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露出社会を平和にするために必要な寛容力について

<要約>

自らの表現により、誰もが等身大の社会を作れる露出社会。しかし、そこはユートピアでもなんでもなかった。日夜言論テロの火種を抱えている。どうすればその火種を最小限にしていけるのか?私たちは、人々と小さな共通項でつながればそれでよしとする寛容力という規範を身につける必要がある。しかし、そのためには、言論テロの火種を抱えた場合、できる限り、相手の立場に立って、電話や対面を通して面と向かって真摯に対応していくというグッとふんばる忍耐力が必要ではないか?

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私が、身の回りにいる人以外に向けて、自らの考えをインターネットを利用して語り始めたのは2007年11月11日からでした。それから4年以上の歳月が流れ、その場所はブログ、ツイッター、自らが運営するオンライン上のサロンなど複数になりましたが、その経験は山あり谷あり、ジャングルの中を生き残るために、必死に前進するゲリラ兵のようなものだったように感じます。

<ブログ炎上>

自らのブログエントリーが炎上した経験もありました。当時の私はまだまだ経験が足りなかったからでしょうか、批判記事を書いてきた人に向かって「バカ!」のような言葉を罵ったこともありました。今の私であれば、「貴重な意見をありがとうございます。......」自らに希少な時間を割いてまで、意見を寄せて下さった相手に対して、まずは敬意を示して、相手との意見の前提の齟齬を明らかにし、そこから自らの意見をさらに詳しく述べるようにするでしょう。

<ツイッターでのつぶやきが名誉毀損に?!>

また、ある時は、ツイッター上で、

「あなたの言ってることは名誉毀損だと思う。ボクはあなたを訴える。」

という趣旨のメッセージを頂いたこともありました。そのメッセージをみたときは、胸の鼓動がドクドクと、次第に高まっていくのを感じました。「どうしよう!」と1人パニックを起こしそうになったこともありました。

その相手は、私のことをフォローしていない方でした。リツイートで私の140文字の文章を読んで、まるで自分の今の境遇を愚弄されたような気分になったようです。最初、その方の私に対して発言しているとみられる、メンションのないツイッターの文章を読んだときには、正直なところ、「なんなんだこいつは!私はそんなこと言ってないよ!読み間違いもいい加減にしろよ!」と思いました。そして、その方のツイッターのフォロワー数が30人くらいだったのをみて、「よし、これなら私が圧勝できる。こいつの発言を私のツイッターで、リツイートして晒しあげて、みなさん、どう思います?」と投げかけようかとも思いました。

でもそのときです、もう1人の私が言いました。

「おい、きみ。きみは、露出社会では寛容力が重要になる。と言っていなかったか?きみは、それを自ら実践しようとは思わないのか?」

そのような声がどこからか聴こえてきたのです。そして、大学生の頃に経験した保険のテレアポの営業での教訓も頭をよぎりました。「どんな理不尽なことを言われようと、まずは自分から謝りなさい。」この教訓は、なにも聖人になれという教訓ではありませんでした。謝まることが、結果的に自分にもいい結果につながるという徹底的に実証されている教訓だったんです。まずは、自分の言いたいこと、分かって欲しいことがあっても、相手がそのことをきいてくれる気分にならないと、それを伝えられないのです。だから、私は早まる胸の鼓動を意識しつつ、グッとふんばって、「落ち着け!まずは、相手の私に対すツイートを全部読み上げてみろ!そして想像するんだ。相手になってみろ!相手は私のことをどう感じている?」

そして私は当該ツイートを声に出して読み始めました。すると、徐々にであはりますが、相手の置かれている立場がみえてくるところもありました。そして、相手の立場で考えてみると、なるほど私の問題のツイートはやはり気に障る部分があるなぁそのことがわかったきたんです。そこで、私は、その相手に対して、全面的に謝ることから始めました。公開リツイートをすることなく、個人間でのやり取りを開始し、電話で話をすることができる状況にまで辿り着きました。そこで、私の意図した内容を説明させて頂き、私がどんなバックグランドでそのような考えに至ったのかなども説明し、相手に最終的には、納得して頂くという経験をしました。その結果、相手は、名誉毀損で訴えるというのは早まった考えであり、もうそのようなことは言わないと納得して下さいました。

