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新人ってどうして空気が読めないの?と思った時に読む話

今週のメルマガの前半部の紹介です。先日、新人と社会人のジェネレーションギャップに関する調査結果が話題となりました。新社会人から見ると職場は知らない常識にあふれ、先輩から見ると新社会人はとても不思議な生き物に見えるとのこと。

【参考リンク】新人VS.先輩 会社で「びっくり体験」ランキング

こうしたジェネレーションギャップはどこから生じるものなんでしょうか?良い機会なのでまとめておきましょう。それは10年後のキャリアを考える上でのよき指標となるはずです。

足踏みする組織、前進し続ける個人

まず新社会人が感じる驚きですが、これはもう何十年も前から共通して存在しているものと言っていいでしょう。(有休取得や退社時間に)就業規則とは違う暗黙のルールがあって空気を読まないといけない、仕事の進め方がアナログ的かつ生産性度外視等、日本企業風物詩と言ってもいいほどです。

筆者自身20年ほど前の新人時代にはいろいろ衝撃を受けた記憶があります。連休中に一日だけ平日がはさまっていて「すいません特に仕事ないんで有休使ってもよいでしょうか」と言ったら「馬鹿野郎!3年目まで有休使っていいのは親か兄弟が死んだ時だけだ!」って言われたのは今では微笑ましい思い出ですね。

あとは17時に仕事終わったんで定時で帰ろうとしたら「馬鹿野郎!総合職は少なくとも20時までは席に残ってるもんだ!定時で帰っていいのは一般職と派遣さんだけだ!」っていうのもありましたね。ちなみにこの「雇用形態ごとの暗黙の退社可能時間」なるものは各社各職場によりますけど総合職だと21時とか22時とかザラですね。

その時間が近づいたらみんなチラチラ横を確認しつつ出過ぎぬように「じゃ、私はそろそろ……」みたいな感じでさくっと身を退くのが正しい日本式の退社方法であります。というと外資の人なんかは「え?だって仕事量には波があるでしょ?早く終わった時はどうするの?」なんて真顔で聞いてきますが、暗黙の退社可能時間に合わせてペース落として調整するのが日本式の美しいワークスタイルであります。新人が驚いたこと第5位に「仕事をダラダラやる」とばっちり出てますけど日本企業で働く以上はそういうもんだと思ってあきらめましょう。こんな雇用慣習維持したまま労働生産性云々を議論するのは野暮というもんです。

では、なぜ日本企業にはそうした一般社会とは異なる独自のルールが存在するのでしょうか。それは、そうした日本企業が人材の出入りを前提としない閉じたムラ社会だからです。職務内容を契約で定める労働者と違い、ムラ型組織の従業員は組織と一心同体、転勤も担当業務も指示されれば何でもやる“正社員身分”の一員となります。だから「自分の担当分しかやらない」という姿勢は許されず、出来るだけ多くの労働力をいつでも提供できるよう職場でスタンバっていることが要求されます。「大雪が降っても職場に行かないといけない」とか「早く終わっても追加で仕事が降ってくる」というのはここに根っこがあるわけです。

「仕事のマニュアルがない」というのも同じですね。人が辞めない前提だから、業務を標準化したりマニュアル化しておく必要がないわけです。じっくり個人が頭の中にノウハウを作り上げ、後任はそれを傍で見て盗むわけです。長期間かけて技を継承していた職人そのものです。

そういう意味では、一般社会で育ってきた新社会人と、閉じたムラ社会である企業とのギャップは過去数十年間ずっと存在したけれども、一定の軋轢を経たうえで新人が企業サイドに無事に染められてきた、と言えるでしょう。

では2018年以降の新人も、やはり従来の企業文化に染まるべきなんでしょうか。筆者はそうは思いません。いくつかの理由からそれはもう不可能だと考えるからです。まず、人手不足が深刻化し労働生産性も低迷する日本で、「暗黙の退社可能時間までチンタラ仕事する」だの「雪で電車止まってんのに“いざ鎌倉”ではせ参じる」といったワークスタイルを維持する余裕はありません。業務プロセスにしても年々若者が減少する以上、様々な年代の人を転職市場からその都度リクルートできるよう、標準化、マニュアル化は不可避でしょう。

なにより、これ以上の社会の進化に目をつぶるのは企業にとって自殺行為でしかありません。上の世代から見た新人が風変わりに見えるのは、多くの場合、新たなサービスやテクノロジーを通じて彼らが上の世代より進化しているためです。それを拒否し続ける企業に未来はあるでしょうか。

ちょっと想像してみてください。「みな空気を読み合って夜遅くまで残業し、夏場は半袖Yシャツ姿のオジサンであふれる会社」と「各人が明確化された担当業務を裁量をもって効率的に進め、構成は老若男女様々で夏場はポロシャツOKな会社」があったとして、10年後に生き残っている会社はどちらでしょうか。自分の子どもにすすめたい職場はどちらでしょうか。聞くまでもありませんね。

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