記事

フジに愛され過ぎたカトパン 八木亜希子アナになれるか?


【3月で終了した『スポーツLIFE HERO’S』(公式サイトより)】

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、カトパンの今後の可能性について考察。

 * * *

 4月に入り、元フジテレビの「カトパン」こと加藤綾子アナの“新しいお仕事”のニュースが尽きない。

 まずは22日にスタートした嵐の二宮和也主演のドラマ『日曜劇場「ブラックペアン」』(TBS系)。カトパンは「木下香織」なる元看護師の治験コーディネーター役だ。

 続いて、現在、NHKの『連続テレビ小説「半分、青い。」』の第4週(4月23日~28日)にアナウンサー役として登場。

 そして、“本業”では、産休に入る仲間由紀恵に代わって『ミュージックフェア』の司会を務めることも発表された。古巣のフジテレビの『めざましテレビ』で長年共演してきた軽部真一アナと再びタッグを組むというワケだ。

 フリー転向後に担当していた『スポーツLIFE HERO’S』が今年3月で終了することがわかったとき、「あのカトパンでさえ、フリーになったら難しいのか」と一部メディアでは言われていたものだが、そうではない。

 局アナの場合、退社して半年は他局に出ないという“暗黙の半年ルール”が存在すると言われているが、カトパンのように、局アナ時代、「一人に集中し過ぎているのでは?」と言われるほど売れっ子だった女子アナは、退社して一年は、“古巣”に対し、忠誠を誓うものなのである。

 逆に、退社した途端、ホイホイ(!)他局に出るアナウンサーというのは、出身局から大切にされていなかったか、昔は大切にされていたが他部署に異動させられたり、干されたりして久しい場合が多い。

 あれだけの競争率を勝ち抜いて、しかも在京キー局に入社したのに「こんなハズではない」「私の実力は、他局なら活かせる」とばかりに古巣に後ろ足で砂をかけるかのように、他局でレギュラーをもつのである。

 カトパン同様、「フジテレビに愛され過ぎている」と、退社した先輩女子アナが嫉妬するほどだったのは「八木ちゃん」こと八木亜希子。彼女が退社後、『連続テレビ小説「あまちゃん」』(NHK)や『大河ドラマ「真田丸」』、『帯ドラマ劇場「トットちゃん!」』(テレビ朝日系)といったF3層に人気のドラマに出演したり、あの『日曜劇場「陸王」』(TBS系)でナレーションを務めたり。さらには三谷幸喜氏から見初められ、映画『みんなのいえ』『THE有頂天ホテル』など、女優業が多いのは、そのキャラクターもさることながら、喋り手として、フジテレビ以外の局に積極的に出演するのを遠慮しているからではないかと私には思える。

 あまり知られていないかもしれないが、八木ちゃんは、09年から5年間、『BSフジLIVE プライムニュース』(BSフジ)で月~木のメインキャスターを、あの反町理氏と共に務めていたのである。これもまた、フジテレビ幹部に「愛され過ぎていた」からにほかならない。

 そんなだったからこそ、「八木亜希子=フジテレビ」というイメージがいまだに強く、他局は「MCでは使いづらい」という思いがあるような気がする。

 カトパンにも、非常に似たところがあるうえ、視聴者にとっては若者トレンドやエンタメ情報に定評がある『めざましテレビ』の印象があまりにも強すぎる。そのため、硬派なニュース番組や、スポーツニュース『~HERO’S』などの枠組みには、やや収まりが悪いという特徴が、彼女の仕事を広がりにくくさせているのではないか。

 とはいえ、当代きっての人気女子アナ。この春、女優として人気のドラマ枠からオファーがあったことも頷けるし、『ミュージックフェア』というフジテレビにとっては「シオノギ」という大切なスポンサーへの対策を含め、とても大事な番組で「仲間由紀恵の代打」にカトパンを据えたことは大いに頷ける。

 もちろん仲間由紀恵サイドにとっても、ヘタに後輩女優などに担当されるよりも納得がいくだろうし、遠慮なく復帰しやすい。そして視聴者にとっては、軽部&カトパンという懐かしの“めざましコンビ”を再び見られる“お得感”もあるというワケだ。

 さらに、華もあって、ミュージシャンらにも“通りのいい”カトパン起用は納得のキャスティングだった。

 そして、八木亜希子と加藤綾子に共通するタレントとして真っ先に挙げられるのは明石家さんまだろう。

 毎年、クリスマスイブの深夜に生放送される『明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー』(フジテレビ系)のアシスタントは、第一回からずっと八木ちゃんが担当。フリーになってからも、結婚して仕事をセーブしていたときも、海外住まいだったときも、八木ちゃんはこの番組にだけは出続けていた。

 カトパンと明石家さんまとは、『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)で、開始以来9年も共演。彼女がフリーになってからも後輩にバトンタッチするという話は一回も出ないまま、いまに至る。

 八木ちゃんとカトパンとでは年齢が異なることから、彼女たちに対する明石家さんまのツッコミは微妙に異なるものの、他局の女子アナで、さんまがここまで心を許している女子アナも他に見当たらず、八木ちゃんもカトパンも、それをわかって、他のタレントと組むときとは明らかに言動が違っているし、伸び伸びとやっているように見える。

 古巣からの大事にされ方や、女優としての可能性、さらには、明石家さんまとの“関係”など、何かと共通項の多い八木亜希子と加藤綾子だが、唯一異なるのは、同性からの人気度と、その“種類”ではないか。

 同期入社で仲も良かった河野景子(現・花田)や故・有賀さつきさんと比べると、目に見える上昇志向がなかった八木ちゃん。カトパンも同期の椿原慶子アナとは仲良しだが、入社当時から報道アナを目指していた椿原とは異なり、音大出身の加藤は自身のコンプレックスを告白したこともあった。

 とはいえ、民放全局の最終試験に残り「スーパー綾子」の異名をもっていたカトパンに対する入社後の評価は、華があって、立ち姿がキレイで、つきあいが良くて、「座持ちのする女」というのが代表的な意見だろうか。声の主は圧倒的に男性スタッフや男性共演者たちである。

「フジテレビに愛され過ぎた」ゆえ、使い勝手がいいとは言えぬ加藤綾子が、ふんわりとした雰囲気のまま、多方面に活躍の場を広げる八木亜希子のようになれるのか否か。古巣に遠慮する期間が解け、思う存分やれるようになった今春以降の「スーパー綾子」の仕事ぶりから目が離せない。

あわせて読みたい

「フジテレビ」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    PCR至上主義は幻想 韓国で露呈

    中村ゆきつぐ

  2. 2

    五輪中止は決定済み? 記事に驚き

    天木直人

  3. 3

    ブルーインパルスが都心飛行へ

    ABEMA TIMES

  4. 4

    河井夫妻支えた安倍首相の思惑は

    猪野 亨

  5. 5

    テラハ問題を理解できぬ若者たち

    NEWSポストセブン

  6. 6

    テラハ 作り上げたリアルの実態

    浮田哲

  7. 7

    景気回復の奇策「消費税15%に」

    永江一石

  8. 8

    コロナ抑えたハワイ 店舗も再開

    荒川れん子

  9. 9

    フジは迷走? コロナ禍のTV企画

    メディアゴン

  10. 10

    月に30万円稼ぐパパ活女子の本音

    文春オンライン

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。