この件も結局は結果往来ではあるのですが、一歩間違えると、大変な騒ぎになっている可能性もあって、自らの意見を身の回りの人間以外に発信するということの、責任の重さ、恐怖のようなものを感じる経験でした。

<教訓>

他にも、具体的な事例を挙げていけば、もうキリがありません。小規模、大規模いろんな言論テロの火種を抱えてきました。このような露出社会における修羅場につい思いを馳せる時、最近出版ラッシュが続いている「PUBLIC」のような本の論調、ネットにいろんな情報をオープンにしていく戦略が、世の中を動かしていくんだという考えに対して、「そうだよね」私もそう思うよ。だから、露出社会論を、2010年からこのブログでは展開しているんだからねと思う反面で、それって、牧歌的なユートピア論じゃないよね、というのも強調しておきたいところです。まだまだ私たちはこの露出社会で、平和にやっていく方法を考えきれてないんじゃないの?って。

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「共感が大事」「寛容性が大事」コトバにすると、とても薄っぺらくなってしまって誰でも簡単にできちゃうように感じるのだけど、その共感を大切にして寛容性を涵養するのって、もう本当にめちゃくちゃ大変だよなぁ。というのが正直な私の感想です。

ソーシャルメディアを通じて個人が、自らを露出して自らの等身大の社会を創れる世の中にはなってきているけど、その個人の精神性までもがすぐに変化するワケではないので、いろんな言論テロは今後も発生すると思います。

それでも。

諦めたくない。それが私のスタンスです。私も、「むかつくなー!」「コンチクしょう!」などといった人間らしい感情を抱えます。決して聖人君子ではいられません。だって人間だから。たまには、その思いをソーシャルメディアで露出してしまうこともあるかもしれません。でもグっとふんばって、寛容であろうと思うし、共感を大切にしていきたいです。

でもそれは、本当に難しい。いいね!をおしときゃいいってもんでもない。いつから、そんなに、いいね!は軽いものになってしまったのか。

私たちは、完全には分かり合えません。いつも誤解し合っています。だから、言論テロもこれからも多発するでしょう。でも、だからこそ、徹底的に語り合いたいのです。今度言論テロが起きたらならば、私は、その相手に電話もするし、会って話もすると思います。

なぜならば、<私の考え U あなたの考え>で人とつながっていくことに希望を見出したいと思うから。私とあなたは同じではない。これからも永遠に完全には分かり合えないでしょう。

でも、奇跡的に、ある1つのことについては、わかり合える可能性があるかもしれなません。その小さなきっかけを大切にするという、慎ましい考えが、露出社会を平和にしていく、1つの方法であると思います。

露出社会は、決して平和ではありえません。そこに平和が訪れて欲しいと思うのであれば、それなりの方法が必要になると思います。それは、プログラミングのコードかもしれないし、法律かもしれないけれど、個人で今日からやれることがあるとすると、自分の中に、露出社会での活動における、「規範」をもつということ、そしてそれを周りにも広げていくことだと思います。

露出社会は、多くの人々がぞれぞれの考えを発表する場所になってます。今まではそれは限られた人にしか可能ではなかったし、それゆえにその限られた人はそれなりの覚悟があったと思います。

でも今は違います。平和に暮らしていた女の子が、携帯片手に、あるとき、「PUBLIC」なんてまったく意識もせずに、ツイートした内容が、多くの人々に共有され共感されるときもあれば、誹謗中傷にさらされることもあります。

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まだまだ始まったばかりの、露出社会が平和でありますように。

少し冷たく感じるかもしれませんが、人とは可能性のある最小単位でつながればそれでよしとする。違いに対してよりも、小さな共通項に対して「奇跡ですね!」と楽しめる自分であること。これは、露出社会における1つの規範にしてもいいものではないでしょうか?みなさんはどう思いますか?ご意見ご感想をツイッターfacebookでお待ちしています。

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