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航空管制官に対する有罪判決(最高裁)と技術者倫理

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今回、宮川裁判長は政策論・立法論からみても、今回のような事案で刑事処罰を求めないことは現代社会の国民の常識にかなうものでなない、と指摘しておられます。しかしアメリカ社会では、技術者倫理協会が技術者の誠実義務(真実義務)を規定し、内部告発を義務付けていることや、関係者に刑事免責を表明して事故原因究明のために供述を求める、といったことが実際に行われていることからしますと、やはり事故調査を行う専門的機関と捜査機関との協力関係は、思っているほどやさしいものではないように感じます。それとも、日本はアメリカよりも会社関係者は誠実であり、刑事責任を負担するリスクがあったとしても、誠実に原因究明のための事実を語るものである、という土壌がきちんと存在する、ということなのでしょうか。

要するに、大きな事故が発生するような場合、一番「過失」責任を負わせやすいところで刑事責任を問い、その他の関係者は真相を語らず、それで事故原因の真相が明らかにならずに調査終了となれば、一番被害を被るのは再発防止策が十分に検討されず、繰り返される事故のリスクを抱える国民ではないのか、と思います。被害者の方々の目が刑事責任に注がれることは当然のことと思いますが、はたして一般の国民の目が、事件の真相究明と引き換えに誰かに刑事責任を追及することに注がれている(それが社会常識)と言えるのでしょうか。コンプライアンスは、単に「法令遵守」を意味するのではなく、企業が社会的な責任を負うことへ向けられるようになっている現実の流れについても考慮すべきではないのか、と思うところであります。法令遵守のために関係者は注意義務を尽くせばかならず不祥事を防ぐことができる・・・という考え方よりも、どのような場面においても不祥事は必ず発生する、という考え方を前提として企業のリスク管理を重視するほうが妥当ではないかと考えております。

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