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政府は緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の試算結果を米軍だけに伝えていた!

国会の事故調査委員会は、2012年1月16日、政府の事故調査・検証委員会の畑村委員長や東京電力の事故調査委員会の委員長を務める山崎副社長らを参考人として招致 し、公開で初めての本格的な質疑を行いました。

この中で、文部科学省科学技術・学術政策局の渡辺次長は、放射性物質の拡散を予測する「SPEEDI」と呼ばれるシステムで、事故の直後に行った予測のデータについて、外務省を通じて直ちにアメリカ軍に提供していたことを明らかにしました。

アメリカ軍に提供した理由について、渡辺次長は「緊急事態に対応してもらう機関に、情報提供する一環として連絡した」と説明しました。

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(すごく役に立つSPEEDI(1)内部被曝の試算もできる。文部科学省緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)を活用した試算結果より

実は文科省も経産省の原子力安全・保安院も事故後数日の間に100回近くこのSPEEDIの記録を取り寄せていたのに、官邸にその報告を上げることはしませんでした。

 また、逆に、原子力安全委はこの間1回しか、SPEEDIの記録を見ていません。そのようにSPEEDIを使いこなせなかった安全委こそSPEEDIを機能させなかった張本人ともいえるでしょう。

無用な被ばくを避ける上で重要な避難や屋内退避、安定ヨウ素剤の服用など初期の放射線防護対策はこのため完全に後手に回りました。

政府は福島県民、日本国民にはSPEEDIの予測結果を知らせず、放射性ヨウ素で被ばくさせておいて、アメリカ軍にだけは知らせていたのです。

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(すごく役に立つSPEEDI(2)外部被曝の積算試算もできる原子力安全委資料より)


さて、日本人がちっとも避難できないでいた2011年3月17日、在日米大使館は早くも日本に滞在する米国市民に対し、放射能漏れ 事故が起きた福島第1原発の半径80キロ圏内から避難するか、安全に避難できない場合には屋内に退避するよう勧告しています。

事故後1週間のこのとき、日本政府は福島原発から20キロ以内に避難指示、20〜30キロに屋内退避指示を出しているのみでした。

米国政府が避難勧告を出した半径80キロ圏内は福島県の猪苗代湖以東のほぼ全域に当たり、福島市、郡山市、いわき市などが含まれています。

米国市民だけが正しい情報を得て、被ばくを最小限にすることができたのです。

この判断は、米原子力規制委員会(NRC)やエネルギー省などが、日本政府の発表情報や独自に収集した科学・技術情報について検討し、米国内に同様の状況が発生した場合に適用されるガイドラインに基づいてこうした勧告を出したとしていますが、この分析には当然、日本のSPEEDIの放射性物質拡散予測も利用されています。

福島原発被曝問題2半径80キロ以内の米市民にアメリカ政府が避難勧告イギリスは東京以北避難検討勧告


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文科省原子力安全課原子力防災ネットワークよりSPEEDIシステム

一体、日本政府は誰のために存在するのでしょうか。

日本国民のためですか?アメリカのためですか?

普天間基地移設問題でも、TPP問題でも、野田首相はアメリカの顔色ばかりうかがっています。

野田原発推進総理が米誌に来年夏の原発再稼働を明言アメリカ・原発べったりの首相は要らない


国民の了解を得ずになんでも公約する野田政権こそ独裁だ普天間、原発再稼働・輸出、消費税増税、TPP

 

確かに、アメリカ軍は東日本大震災発生以来、日本の復興に尽力しました。「トモダチ作戦」と名付けられ、最大人員約2万人、艦船約20隻、航空機約160機を投入。物資を被災地に運び、自衛隊とともに三陸沖で行方不明者を捜索しました。

しかし、福島原発事故では、アメリカ側は日本政府の情報はすべて得て、自国民だけ避難させ、アメリカが無人偵察機や人工衛星などで得た情報は軍事機密として、すべて日本政府に提供しているわけでもありません。

2012年12月29日付け毎日新聞「検証・大震災:トモダチ作戦米のアジア太平洋戦略、鮮明

「なんだか占領軍みたいで、どうも気になるのだが」。震災後しばらくしたあと、制服最高幹部の集まる防衛省内の非公式の会合で、そんな意見が表明 された。ウォルシュ司令官派遣に伴い、米太平洋軍がJTF(JointTaskForces)の司令部を米ハワイから東京・横田基地に移すとされたことに対する懸念だった。

太平洋地域で起きる有事・大規模災害に対処するための統合任務部隊の常設司令部だが、一部将官の目には「支援はしてくれるが米国流を押し通そうと する強圧的な組織」に映った。

とも報じています。

最近、普天間基地移設問題に関して親中派か親米派かという二者択一を迫り、親米派なら米軍基地を受け入れろという無茶な言論を目にしますが、ほとんど誰だって中国よりはアメリカの方がマシだと答えるでしょう。

しかし、本当に、アメリカは日本の真のトモダチですか。そもそもトモダチならなんでも我慢しないといけないの?

そして、アメリカだけをトモダチ扱いし、日本国民は踏みつけにする日本政府は、我々の友達ですか?


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