
足成
この法律は、身体障害者補助犬を使う身体障害者が自立と社会参加することが促進されるための法律です。
身体障害者補助犬を訓練する事業を行う者及び身体障害者補助犬を使用する身体障害者の義務等を定めるとともに、身体障害者が国等が管理する施設、公共交通機関等を利用する場合において身体障害者補助犬を同伴することができるようにするための措置を講ずること等により、身体障害者補助犬の育成及びこれを使用する身体障害者の施設等の利用の円滑化を図り、もって身体障害者の自立及び社会参加の促進に寄与することを目的とする法律用語というのは、なぜにかくもこんなに難しい表現を使うのだろうか!?
要するに「身体障害者の自立及び社会参加を促進するため、補助犬を増やそう!」ということに他ならないのだが…。
私も勉強しましたが、「補助犬」とは身体に障がいを持つ人の生活を助ける3種類の盲導犬・聴導犬・介助犬を総称した名前です。
アメリカで始まった聴導犬は、81年から日本での訓練が始まりましたが、盲導犬と比べ現在、育成するまでの資金、施設、人材が不足しており、実働頭数も少ないのが実情です。(※盲導犬966頭に対して、聴導犬はわずか65頭 /2016年7月 厚生労働省発表)
「聴導犬」の役割としては、耳の不自由な人に、タッチをする動作で音を知らせ、生活をサポートします。
例えば、赤ちゃんの泣き声、ドアのチャイム、携帯のメール着信音、目覚まし時計の音など、生活をしていく上で必要な様々な音を覚えます。離れた所で音がした場合でもユーザーの所まで行ってそれを教え、音源まで誘導します。また警報機の音を知らせるなどユーザーの安全を守る仕事もします。音が聞こえない事からくる不安を軽減し、耳の不自由な人の快適で安全な生活を支えることが聴導犬の主たる役目となります。
「候補犬不足」が聴導犬普及促進の足かせに
このように重大なる使命を帯びた聴導犬の普及促進の足かせとなっている主要な原因の一つに「候補犬不足」があります。 実は、適性があり、「聴導犬候補」として訓練をスタートできるのはごくわずであるという現実がそこには横たわっているのです。私の知り合いに「Pets Always Come First」をコンセプトに、年間2万頭の子犬・子猫を扱っている「ペッツファースト株式会社」の正宗伸麻社長がいます。
聴導犬の普及を目指し正宗社長は昨年8月から「公益財団法人 日本補助犬協会」との共同プロジェクトとして「ペッツファースト聴導犬育成プロジェクト」をスタートさせました。
多数の生体を扱うペッツファーストだからこそ出来る、犬の適性確認・提供。 聴導犬の普及促進や支援、育成活動に直接的に貢献できるのは間違いありません。さらに、候補犬の提供から訓練中の支援、そしてユーザーの元で聴導犬として活動し引退するまでのトータルサポートも行うそうです。
ペッツファースト出身の聴導犬は1頭(エール)で現在、4頭(マルコ、オーブ、ピース、リード)が訓練を終え、ユーザーの元で最終のトレーニングに励んでいる。世のため、人のためになる聴導犬として頑張れ!!
山根弘行(やまね・ひろゆき) プロフィール
芸能ジャーナリスト。鳥取・三朝温泉出身。元日刊スポーツ新聞社編集局文化社会部記者。日刊スポーツ在職中は「日本レコード大賞」の審査員を長期にわたって務めた。また、「宮沢りえ&貴乃花の破局」 のスクープで社長賞。その後、テレビ朝日のワイドショー芸能デスク兼レポーター。イベントのキャスティングやPR等を行うかたわら、現在はフジテレビ「バイキング」(木曜日)にも出演中。