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トランプ大統領は外交「硬者」

トランプ大統領は外交において巧者ならぬ「硬者」のようです。規制路線を一旦ぶち壊し、自分流のシナリオに書き換える強引さがあります。NAFTA、FTA、パリ協定、TPP、そして今日発表されたイラン核合意も見直しとなればようやく作り上げた関係はどうなるのか、と不安だらけでしょう。

トランプ大統領のモノの見方とは取引には必ず緩みや隙間がある、そこをもう一度点検して締めなおす、という単純スタンスに見えます。日本企業が最も得意としているカイゼン、改革の政治版と捉えてよいのでしょう。そういう意味では恐ろしく歴代の大統領と違い、やりにくい相手と映るはずです。

トランプ大統領と対峙しなくてはいけないのは主に国家元首。その中で興味があるのは驚きの二度目の訪中をした金正恩委員長とそれを迎え入れた習近平国家主席の心境であります。

私が感じる両者の心の会話は
金正恩委員長 同じ負け戦でもTKOではなくてせめて15ラウンドまで戦いたい。
習近平国家主席 止めておけ。手を緩める相手ではない。1ラウンド目からパンチが炸裂するぞ
金 しかし、兄貴、俺には核がある。それが俺の切り札…
習 そんなもので脅してみろ。アメリカは北朝鮮を本気で潰すぞ。核はさっさと廃棄して経済制裁を解除してもらう方が身のためだ。

と習氏は金氏を諭す一方、中国に攻め込む経済制裁の嵐をどう収めるか、そちらの方が気になり、本心は金氏にあらず、という感じかもしれません。

事実、先週、アメリカのムニューシン、ライトハイザー、ロスら閣僚級通商交渉団が中国を訪問し、ガチガチの交渉をしていますが、完全物別れ。しかし、アメリカの強硬な姿勢は一切変わらず、中国は継続交渉とすることが精一杯でありました。

その間、アメリカで第4位、中国で9位の中国の大手携帯メーカー、ZTEがアメリカの度重なる警告にもかかわらず輸禁国に携帯電話などを輸出していたとしてアメリカがZTE社との取引を禁止したことを受け、同社が部品の供給を受けられず事実上、営業活動がストップしました。

これはアメリカが演じる見せしめ以外の何物でもありません。今後も通商交渉がうまくいかなければ何かに理由をつけて強力な圧力をかけてくることは目に見えており、戦意すら喪失させる状況にあります。

懸案のアメリカと中国の通商交渉ですが、個人的にはアメリカが交渉有利とみています。勿論、将来的な巻き返しはあるのかもしれませんが、ここは中国が譲歩せざるを得ないとみています。

ところでここにきて中国が日本に接近しています。特に李克強首相が現在来日していますが、中国首脳としては7年ぶりとなります。近くて遠かった国、ということかと思いますが、中国の日本への姿勢が若干軟化している感は確かにあります。何故でしょうか?

個人的にはやりにくいトランプ大統領に近い安倍首相を取り込むことと中国としては今、これ以上の敵を作れないという意味で「敵の味方を自分の味方につける」戦略に出たように見えます。もう一つ、深読みかもしれませんが、安倍首相の賞味期限を考えたかもしれません。万が一、安倍首相の三選がないならば今のうちに関係改善の土壌を作っておくというしたたかさぐらいは持っているでしょう。

このあたりの外交的取引もトランプ効果からきているとすれば外交素人のはずのトランプ大統領は急速にその力をつけているのかもしれません。侮れません。

では今日はこのぐらいで。

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