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尖閣沖衝突ビデオ隠しとSPEEDI予測の公表遅れ

緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による放射性物質の拡散予測データを、住民に公表する9日前に、外務省を通じて米軍に提供していたことを渡辺科学技術・学術政策局次長が明らかにしたといいます。藤村官房長官が「事実関係違うところがある」として文科省の最終報告を待つとしていますが、釈然としないものを感じます。


それが文部科学省が判断だったのか、内閣の指示によったものだったのかは明らかにされていませんが、住民への公表が遅れ、米軍への提供が先行したことは否定できず、いったいなにのためのシステムなのか、誰のために仕事をしているのか、誰のためにある政府なのかを疑わせます。緊急支援協力を得るためということなら、防衛庁などの関係先にも公表すべきだったので、理屈が通りません。

放射性物質の放出量を予測するシステムERSSと拡散を予測するSPEEDIの開発や運用にはあわせて300億円近くが使われたということですが、ほんとうに必要な緊急事態に使わなかったにせよ、あるいは使えなかったにせよ、無駄使いそのものになります。しかも当初は使えなかったとしていますが、米軍へはデータを提供していたことで矛盾を感じます。
放出量予測システムも使えず 想定の甘さ浮き彫り - 47NEWS(よんななニュース) :


情報隠しということで思い起こされるのは、尖閣の衝突ビデオを当時の仙谷官房長官が慎重に扱うとして公表しなかったことです。日中の政府間で事無く事態を収めることができると判断したのでしょうが、その判断の甘さが、中国政府が反日感情を煽り、国内の不満をそらすことに利用し、日中の国民感情の対立を招く結果につながりました。さらに中国漁船の不法な領海侵犯を常態化させてしまったのです。韓国の海洋警察官が不法な領海侵犯を行なっていた中国漁船の船員に殺傷された事件も、尖閣沖の漁船衝突事件と無縁だとは思えないのです。
こういった問題の解決は、国内のみならず、国際世論を味方につけるかどうかが問題解決の鍵になってくることは言うまでもありません。そのためには情報を公開する、事実を伝えることでしか望ましい世論は生まれてきません。

ケースは違っても、情報を公開しなかったことで、結果を悪くしたことは共通しています。またどちらも、芯になる精神を失い、緩んでしまっている体質、問題を小さく抑えようとする事なかれ主義を感じさせ、ため息がでてきます。情報隠しは民主党政権になって起こったことではなく、自民党政権時代から引きずっている問題ですが、そろそろ政治を国民に開かれたものにしていかなければ日本の将来の危うさを感じます。
SPEEDI予測の公表遅れ、外務省を通じて米軍に先行して情報提供した経緯については、文科省以外の第三者による充分な検証を行なってもらいたいものです。

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