記事
- 2010年12月15日 02:24
業界トップ・ヤマダ電機のCSR経営への熱き思い(?)
ひさしぶりの「コンプライアンス経営はむずかしい」シリーズでありますが、業界大手のヤマダ電機さんが、日経ビジネス誌上「お客様満足度ランキング最下位」と報じられたことで名誉をいたく傷つけられたとして、日経BP社を相手に損害賠償請求訴訟を提起していたそうであります(裁判自体、私は存じ上げませんでしたが)。そして12月14日、東京地裁はヤマダ電機さんの請求を棄却する判決を下したようです。(読売新聞ニュースはこちら)
法人にも(不法行為に基づく)名誉毀損は成り立つ・・・というのが判例通説でありますので、5500万円分の社会的信用を毀損された、とするヤマダ電機さんの気持ちもわからないではありません。ましてや世は正にCSR経営の時代。家電量販店にとりましてステークホルダーの中心にある顧客様へのアフターサービスが最下位・・・という評価を「天下の日経ビジネス誌」で公表されたとなると、これはエライ痛手でありますし、ヤマダ電機さんは企業としての社会的責任をまったく果たしていない、と評されているに等しいものでありますので、「闘うコンプライアンス」の必要性も十分に認められるように思われます。
ただ、どうでしょうか。。。皆様がもし、ヤマダ電機さんの経営者だとしたら、「何を書いとるんや!」と怒り心頭で訴訟を提起するでしょうか??私はかなり悩みますよね。法人の社会的評価(信用)を毀損するに足りるほどの具体的な事実の摘示を原告であるヤマダ電機さんのほうで主張・立証する必要があるわけですが、そもそも顧客の満足度・・・というのは、お客様の主観的な評価にすぎないわけでして、たとえば顧客がブログで「ヤマダ電機はアフターサービスが悪い」と書いたとしても、それは個人の主観的な嗜好の問題であって、名誉毀損は成り立たないものと思います。そういった満足度をマスコミがアンケートで集計して、その結果を公表する、ということになりますと、「ヤマダのサービスが悪い、という人がたくさん存在する」ということが具体的な事実になりそうであります。ただ「集計作業」はかならず1番から最下位まで順位が必然的についてしまうものでありますから、マスコミが集計結果を意図的に作り上げなければ名誉侵害行為と評価することはできないようにも思われます。この世の中にヤマダ電機の顧客満足度が悪いと考えている人がたくさんいる・・・という具体的な事実に何らの根拠もない、という点の立証はかなり困難ではないかと想像いたします。
いずれにしましても、この東京地裁の判断をみてもわかるように、決してヤマダ電機側に明らかに(一方的に)正義があるわけではなく、敗訴の可能性はあるわけでして、こういった状況で裁判を起こすことは、かえって、「ホントだ。ヤマダ電機のアフターサービスの悪さは、裁判で証明されたのだ。あれは真実だったのだ」といった一般市民の認識を増幅させてしまう結果になるのではないかと。これはかなりマズイなぁと思うのでありますが。ましてや、相手は日経BP社であり、相手が敗訴すれば最高裁までとことん争う筋の裁判ですよね。おそらく著名な裁判例になると思いますし、先の読売新聞ニュースではすでに「ヤマダ電機満足度最下位訴訟」といったネーミングまでされてしまうわけであります。つまり、これから10年も20年も先まで「ヤマダ電機最下位訴訟」なる事件名で、幾度も紹介されることになるわけですから、どうもCSRの時代において、トホホな判例を形成してしまったのではないか、と危惧いたします。これは高裁で逆転判決が出たとしても、完全にヤマダ電機さんの名誉が回復されるわけではなく、どっちかといいますと、「ヤマダ電機顧客満足度最下位」のネーミングが一般国民の脳裏に焼き付いてしまうように思います。
押しも押されぬ業界トップのヤマダ電機さんですから、週刊ダイヤモンドや、日経ビジネスなどの売れ筋企画「●●ランキング」で○○部門最下位になったとしても、悠然と構えていることはできなかったのでしょうかね?少なくとも、日経BP社の悪意が明確でない以上は、「ちょっとうちの会社も反省すべき点があるのではないか」と真摯に受け止める、ということもできなかったのでしょうか?それとも「ウチに何かいちゃもんつけてくる奴は、みんなこういう目にあうぜ」といった一般予防的効果を狙ったものなのかもしれません。(これならとくに勝訴しなくても、それなりの効果はあるかと・・・)
