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「銀行員の転職」が成功するための1つの条件。

銀行員の転職希望者が急増しているという。まあ、あれだけ急激な人員削減策を打ち出されれば、「売り手市場のいまのうちに」と考える人が多いのも自然だろう。そもそも、傍から見ていても「どうしてそんなに?」と思うほどの大量採用をしてきたわけだけれど、疑問に思う人はいなかったのだろうか?

では、いまの日本の銀行員が「よし、転職するぞ」と考えて果たしてどうなるのか?転職した先でキャリアを拓けるのか?

「優秀な人はどこへ行っても大丈夫」と言ってしまえばそれっきりだけど、銀行員の人は他の業界にはない「自分たちの癖」を知っておいた方がいいと思う。

いろいろな業界の人と仕事をしてきた感じだのだけれど、銀行員の人々の特徴として「疑うことを知らない」という人が多いと思うのだ。
銀行員は官僚型のピラミッド組織であるとは、よく言われる。しかし、公務員のような人たちは、自分たちが「官僚的である」ことを自覚した上で行動していると思う。「まあ自分たちは官僚だから」と諦める人もいるが、「官僚的であること超えよう」という人もそれなりにいる。

ところが、銀行員の人は官僚的であることに無自覚なんだなぁと思うことがある。日本の大手金融機関は、徹底的に、「型から入る」のだけれど、「型より出でる」ことができる人は少ない。

ただ、最近は「型に入る」のも大変なのかもしれない。自宅の近くにメガバンクの独身寮がある。先日の朝方、そこから出てきた男性どうしてこんな会話をしていた。

「あのさぁ~円高になると輸出と輸入のどっちにいいんだっけ?」

まあ、こういう人は相当少数だと思うんだけど、まず銀行員は型を知る。
そして、「型より出でる」ために必要なのは、まず「疑うこと」だ。転職で成功するなら

「自分の未来を徹底して疑ったかどうか?」

それが、ただ1つの条件だと思う。
銀行でも現在リーダーとなっている人は、他の人よりは「疑うこと」をしてきた人だろう。だからこそ、この激動の四半世紀をどうにか乗り切ってきたと思う。ところが、そのプロセスで起きた問題には共通点がある。「疑うこと」を知らない多くの人たちが、突っ走ってしまったのだ。
いまもまた起きているが、不正融資などの構造はみな同じだ。

先にも書いたが、例年の大量採用にしても今までは疑う人もいなかったし、いたとしても口に出せなかったか、外へ行ってしまったということだろう。

日本の銀行員は、知識も豊富で計数能力も高いし「優秀」である人は多い。自分でもそういう自覚があれば、転職も可能だと思うかもしれない。

ただし、その前に大切なことがあると思う。
入行してから今まで、どれだけの「疑うこと」をしてきたのか?別に銀行員に限らない。大企業に入った人が、外に出て成功するのは「自分と自社をどれだけ疑い、どれだけ考えたか」で決まると思う。もちろん、経歴だけで転職できることも多いけれど、それは結局「同じ電車の別の席に座りなおす」ようなもので、行き先は一緒だろう。

とはいえ、メガバンクは毎年大量の学生は囲い込んで大きな人材ダムをつくってきたことはたしかだ。そこから飛び出したプレイヤーが日本のビジネスシーンを変えていければ面白いと思うんだけど。

※『金融の世界史』を書かれた板谷敏彦氏は証券業界の出身だが、『日本人のための第一次世界大戦史』も、普通の歴史書とは異なる面白さがある。また『帳簿の世界史』も面白かった。『住友銀行秘史』は出てくる人物がことごとく「知り合いにもなりたくない人ばかり」という稀有な本だ。

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