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政と官の距離

 一連の森友、加計学園問題、自衛隊の海外活動における日報問題、さらには財務事務次官のセクハラ問題などなど、中央政界では次々と問題が発生し、「日替わりメニュー」の対応に追われている。この間、北朝鮮問題の急展開や日米首脳会談における貿易摩擦再燃への懸念など、国際的な急変とそれに対する政治外交上の対応も、一方では急務となっている。

 総理官邸や中央省庁におけるこれらの問題は、国勢調査権やアクセス権の障害など、民主主義の根幹を揺るがしかねない事態であり、これらの解決に国会の時間と勢力が費やすことは当然である。しかし同時に、対外的な懸案にも同様の関心と労力を費やすことも重要である。ただでさえ我が国の国際的な価値とプレゼンスが下がって来ているのに、前者の問題のみに焦点が当てられ、後者をないがしろにするのであれば、その価値を一層下げ兼ねないという現実を、我々はもっと意識すべきではないか。

 今回の公文書改竄や日報隠蔽という疑惑は、単に行政の杜撰さや質の低下というだけでなく、総理官邸の強過ぎる権力に対する官僚側の大いなる忖度という背景がある。世の中には「忖度」という要素はあちこちに存在するが、公平公正で無謬であるべき行政の中枢が、忖度によって余計なことやり過ぎ、公正さや無謬性を歪めたことが問題なのだ。

 かつて橋本龍太郎内閣の時に、官僚主導から政治主導の政府を作るため、総理官邸の権限を強くしたり内閣府を創設したりするなど、大胆な行政改革を断行した。しかしそれから20年も経つと制度疲労を起こし、内閣府の肥大化や官邸の力が強くなり過ぎた。長期安定の安倍内閣の存在もそれに拍車をかけることとなった。

 加えて内閣人事局長に政務の官房副長官を充て、中央省庁の幹部人事を官邸に握らせたため、官僚は官邸を見ながら仕事をするようになり、国民やその代表である国会に正面から対応する心構えを失いつつある。官邸にNOと言える勇ましい官僚がいなくなった。

 もちろんかつてのような官僚主導の政治に戻すべきではない。国際情勢も変化が激しく、国内も利害関係がより複雑化し、人口減少という未曾有の事態に直面している。前例踏襲や無謬性、公平性を旨とする官僚では、これらに対応することは難しい。政治が柔軟な発想と不退転の決意で難題を解決する場面が増えている。

 望むべきは政と官を対立する勢力と見做さず、どちらが主導権を握るかという不毛の議論を止め、如何に上手く協働させるかに腐心すべきである。それぞれの長所をどう生かすかである。政官癒着は以ての外だが、政官が一定の緊張感持ち、一定の距離を置いて、ともに国家国民のために働くことが大事である。

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