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【読書感想】君たちはどう生きるか

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君たちはどう生きるか

君たちはどう生きるか

内容紹介
40万部突破!

字も大きい、現代仮名遣いで、
原作が一番読みやすい新装版!

池上彰さんも子供時代に感動!
日本を代表する歴史的名著が、
マンガ化と同時に読みやすい新装版で刊行!
漫画版と同じ羽賀翔一さんの挿絵入り

「ヒューマニズムに根差した良い本は、
時代を超えて人々の心をつかむのです」
(ジャーナリスト/池上彰さん)

1937年に出版されて以来、数多くの人に読み継がれてきた、
吉野源三郎さんの名作「君たちはどう生きるか」。
今回前書きを書いてくださった池上さんも、
小学生時代に、父親から渡された当初は
読もうとしなかったのですが、気がつくと夢中になって
どんどん読み進んでいたと言います。
人間としてどう生きればいいのか、楽しく読んでいるうちに
自然と考えるように書かれた本書は、子供はもちろん
多くの大人たちにも共感をもって迎えられてきました。
勇気、いじめ、貧困、格差、教養、、、
昔も今も変わらない人生のテーマに真摯に向き合う
主人公のコペル君と叔父さん。
二人の姿勢には、数多くの生き方の指針となる言葉が示されています。
活字も大きくなった読みやすい新装版で、
ぜひ、色褪せない名作の面白さを堪能してください。
《全国学校図書館協議会選定図書》


 「時代をこえた名著」として、2018年の1月にNHKの『クローズアップ現代+』で採りあげられたり、池上彰さんが『100分de名著』の別冊でこの本を紹介したりということもあって、漫画版もあわせて、ものすごくこの本が売れている、ということは聞いていたのです。
 しかしながら、あまりにもストレートで説教くさいタイトルと、1937年に出版されたけっこう古い本ということで、僕は長い間二の足を踏んでいました。
 それでも、これだけ売れて、話題になっているからには、それなりの理由もあるのだろう、と思い、手にとってみたのです。

www.nhk.or.jp

 読みながら、僕はずっと考えていました。
 ああ、これを僕の子供たちに読ませたい。
 ただ、僕自身の経験上、子供がいちばん読みたくないのは、親と文部科学省が薦める本なんですよね。
 いかにも「道徳の本」っぽい雰囲気だし。

 この本について、池上彰さんは、前述の『クローズアップ現代+』のなかで、こう仰っています。

「(80年前は)同調圧力のような、ちょっとでも政府の方針に違反すると、売国奴とか非国民とか、そういうことを言われるようになってきた重苦しい雰囲気。今なにか政府の批判をすると、それだけで反日とレッテルをはられてしまう。ネットですぐ炎上したり、なんとなく若者も空気を読む。まわりを見て忖度(そんたく)をして、という形で息苦しい思い。(原作が出版された)当時と、共通したようなものがあるのかなと思う。」


 池上さんは現在60代後半ですから、太平洋戦争時代の日本を体験してはいないわけで(僕が知らない、戦後の食糧難や高度成長に関しては、鮮明に記憶しておられると思います)、池上さんにとっても「昔の本」「古い内容」のはずなのに、ものすごく高く評価されているんですよね。

 この本は、そもそも1937年(昭和11)年7月に発行されました。「日本少国民文庫」全16巻シリーズの最後の刊行だったのです。
 この時期は、中国大陸で盧溝橋事件が起き、日本が日中戦争の泥沼に入っていくときでした。日本国内では軍国主義が進み、社会主義的な思想の持ち主はもちろんのこと、リベラルな考え方の人まで弾圧された時代です。
 一方、ヨーロッパでは、ドイツにヒトラーは、イタリアにムッソリーニが登場。ヨーロッパはキナ臭くなっていきます。まもなく第二次世界大戦が始まろうとしていました。
 そんな時代だからこそ、偏狭な国粋主義者ではなく、ヒューマニズムに根差し、自分の頭で考えられる子どもたちに育てたい。そんな思いから、吉野氏は、この本に着手したのです。
 戦前に発行されたにもかかわらず、戦後も売れ続けます。いや、むしろ戦後になった方がよく売れるようになったと行っても過言ではありません。ヒューマニズムに根差した良い本は、時代を超えて人々の心をつかむのです。

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