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北朝鮮問題と中米貿易戦争に見る中国の本音 - 高田勝巳 (株式会社アクアビジネスコンサルティング代表)

 ブラックジョークの短編がいつも意見交換する中国のエコノミストから送られてきた。南北両首脳が手を繋いで歩いて行くと韓国の文大統領の地面が抜けて悲鳴ともに奈落の底に落ち、北の金正恩は涼しい顔で戻ってくるとか言う、フェイク動画である。どうも、ここから、今回の南北の和解を冷ややかに見ている中国人の本音を垣間見ることができるようで、興味深かった。そこで、そのエコノミストに聞いた。

高田:
要するに韓国の文大統領も、金正恩にはめられるから気をつけろということを言いたいのだな?
金は、最初に中国を訪問し、中国は面子が立って良かったのではないのか?
日本は、全く相手にされず、韓国の大統領に仲介してもらっている有様だが?

エコノミスト:
中国は、全体としてみれば、面子が立つどころか、大いにルーズフェイスだ。
中国は、北朝鮮に影響力を及ぼせる国として、面子が立ってきたわけだから、それが実は違ったということが、国際社会で表面化し、金に「中抜き」されて、勝手にアメリカと商売を始められたと巷では言われているよ。もともと自分が総代理店と思っていたのに。
金が習近平と会った時の顔の表情を見たらわかるであろう。すごく、緊張していただろう。あれは、信頼関係がない証拠だよ。
これまで散々面子をズタズタにしてきて、よく合わす顔があったものだと思うよ。

[画像をブログで見る]

高田:
じゃー、習近平はある意味大人の対応だね。

エコノミスト:
無可奈何(如何ともしがたい)という気持ちであろう。
日本ではどう言われているの?
日本は全く当事者として相手にされていないとうのは確かだと思うけど。
北が、米国、中国、ロシア、韓国には仁義を切っているよね。日本にはないけど。

高田:
何が何だかわからなくなってきてるのではないかな?
そもそも、何でもトランプ頼りというのは、それは無理でしょう。自分のカードが見えないよね。
トランプが和解したら、資金は日本から出すように要求されるという人もいるし。
(まさに、前回のコラム『中国が米国に感謝するが、日本には感謝しない理由』で述べたモンゴルの話を同じで。)
資金だけ取られて、拉致問題でもうやむやにされたらもう最悪だね。
安倍政権は何をやっていたのだという話になると思うよ。

エコノミスト:
資金を出すことになったら、そこでしっかりビジネスチャンスをつかめばいいではないか?
これまで閉鎖された国がオープンすれば、きっと大きなビジネスチャンスがあるはず。
以外と日本は漁夫の利を得るかもしれないよ。

高田:
日本人の僕は、日本を悲観し、中国を楽観し、逆に中国人のあなたは、中国を悲観し、日本を楽観するいつものパターンだね。
ところで、米中貿易摩擦はどうなる? 僕は、これまで1年間掛けて準備した中国から米国に輸出するビジネスが頓挫して大いに困っている。
先週、米国のパートナーと話したら、彼らは、今後の両国の話し合いで、関税も25%とは限らず、5%とかで妥協する可能性もあると言っていたけどね。後、2〜3カ月様子を見ようということになっている。

エコノミスト:
まず、WTOの約束を守っていないのは中国なので、道理から言えば、米国が文句を言うことは間違っていないと思う。
日本も欧州各国も中国に文句言えないから、米国が言うしかないであろう。猫に鈴をつけるのは、米国ということ。
WTO加盟で市場開放するはずが、公共工事や国営企業の案件では、今でも表立って外資を外しているからね。
また、中国の製造業者は、実質、コスト=輸出価格で世界に物を売っているということだから。
中国は、コストで輸出しても、17%の輸出増値税は還付されるので、その17%がそのまま企業の利益という構造だからね。世界は文句言うでしょう。

高田:
WTOの約束を守れないのであれば脱退すればいいではないか?

エコノミスト:
それはないでしょう。
これまで十分メリットを享受してきて。
だから、脱退ではなく、ルールを調整する方向なのではないかな。
エコノミストとしては、中国がよりオープンな経済体制になることが望ましいと思うから、米国の圧力は中国にとっても決して悪いことばかりではないと思っている。
ところで今回、習近平がすぐにさらなる外資に対する規制緩和を宣言したのだから、高田にとってもビジネスチャンスになるのではないか?

高田:
どうかね。これまでも開放とか言って、期待させられても、結局ネガティブリストなるものができてて骨抜きされたり、仮に規制緩和されても、いろいろな補助金や助成をもらえる内資企業と比べて不利かもしれないし、今後の推移を見ないと何とも言えないね。ただ、今回、習近平政権の権力基盤が盤石になったとすれば、政策の柔軟性は増えると思うので、そういう意味では期待している部分もある。

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