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例外的取扱いが招く企業不祥事の教訓的事例

話題の林原社が会社法上の「大会社」に該当するにも関わらず、会社法で設置義務のある会計監査人を置いていなかった、と報じられております(私はてっきり公認会計士さんが粉飾を見逃している事例だとばかり思っておりましたが、会計監査人がそもそも設置されていなかった、ということのようであります)。会社法上の大会社でありながら、公認会計士(監査法人)さんの法定監査を受けていない非上場会社というのは、あまりめずらしくもないように思いますが(もちろん法令違反ですからいけませんよ〜笑)、ただメインバンクであります中国銀行さんが、林原社の計算関係書類に関する会計監査報告書を確認せず、また会計監査人が「誰か」ということの確認も(登記をもって)調査していなかった、というのは少し驚きであります(会計監査人の氏名は登記事項)。

中国銀行さんはきちんとした金融機関であり、事務リスクへの対処も厳格にチェックされていると思われますので、「会計監査人が登記事項とはだれも知らなかった」ことはないと思いますし、会計監査報告書の徴求についても、会社側からの口頭説明だけで「つい信用してしまった」という事態もちょっと想定できるものではございません。私は、むしろ中国銀行さんはきっちりとしたマニュアルをお持ちのはずで、ただ林原社が中国銀行の筆頭株主(10パーセント)であり、銀行さんと特殊な関係にあったがために、マニュアルの例外的取扱いが全社的に黙認されていた結果ではないか・・・と思いますが、いかがなものでしょうか(もちろん、私の推測でありますが)。昨年末になって、中国銀行さんがあわてて林原社の資産に担保を設定した・・・という報道にも、両社の特殊な関係が窺われているものと思われます。

産経新聞ニュースでも触れておられるように、「もし会計監査人の有無について、もっと早く銀行側が確認していれば、粉飾決算も早期に発見されていた可能性が高い」というのは(もちろん本当に発見できたかどうかは不明でありますが)、中国銀行さんにとっては重い不祥事として捉えるべき内容でありますが、こういった「内部統制の例外的取扱い」が不祥事を招くことは世間でも結構多いような気がいたします。大株主であり、また地元の名門企業と言われていた取引先であるがゆえに、社内で誰も疑問に思うところなく、例外的な取扱いが長年の慣行であったというのが真相ではないでしょうか。社長案件や専務案件、昔からの先代さんのお付き合いのあるお客さんなど、一般の新規案件であれば当然確認されるような信用情報についても、持ち込みが特殊なケースではノーマークで融資がなされるところだと思われます。このニュース、ドキっとされた銀行さんもあるんじゃないでしょうか?一笑に付すことができるような不祥事だとはちょっと思えないですね。

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