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- 2012年01月16日 10:26
資金運用の損失をひた隠す中国
中国は、オリンパスのようなもんだ!なんて言ったら、皆さんはどう思われるでしょうか?
「中国がオリンパスのようだなんて、なんのこっちゃいな?」
ここで笑わないと、もう笑うところはありませんよ。
何故中国はオリンパスと似ているのか?
オリンパスは、本業はしっかりしていたが、余資運用で多額の損失を被り、それを長年隠ぺいしてきた。
では、中国は?
11月と12月の中国の外貨準備が減少したことが先日公表されたところです。ご存知ですよね?詳しく言えば、昨年の10月には3兆27百億ドルあった外貨準備が、11月と12月の2か月間で926億ドル減少した、と。そして、こうした外貨準備が減少するのは、10年以上もなかったことなのだ、と。
で、このブログでも言及したところですが、メディアのなかには、外貨準備の減少は、ユーロ危機の煽りを受け、中国から海外に流出する資本の動きが起きていることを背景に人民元安の圧力がかかり、それを食い止めるために中国当局が、人民元買い・ドル売りの動きに乗り出したために、外貨準備が減少したのではないか‥なんてことが報道されているのです。そうNHKさんと日経さんが言っていたのでした。
でもね‥既に私が述べたとおり、確かに一時的な為替の乱高下を均すために当局が人民元を買い支えることがあったにしても、それが主因で外貨準備が減っていると考えることは適当ではないと思うのです。
では、何が主因なのか?
波風が立たない言い方をすれば、ユーロの価値が対ドルでその間低下したために、中国当局が保有するユーロ建て資産が減少した、と。
「波風が立つ言い方では?」
中国の資金運用が裏目に出て、ユーロの価値の低下のために大損を被った、とでも言うべきでしょうか?
「でも、そんなこと少しも報じられていないけど‥」
では、聞きますが、オリンパスの件は以前から報じられていたのか?
それに‥
「それに?」
中国は、ユーロ圏諸国の国債を保有していると思われますが、ちゃんと時価評価しているのか、と。例えば、もし中国がギリシャ国債を保有していたとして、それをちゃんと時価評価しているのか?ギリシャの国債は50%の元本が削減される計画になっているのですが、ちゃんとそれを織り込んでいるのか?
つまり、中国の損失はまだ増える可能性があるのです。
ところで、何年か前に、日本でもソブリンファンドを創設して、もっと積極的に外貨準備を運用してはどうかなんてことが盛んに提唱されたことがあったのです。覚えています?日曜の朝にテレビに登場していた竹村氏などがしつこく主張していました。そして、中国は、当時財務長官であったゴールドマンサックス出身のポールソン氏の勧めに応じて、積極的な資金運用に乗り出したことを憶えておいででしょうか?
しかし、そうやって中国が資金運用に積極的になって間もなく、リーマンショックが起きた、と。
その結果、中国がどれだけの損失を被ったのか?
詳細は明らかにされないのです。そして、今回の外貨準備の減少についても、中身は公表されていないのです。
明らかにしたら、資金運用が失敗したことが分かってしまうので、黙っているということでしょう。
でも、中国のために一言。全ての資金運用が失敗してる訳ではないのです。ロットはまだまだ小さいながらも、円建ての資産、例えば日本国債に投資した分は、最近の円高が大きく貢献し、かなり儲けているはずであるのです。
今、人民元の国際的な通貨としての地位を高めようとやっきになっている中国ですが、こうした面においてももっともっと情報公開に努めないことには、人民元の国際化が進むことはないのではないでしょうか。
「中国がオリンパスのようだなんて、なんのこっちゃいな?」
ここで笑わないと、もう笑うところはありませんよ。
何故中国はオリンパスと似ているのか?
オリンパスは、本業はしっかりしていたが、余資運用で多額の損失を被り、それを長年隠ぺいしてきた。
では、中国は?
11月と12月の中国の外貨準備が減少したことが先日公表されたところです。ご存知ですよね?詳しく言えば、昨年の10月には3兆27百億ドルあった外貨準備が、11月と12月の2か月間で926億ドル減少した、と。そして、こうした外貨準備が減少するのは、10年以上もなかったことなのだ、と。
で、このブログでも言及したところですが、メディアのなかには、外貨準備の減少は、ユーロ危機の煽りを受け、中国から海外に流出する資本の動きが起きていることを背景に人民元安の圧力がかかり、それを食い止めるために中国当局が、人民元買い・ドル売りの動きに乗り出したために、外貨準備が減少したのではないか‥なんてことが報道されているのです。そうNHKさんと日経さんが言っていたのでした。
でもね‥既に私が述べたとおり、確かに一時的な為替の乱高下を均すために当局が人民元を買い支えることがあったにしても、それが主因で外貨準備が減っていると考えることは適当ではないと思うのです。
では、何が主因なのか?
波風が立たない言い方をすれば、ユーロの価値が対ドルでその間低下したために、中国当局が保有するユーロ建て資産が減少した、と。
「波風が立つ言い方では?」
中国の資金運用が裏目に出て、ユーロの価値の低下のために大損を被った、とでも言うべきでしょうか?
「でも、そんなこと少しも報じられていないけど‥」
では、聞きますが、オリンパスの件は以前から報じられていたのか?
それに‥
「それに?」
中国は、ユーロ圏諸国の国債を保有していると思われますが、ちゃんと時価評価しているのか、と。例えば、もし中国がギリシャ国債を保有していたとして、それをちゃんと時価評価しているのか?ギリシャの国債は50%の元本が削減される計画になっているのですが、ちゃんとそれを織り込んでいるのか?
つまり、中国の損失はまだ増える可能性があるのです。
ところで、何年か前に、日本でもソブリンファンドを創設して、もっと積極的に外貨準備を運用してはどうかなんてことが盛んに提唱されたことがあったのです。覚えています?日曜の朝にテレビに登場していた竹村氏などがしつこく主張していました。そして、中国は、当時財務長官であったゴールドマンサックス出身のポールソン氏の勧めに応じて、積極的な資金運用に乗り出したことを憶えておいででしょうか?
しかし、そうやって中国が資金運用に積極的になって間もなく、リーマンショックが起きた、と。
その結果、中国がどれだけの損失を被ったのか?
詳細は明らかにされないのです。そして、今回の外貨準備の減少についても、中身は公表されていないのです。
明らかにしたら、資金運用が失敗したことが分かってしまうので、黙っているということでしょう。
でも、中国のために一言。全ての資金運用が失敗してる訳ではないのです。ロットはまだまだ小さいながらも、円建ての資産、例えば日本国債に投資した分は、最近の円高が大きく貢献し、かなり儲けているはずであるのです。
今、人民元の国際的な通貨としての地位を高めようとやっきになっている中国ですが、こうした面においてももっともっと情報公開に努めないことには、人民元の国際化が進むことはないのではないでしょうか。