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岐路に立つ弁護士の世界

就職先が見つからないので司法修習を終えても弁護士登録をしない人が急増している、というのは本当のことである。

他にやることがあるから弁護士にならないのではなく、弁護士会の入会金や毎月の会費が払えそうにないから就職先が決まるまで弁護士の登録を待つ、ということのようだ。

その数が400人を超えると聞いていたが、この400人の存在が若い弁護士の生き方をも左右するようになっている。
就職が決まった人が順次弁護士登録をし弁護士会に入ってくるが、その一方で、3ヶ月くらいで法律事務所を辞める弁護士が出てくる。
供給が過剰になると、既存の法律事務所の方ではこれに伴って採用に慎重になり、人を選ぶようになる。

弁護士の入れ替わりが激しくなる。
弁護士の流動化が進み、競争が激化する。
これがいい方向に行くのか、それとも悪い方向に行くのかは、まだ分からない。

功成り名遂げた既成の弁護士には変わらない方がありがたいことが多いが、やはり変わるものは変わる。
政治の世界の風景は相変わらず変わらないが、司法の世界では革命的変化が進行している。

昨日、4人の候補者が届出を済ませて日弁連の会長選挙の火蓋が切って落とされた。
これまで現職の会長が引き続いて次の選挙に立候補するなどということはなかったが、今回は現職の宇都宮氏が名乗りを上げている。
異例なことである。

宇都宮氏は、クレジットやサラ金等の多重債務者問題を主に手がけてきた消費者運動の先頭に立ってきた旗頭の一人であるが、弁護士会の会務にはあまり関わってこなかった弁護士である。
その宇都宮氏をまた担ぎ出そうというのだから、弁護士会の中で異変が起きていることはお分かりになるだろう。
司法改革の流れを元に戻したい、という力が強く働き始めているのである。
革命の反動が現れはじめている、と言ってもいいかも知れない。

宇都宮氏は、弁護士会の中では非主流、孤高の存在だった。
2年前に2度の選挙を行って主流、正統派と言われる元東京弁護士会会長を蹴落として宇都宮氏が日弁連会長に当選した。

非主流の候補者が再び日弁連のトップの座に座ることになれば、これまでの主流派、正統派と言われてきた人たちが進めてきた司法改革の流れが否定されたことになり、司法改革はストップし、見直しをするということになるだろう。

そういう意味では、今回の日弁連会長選挙には大変重要な意味がある。
マスコミが日弁連の会長選挙に関心を持つのは、当然である。

しかし、マスコミが弁護士会の選挙を大きく取上げるようになったのだから、世の中もずいぶん変わったものだ。
2年前に始まった「大変」が今もなお続いている、ということであろう。

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