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朝鮮戦争と日本の立場

 今年2月に韓国の平昌で開催された、冬季オリンピックへの北朝鮮の突然の参加表明から、朝鮮半島情勢が俄かに動き出した。その後あれよあれよという間に、3度目の南北首脳会談があり、米韓、中朝、日中韓会談、そしていよいよ6月12日にシンガポールで歴史的な米朝首脳会談が決定した。

 北朝鮮が核の放棄をはじめ、国際社会に脅威を与えない方向に進むのであれば、それは大変好ましいことだが、過去何回も約束を反故にされた歴史を考えると、今回こそムードに流されることなく、非核化実現のために沈着冷静に交渉を進めなければならない。

 北朝鮮の脅威を直接被る我が国としても、また拉致という主権が侵されている立場の我が国としても、このような急激な動きに置いていかれないよう、必死で首脳外交を展開し、存在感を示していかねばなるまい。しかし一方で、我が国の歴史から自ずとそれには限界があるのも事実だ。

 1950年に勃発した朝鮮戦争の際は我が国はまだGHQの占領下にあり、休戦協定が発効される一年前の1952年4月28日に、ようやく主権が回復したのである。国連に加盟できたのはさらに4年後の1956年である。つまり朝鮮戦争当時は残念ながら、我が国の国際社会における存在が極めて希薄だったと言えよう。

 今回の東アジアでの場面転換でもあの当時の構図が未だに残っているため、我が国が主たるプレイヤーになることは難しい。どんなに安倍政権が頑張っても、歴史の壁を乗り越えることは出来ない。むしろ我々はこの現実を踏まえた上で、焦ることなく国益を考えながら、一歩一歩着実にこの和平プロセスに足を踏み入れていくべきではないだろうか。

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