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「もめごとも乗り越えれば二人の宝物」連休中の夫婦喧嘩をプラスに変える2つの心得

積もり積もった負のエネルギーが爆発する

年末年始とお盆、そしてGWのあとには、私の運営する「パパの悩み相談横丁」には、パパからの相談が増えます。たいていは夫婦間のトラブルに関する相談です。なぜでしょう。

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いつもなら「忙しいから」とスルーしていることも、連休で四六時中一緒にいるからこそ、「だいたいあなたはいつも……」とか、「実は前から気になっていたんだけどさあ」などと、表面化しやすいのです。

それが旅行中なんかに勃発すると、せっかくの家族の楽しい思い出が台無しに。「たまの休みなのに、なんでこんな思いをしなくちゃいけないのか」と、悲しくなります。あるいは「なぜあそこで我慢できずにあんな言い方しちゃったんだろう」と、自己嫌悪に陥ることもあります。こんな思いをするくらいなら、連休なんてとらないで、家族バラバラに過ごせば良かったなんて思ってしまったりもします。

でも、それって、連休が悪いわけじゃないんです。夫婦のどちらかが悪いわけでもありません。

どんなに愛し合って結婚した二人でも、いっしょに生活をしていれば、必ず毎日少しずつズレが生じます。だから毎日目を見て会話して、相手を思いやって、その都度ズレを解消することが大切なのです。

でもお互いに忙しい日々が続くと、小さなズレを解消できないまま、歪みが大きくなり、いつか大爆発を起こします。地震が起こるメカニズムと同じです。

つまり、連休という機会があったからこそ、それまで溜まりに溜まっていた負のエネルギーを一気に放出できたわけであり、連休がなければそのエネルギーが温存され続け、いつか取り返しの付かない大地震を起こしていたかもしれないのです。

どちらか一方が心の余裕をなくしても、もう片方に余裕があれば、ストレスを受け止めて癒やしてあげることができるはずなのですが、二人とも余裕をなくした状態が続くときが危険なのです。そして子育て中は、得てしてそうなりがちです。連休をきっかけに、そのことに気付くことができたのだととらえ、夫婦関係を見直しましょう。


夫婦喧嘩は「勝とうとしない」「まとめようとしない」

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いままで見て見ぬ振りをしてきた夫婦の課題に目を向けることは、お互いにしんどいことです。でもそこで逃げたら夫婦はおしまい。せっかくですからこの機会に徹底的にやり合いましょう。徹底的に「建設的夫婦喧嘩」をするのです。

もちろん喧嘩には、お互いの言い分があると思います。でも「建設的夫婦喧嘩」の第一の心得は「勝とうとしない」ことです。

夫婦は運命共同体。喧嘩に勝って一瞬の優越感を覚えたところで、あとに待っているのはいつ終わるかわからない沈黙という気まずい仕返しだったりするわけです。相手をたたきのめすことにエネルギーを使う代わりに、二人の間にある共通の課題を解決する方法を二人で出し合うブレスト会議のような気分でのぞみましょう。

第二の心得は「無理にまとめようとしない」です。

そもそも、短期間の感情的な言い合いの中でお互いが納得できる落としどころを見つけるなんて不可能です。無理にまとめようとするから余計に話がこじれるのです。

夫婦喧嘩の目的は、相手をたたきのめすことではなく、その先にある相互理解。相互理解とは、相手の意見に自分を合わせることでも、自分の意見に相手を合わせさせることでもありません。相手の意見も自分の意見と同じくらい大事だと認めることです。

そのために必要なのは、自分の本音を相手に伝え、相手の本音をよく聞くこと。それだけです。だから、お互いに言いたいことを言ったら喧嘩はおしまい。

話が堂々巡りを始めたら、心の中ではまだ納得していなくても、「もうお互いに言いたいことは言ったよね。じゃあ、おしまいにしよう」と言っておしまいにしてしまえばいいのです。


夫婦喧嘩の成果は遅れてやってくる

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せっかく喧嘩をしても結論を出さなかったら何も変わらないじゃないかと思うかもしれません。でも安心してください。夫婦には「無意識の歩み寄り」という機能があります。

「数カ月前に激しく喧嘩して、そのあと一度もすり合わせをしていないけれど、ま、いまさら蒸し返すほどでもないか」と思った経験はありませんか。それがまさに「無意識の歩み寄り」です。

お互いに相手の本音や問題意識を知るだけで、お互いの無意識が、解決に向けて動き出します。相手から「もっとこうしてよ!」と言われたことに、意識の上では反発していても、無意識が「ちょっと譲歩してもいいんじゃないの」と語りかけ、無自覚のうちに言動が変化します。本人たちも気付かないうちに、それぞれの無意識がそれぞれの言動を微妙に変化させて、じわりじわりと「いい落としどころ」に導いてくれるのです。

人間の言動の9割以上は実は無意識が決定しているといわれています。その力を信じて待つのです。そうすれば、夫婦喧嘩の成果は遅れてやってきます。

そういう「建設的夫婦喧嘩」をくり返すことで、さまざまな事柄について「いい落としどころ」が自然に定まり、「夫婦の形」ができてきます。

連休中の夫婦喧嘩がきっかけで、またひとつ夫婦が進化したのなら、まさに「雨降って地固まる」。夫婦とは、そうやって少しずつ夫婦らしくなっていくものです。

連休のたびに夫婦喧嘩になってしまうという夫婦は、連休以外の普段のライフスタイルを見直してみてください。できることなら、日々生じる小さなズレを、こまめに修整できるような夫婦関係を目指したいものです。

毎日5分でもいいから必ず会話をするとか、1週間に30分だけでもいいから夫婦二人で何もせずに過ごす時間を決めるとか、無理のないところから始めましょう。「最近忙しそうだね。大丈夫?」と一言思いやりの声をかけるだけでも違います。

本当の信頼関係とは、傷つけ合うことを恐れて遠慮することではなく、仮に傷つけ合ったとしても自分たちなら必ず乗り越えられると信じ合えること。「もめごとも乗り越えれば二人の宝物」と思えるようになることです。

「ものすごくむかついて、ぶつかることも多いけど、このひとは絶対に逃げない。どんなに本音をさらけ出し合ったとしても、必ず最後まで向き合ってくれる」。そんな信頼関係が築ければ、夫婦として上等です。

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