデモが発生しました。その中心にいたのは、英国の君主制の廃止を求め、1万4000人以上の支持者を抱えるリパブリックでした。

 このデモにはオランダやスウェーデンなど、君主制のヨーロッパ諸国から集まった運動家が合流したとみられます。彼らは自国でやはり君主制の廃止と(国家元首を選挙で選ぶ)共和制の導入を求めており、その多くは王室を維持するための税負担に異議を唱えています。

 デモの拡大により、警察は55人の参加者を逮捕。このなかには反王室的なプラカードを持っていただけで逮捕された人々も含まれます。翌年7月、裁判所は逮捕の合法性を認めました不敬罪がなくても、王室批判が規制されないわけでもありません

英国王室とメディア

 ただし、英国では王室批判が全く認められないわけでもありません

 2018年4月、有力紙ガーディアンは「親愛なるチャールズ皇太子へ 私の褐色の肌が私を英国人でなくするとお考えですか」と題するコラムを掲載。インド系の英国市民でジャーナリストのアニータ・セティ氏が、ある会合でチャールズ皇太子と言葉を交わした際のエピソードを紹介しています。

チャールズ皇太子「君はどこの出身なの」

セティ氏「マンチェスターです、英国の」

チャールズ皇太子「へぇ、そうはみえないね」

 そう言ってチャールズ皇太子は笑いながら立ち去り、別の出席者と会話を始めたといいます。多人種化が進む現在の英国でこの言動は、本人の意思にかかわらず、「差別的」ととられても仕方ないものです

 もっとも、英国王室関係者の差別的言動が報じられるのは、これが初めてではありません。特にチャールズ皇太子の父にあたるエディンバラ公は、オーストラリアで先住民に「まだ槍を投げているの?」と尋ね、カリブ海のケイマン諸島では住民に「君らの多くは海賊の子孫なのかい?」と尋ねるなど、その「失言」は枚挙にいとまがありません。

 王室のスポークスマンはこれらを「場を明るくするための冗談」と釈明しています。しかし、本人のつもりがどうであれ、少なくとも、これらの言動は不用意と言わざるを得ません。

 ここで重要なことは、これらが大手メディアで伝えられていることです。先述のコラムでセティ氏は「差別的」という表現をも用いて、明確にチャールズ皇太子の言動を批判しています。

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