ひょっとすると、裁判に至るまでになにか伏線があったのかもしれません。企業のCSRに関連する問題であるがゆえに、今回のヤマダ電機さんの訴訟につきまして、コンプライアンスの視点からは結構悩ましい事例であるように思えました。今後の展開に注目しておきたいところであります。
法人にも(不法行為に基づく)名誉毀損は成り立つ・・・というのが判例通説でありますので、5500万円分の社会的信用を毀損された、とするヤマダ電機さんの気持ちもわからないではありません。ましてや世は正にCSR経営の時代。家電量販店にとりましてステークホルダーの中心にある顧客様へのアフターサービスが最下位・・・という評価を「天下の日経ビジネス誌」で公表されたとなると、これはエライ痛手でありますし、ヤマダ電機さんは企業としての社会的責任をまったく果たしていない、と評されているに等しいものでありますので、「闘うコンプライアンス」の必要性も十分に認められるように思われます。
ただ、どうでしょうか。。。皆様がもし、ヤマダ電機さんの経営者だとしたら、「何を書いとるんや!」と怒り心頭で訴訟を提起するでしょうか??私はかなり悩みますよね。法人の社会的評価(信用)を毀損するに足りるほどの具体的な事実の摘示を原告であるヤマダ電機さんのほうで主張・立証する必要があるわけですが、そもそも顧客の満足度・・・というのは、お客様の主観的な評価にすぎないわけでして、たとえば顧客がブログで「ヤマダ電機はアフターサービスが悪い」と書いたとしても、それは個人の主観的な嗜好の問題であって、名誉毀損は成り立たないものと思います。そういった満足度をマスコミがアンケートで集計して、その結果を公表する、ということになりますと、「ヤマダのサービスが悪い、という人がたくさん存在する」ということが具体的な事実になりそうであります。ただ「集計作業」はかならず1番から最下位まで順位が必然的についてしまうものでありますから、マスコミが集計結果を意図的に作り上げなければ名誉侵害行為と評価することはできないようにも思われます。この世の中にヤマダ電機の顧客満足度が悪いと考えている人がたくさんいる・・・という具体的な事実に何らの根拠もない、という点の立証はかなり困難ではないかと想像いたします。
いずれにしましても、この東京地裁の判断をみてもわかるように、決してヤマダ電機側に明らかに(一方的に)正義があるわけではなく、敗訴の可能性はあるわけでして、こういった状況で裁判を起こすことは、かえって、「ホントだ。ヤマダ電機のアフターサービスの悪さは、裁判で証明されたのだ。あれは真実だったのだ」といった一般市民の認識を増幅させてしまう結果になるのではないかと。これはかなりマズイなぁと思うのでありますが。ましてや、相手は日経BP社であり、相手が敗訴すれば最高裁までとことん争う筋の裁判ですよね。おそらく著名な裁判例になると思いますし、先の読売新聞ニュースではすでに「ヤマダ電機満足度最下位訴訟」といったネーミングまでされてしまうわけであります。つまり、これから10年も20年も先まで「ヤマダ電機最下位訴訟」なる事件名で、幾度も紹介されることになるわけですから、どうもCSRの時代において、トホホな判例を形成してしまったのではないか、と危惧いたします。これは高裁で逆転判決が出たとしても、完全にヤマダ電機さんの名誉が回復されるわけではなく、どっちかといいますと、「ヤマダ電機顧客満足度最下位」のネーミングが一般国民の脳裏に焼き付いてしまうように思います。
押しも押されぬ業界トップのヤマダ電機さんですから、週刊ダイヤモンドや、日経ビジネスなどの売れ筋企画「●●ランキング」で○○部門最下位になったとしても、悠然と構えていることはできなかったのでしょうかね?少なくとも、日経BP社の悪意が明確でない以上は、「ちょっとうちの会社も反省すべき点があるのではないか」と真摯に受け止める、ということもできなかったのでしょうか?それとも「ウチに何かいちゃもんつけてくる奴は、みんなこういう目にあうぜ」といった一般予防的効果を狙ったものなのかもしれません。(これならとくに勝訴しなくても、それなりの効果はあるかと・・・)
ひょっとすると、裁判に至るまでになにか伏線があったのかもしれません。企業のCSRに関連する問題であるがゆえに、今回のヤマダ電機さんの訴訟につきまして、コンプライアンスの視点からは結構悩ましい事例であるように思えました。今後の展開に注目しておきたいところであります。



